漢方薬の効果がわからないのは漢方薬を飲む期間が関わっている
漢方薬の効果って、飲み始めていつ頃から出てくるのでしょうか?
『漢方薬は効果が出るまでに3ヶ月かかる』とか『6ヶ月かかる』というのは、まったくのデタラメです。
あれは漢方薬の効果の理屈がちゃんとわかっていない先生の言い訳から出てきたのではないかと思います。
それと、漢方に対する勘違いです。
2千年前の中国で確立された漢方治療を全く関係のない2百年ほど前に西洋で確立されてきた現在の病院の治療理論を元に勝手に変換して考えた結果、あのデタラメな『漢方薬の効果は3ヶ月かかる』が生み出されたのではないかと思います。
実は『漢方薬の独特の効果』のことを正しく理解してないと、漢方薬で治療することは不可能なのです。
当たり前ですが、漢方薬の効果は、西洋医学の理論ではなく『東洋医学の理論』で考えます。
漢方薬の効果が出る時間は決まっていない
漢方薬はある一定の期間で処方されます。
病院なら10日分とか、パッケージの箱で売っている漢方薬なら30日分とか、あれは、『その期間を飲んだら、治る』という日数ではありません。
漢方薬は病態や体質、選ぶ漢方薬によって、効果が出てくる期間はバラバラです。
いつ効いてくるのかは『人それぞれ』
かといって、その時、その時に適当な日数で処方するわけにもいきませんので、一応、便宜上、区切った日数を決めて処方します。
一方、病院の薬は、効果が出てくる時間が決まっています。
病院の薬は、薬になる前に臨床検査という実験で、どれくらいで薬の成分が体に吸収されて、どれくらいで設定されている効果が現れてくるかが決まっているのです。
多分、医者も含めて、一般の人も、これと同じように漢方薬の効果を考えているだと思いますが、漢方薬の効果は病院の薬と違って「ある決まった成分」があるわけではなく、人それぞれの体の状態を調整しますので効果が出る時間はバラバラです。
病院の薬と漢方薬では治療の目的が違う
漢方薬で病気を治す場合は、『自分が気になっている症状がなくなるかどうか?』で治療するわけではありません。
もちろん、アトピーを治療する場合、かゆみをとり、湿疹を無くすことが目的です。
病院の治療の目的は、かゆみと湿疹を一時的に抑えることです。
『一時的に抑える』というのは、ステロイド剤で例えば2、3時間だけ限定で治すことです。
漢方はかゆみと湿疹を一時的にでも抑えることが第一の優先目的ではありません。
なぜ、漢方では、かゆみと湿疹を抑えることが最優先ではないかというと、漢方ではかゆみなどの症状が出ているのは、体内のいろいろなバランスが、崩れて発生していると考えるからです。
例えば、アトピーを例にすると『皮膚表面の水の巡りが悪いことが湿疹やかゆみが発生する原因になっている』とか、『肝の臓の余分な熱が、肝の臓の機能を低下させて、体に有毒な毒素を分解できていないことが、かゆみや湿疹が発生する原因になっている』とか、アトピーといえば『湿疹がある』という状態のことだけのように思いますが、体質も関係し、体質は人それぞれ違うのです。
漢方では、この『人それぞれの体質』を正常なバランスに整えていけば、アンバランスによって発生していた湿疹やかゆみは、自然に発生しなくなると考えます。
体全体を調整しながら、徐々にかゆみや湿疹がなくなっていくように導いていくのです。
病院の場合は、『湿疹とかゆみだけを一時的に抑えることのみ』が治療の目的で、逆に体の根元の問題には一切、触れませんので、延々と『かゆみを止めるだけの治療』が続きます。
漢方薬の効果を邪魔するもの
タイトルにある『漢方薬の効果がわからないのは漢方薬を飲む期間が関わっている』とはどういうことでしょうか?
実は、漢方薬で治療する時、ほとんどの人は無意識に西洋医学と一緒くたにして同じ感覚で治療しようとします。
当たり前といえば当たり前。
なぜなら、東洋医学の治療理論は知らないからです。
『漢方薬は西洋医学のように効果にも関わらず自然のものだから安心』みたいな、魔法の薬のような勘違いをしている人がたくさんいます。(医者含む)
つまり、漢方薬も病院の薬のように飲み始めたら『すぐにかゆみが止まってくる』との勘違いをおこすのです。
漢方薬の効果や成分に免疫を抑えるなどの効果なんてありません。
もちろん、漢方薬もかゆみと湿疹を無くすことが目的ですが、あくまで治療の目的は、『水の巡りがどうなったか?』『熱の巡りがどうなったか?』それらが、目論見通りに選んだ漢方薬で整ってくれば、かゆみや湿疹もやがて、無くなってきます。
となると、漢方薬を飲み始めて『かゆみが取れない』『湿疹がなくならない』という、この2点だけを見ていたら、いつまで経っても漢方薬で治療はできません。
確認すべきは、全身の状態に『良い変化』があり、それがかゆみや湿疹を無くしていくことと『つながっているのか?』
この2点を確認しないといけないのです。
それを毎回、『漢方薬を飲んでも、かゆみも湿疹も無くならない』としかみていない場合、どの漢方薬を飲んでも、当たり外れの運任せで飲むだけで、しかも、漢方薬は、かゆみや湿疹を直接とることが目的ではないので、たまたま、かゆみや湿疹がとれたからといって、続けて飲めば、どんどん治るのかどうかもわかりません。
本来の漢方薬の効果と続け方
漢方治療はある一定の期間(2週間とか4週間とか)で全身の状態の変化を確認しながら、治療を進めていきます。
『全身の状態とかゆみや湿疹との関連』を見ながら、『本当にちゃんと治っているかどうか?』を確認していきますので、全身の状態を考えた時に、人それぞれなわけです。
全身の状態が、早い段階で調整される人もいるし、良くなった部分や悪くなった部分が混ざっているような変化の人もいます。
治り方も人それぞれでバラバラですが、病院の感覚で漢方薬を飲む人や医者のように西洋医学と同じ考えで漢方薬を処方すると、1ヶ月、飲んだ時に『かゆみと湿疹が無くなったかどうか』でしか見ないので、そこで『漢方薬をやめてしまう』か、『闇雲に何か違う漢方薬を飲む』か、『実はデタラメな理論なのに6ヶ月飲み続けてみる』という、どれも『漢方薬では治らない方法』をとってしまいます。
漢方薬の効果を邪魔するのは、『治る期間(飲む期間)を勝手に決めてしまうこと』『治り方(直接かゆみがとれる等)を勝手に決めてしまうこと』なのです。
この2つの条件を自分で勝手に決めてしまうと『漢方薬は効果がない』と、これまた自分で勝手に決めてしまい、本当の漢方治療の機会は失われてしまいます。
ぶっちゃけ、一般の人や医者が漢方薬を選んだ場合、初回によほど運良く、自分が気になっている症状が良くなるでもしない限り、『その漢方薬が合っているのか?『飲み続けてもいいのか?』もわからないと思います。
つまり、自分で漢方薬を選んだり、医者に漢方薬を選んでもらう場合は、治療が完全に運任せの賭けごとにみたいになります。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社