漢方薬相談ブログ

湿疹(皮膚炎)を治す意外な薬

湿疹(皮膚炎)を治す意外な薬

漢方は根本治療を手助けしてくれる治療方法です。

ちなみに病院の薬は元々、エビデンス的にも根本治療できるものではないですが、漢方薬でも、ただ漢方薬を飲むだけでは根本治療にはなりません。

慢性病の原因は、あなたの生まれつきの体質とあなたの生活の中にあります。

なので、まるっきり、薬まかせや薬を飲むことだけしかせずに何一つ生活養生しない人は、なかなか治りません。

病的体質の診断結果である『証』は、証に合わせた漢方薬と、証に合わせた生活養生が揃って根本治療に向かって動き出します。

漢方での治るための養生とは「緑黄色野菜を食べよう!」とか「毎日、運動しよう!」といったようなよくある一般論ではありません。

合わせる漢方薬は、人それぞれの体質によって変わってきますが、『養生方法もその人独自の体質に合わせること』『実際に実行できるのか?』を考えることが必要です。

例えば、昔、義理の母がグチュグチュの潰瘍みたいな湿疹が体のアチコチにできていた時、その時の医者のアドバイスが「北海道に住めば治る」というものでした。

多分、乾燥しているところに住めば自然に治ると言いたかったのでしょうが、それだったら「大阪でも冬だったらマシになるのかよ」と言う話です。

仮に北海道で治るとしても、大阪で人工透析を行なっている高齢な母が今更、引っ越すことはできません。

絶対、できなさそうなアドバイスは下手すれば、悪気がなくとも強烈な嫌味にもなります。

なので、身のある養生は『今の生活で少しでも実行可能なこと』『不可能なこと』を患者さんと一緒に考え、実践していくことです。

養生の重要な4つのポイント

うちでは以下の4つの点に注意します。

1 その病気を治す場合に必要な養生。(アトピーの養生や不妊症の養生など)

2 その人の体質にとって必要な独自の養生。

31」と「2」を実生活の中でどう実践するか?ゴールも設定する。

4 養生を実践した後、その養生は間違っていないかの確認。

何のためにしないといけないかのゴールを意識して、それに対して何をしないといけないかを考えます。

小さな子の湿疹の養生の実例

まだ3歳にならない赤ちゃんの例です。

背中がひどいアトピーでよくみるとアレルギー反応で出ている湿疹と日和見菌のバランスが崩れて出ている湿疹があります。

小さなか子が、かなり痒がるのでステロイドを使用したのですが、それで菌系の湿疹が広がったみたいです。

この時に必要な養生は、湿疹患部を乾燥させることです。

乾燥が行き過ぎて、ひび割れて血が出るほど、ほおっておいたらダメですが、皮膚表面に水分のある状態もダメです。

当時は真夏だったので、部屋の中はドライにして汗をかいたらすぐに着替えさせるようにアドバイスしました。

ここまでは、その赤ちゃん独自の湿疹の状態に合わせた方法です。

もう一つ必須なのはアトピーとう病気を治すための養生。

アトピーは患部を掻いてはいけません

掻くと湿疹周辺の皮膚が壊れてしまい、何日か前の悪かった状態に戻ってしまいます。

そうなると、また一からとはいいませんが、治療のやり直しのようになってしまいます。

医者はステロイドで湿疹や、かゆみを強制的に止めてしまうので、湿疹の皮膚がキレイに復活していくかどうかなんて気にもしてないでしょうが、実はアトピーを根本的に治そうと思ったら、湿疹と湿疹周辺の皮膚の状態が良い状態に進んでいるかを観察していくのが重要です。

掻くか、掻かないかは根本的に治るかどうかに関わってきます。

大人の場合は、掻き方の工夫などをアドバイスしますが、赤ちゃんの場合は『掻いてはいけない!』とか『掻き方』をアドバイスしたところで掻きたいように掻きます。

ミトンのような手袋をしてもらったり、事前に痒がる時間を観察しておいて痒がる時間帯の前にお母さんが患部を抑えてあげたりなど、いろいろと工夫しましたが、それでも掻く時は掻くという状態が続いていました。

そして掻くと、またひどい湿疹状態に逆戻り…

掻く問題をどうしようか悩んでいた時です。

あるイベントで子供が疲れてぐったりと倒れるようにぐっすり寝てしまった、次の日に大幅に湿疹が改善していました。

そこで、お母さんはあることを思いついて実行されました。

僕が『掻かなければ早く治る。しかし、それをどうしたら良いか?』と、いつも一緒に考えていたので、その目的を達成するためにどうすればいいのか、普段の生活も考慮して考えられたのです。

それは抗ヒスタミン剤を飲ませること。

それも前世代のものです。

すごい!!

本来のアレルギーを抑える効果ではなく、前世代の抗ヒスタミンの中枢神経に働きかける副作用の鎮静作用を利用して、赤ちゃんを眠らせることに使いました。(若干ですが、かゆみを抑えるのにも役立ちます。)

本来の使い方ではなく副作用の方を利用したのです。

なので、当然、医者が処方したわけではありません。

お母さんのご指名で医者に処方させました。

しかし、医者に処方してもらったわけではないので、うちに相談に来たのは、その抗ヒスタミン剤を飲んでも大丈夫なのか?

ちなみに医者は普段から小さな子にでも、お決まりセットとして抗ヒスタミン薬とステロイド剤を出しまくっています

「期間が長くなったらダメだけど、短期間なら大丈夫です」と抗ヒスタミンの作用機序や副作用を説明しながらのアドバイスしました。

そして、作戦は効を奏しました。

夜1回だけ、飲みましたが、良く眠るようになり、1日、1日経つごとに少しずつ肌がキレイになっていきました。

※ただし、抗ヒスタミン剤でアトピーが根本的に治ると言っているわけではありませんので、そこはご注意ください。

あくまでその子の体質や生活状況など、いろいろなこと考え合わせてやってみた方法ですので、アドバイスなしにされる場合は、医者の言う通りにやったほうがいいです。

お母さんも小さい頃からアトピーで小学生の時に医者に『ステロイドで治るのですか?』と聞いて、小学生に対して曖昧な態度しかとらなかった医者をみてステロイドをやめたとうツワモノです。

昔にうちの治療でアトピーは治りました。

今回は、僕もとても勉強になりました。

やはり根本治療のための養生は、人それぞれの体質にも合わさないといけませんが、『生活の中で実践していけるのか?』『それを続けることができるのか?』が重要なのだと思いました。

そして、やはり実際に悩んでいる人が、考え出した養生は素晴らしいなと思いました。

根本的に治すにはいろいろな行動が必要なのですね。

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ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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