漢方薬相談ブログ

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病院の漢方薬の効果を感じられない理由(「科」の問題 )

  1. 知識があるから治せるのではない
  2. 体質を分析しない漢方はもはや治療レベルではない
  3. 漢方薬は体質を分析して治療します
  4. 漢方薬と西洋薬の決定的な違い

漢方薬を飲んでいても「効果がないな」と感じる人は結構、いるんじゃないでしょうか。

「体にやさしそうな自然の薬だから時間もかかるだろうし…」そんな思いであまり効果を感じていないのに漠然と漢方薬をなんとなく飲み続けているという人が多そうです。

漢方はきちんと東洋医学理論を勉強しないでマニュアルにあてはめて処方している医者や瘀血タイプはこの漢方薬!みたいな占いみたいな処方しかしない漢方薬局の先生みたいな人の方が圧倒的に多く、真面目に東洋医学理論を駆使して体質(証)を判断し、漢方薬を選ぶ先生の方が少ないので、まるで『真面目に漢方治療している先生の方が間違っている』みたいな、歪な業界です。

こんな歪な業界なんて、まずないですが、日本の6年以上、勉強しても、『ちっとも会話ができない英語教育』なんかは似たような感じはありますね。

日本では英文を後ろから訳す人が英語の先生なんて呼ばれています。

文の後ろから英語を訳すとか「会話はどうすんの?」って感じ。

リアルタイムの会話を録音して、相手がしゃべり終わってから訳すのかよ!って、そんなコミニュケーション、ありえないですよね。

実は、漢方業界も日本の英語教育業界と同じく、本質的な意味を勘違いしている先生が漢方薬を処方していたりします。

そういった間違った常識につられて、一般の医学素人の方でも「漢方薬を自分で選ぶことができる!」とか勘違いしちゃっている人もいたりして、今の漢方は本当の意味を知らない人達ばかりで構成されています。

ネットや本、医療用マニュアルを見て、病名と症状を当てはめて選ぶだけで治る…そんな簡単なわけなじゃないですか。

医者のように漢方に関して低レベルな先生用『病名→症状→漢方薬』みたいな本は確かにありますが、僕らのような専門家が使っている本なんて、多分、単語すら理解できないと思いますよ。

そもそも、医者もそんな本が理解できないから、『病名→症状→漢方薬』と超簡易版マニュアル法で漢方薬を処方しているのですから。

知識があるから治せるのではない

だったら、漢方に詳しかったら治せるのか?

というと、かならずしも治せるわけではありません。

しかし、少なくとも『漢方薬で治療』をするからには、もちろん、医学理論も含めて理解していなければ、始まりません。

逆に考えてみてください。

処方箋に書いてある薬の効果(この薬は咳を止めます)程度のことしか知らず、病名は知ってるけど病気のメカニズムである病理学も体全体のしくみを説明している生理学も薬の効果を化学的に説明している薬理学もどれも一切、知らないで病院をしている医者ってどう思います?

普通にそんなところで診察→処方してもらうのって怖いですよね。

こんな感じのことを漢方でやっているのが、今の大半の病院や病的体質である『証』を分析せずに漢方薬を処方している漢方薬局の実情です。

体質を分析しない漢方はもはや治療レベルではない

医者はなぜか、漢方薬も病院の薬と同じように、ある有効成分があって、ネズミの実験で効果のことがわかっていて…と、そんなものがあると大きな勘違いをしているか、ないし漢方薬がどういうものかも深く考えないでルーティンワークで処方しているようです。

しかし、本来、漢方薬にマニュアルはありません。

どこかのメーカーが勝手に漢方マニュアルを作っていますが、そもそも漢方薬の治療の目的は「似通った病気を持ってる人を治す」ことが目的ではないのです。

例えば、昔、SLE(全身性エリテマトーデス)で不妊症でも悩んでいる患者さんがいました。

また、子供の頃から重度のアトピーで不妊症で悩んでいる患者さんがいました。

どちらの方も、SLE(全身性エリテマトーデス)と重度のアトピーという病気がありますが、その時点では、ご自身は「不妊症」が一番の悩みでした。

西洋医学の場合は、SLE(全身性エリテマトーデス)は膠原病、リウマチ科に受診に行って、不妊症は不妊症で婦人科か、不妊治療専門の病院に行くわけです。

重度のアトピーの方もアトピーは皮膚科に行き、不妊症は婦人科か、不妊治療専門の病院に行くわけです。

そして、実際にそうされていました。

西洋医学ではこんなことは当たり前でSLE(全身性エリテマトーデス)を治療する膠原病、リウマチ科では不妊症の婦人科のことには一切、触れません。

重度のアトピーを治療する皮膚科では不妊症の婦人科のことには一切、触れません。

どちらも逆も同様で、不妊治療を行う婦人科や不妊治療専門の病院ではSLE(全身性エリテマトーデス)やアトピーの治療には無関心、無知です。

それは『その専門の「科」で別で診てもらってください』となります。

不妊治療の病院ではホルモン治療のみを淡々と行います。

不妊治療の病院では、SLE(全身性エリテマトーデス)やアトピーがひどくなっても無関係です。

ところが、この病気って両方とも一人の体の中で起こっていることなのです。

病院は科目を分けていますが、実際のあなたの体の中でも、それぞれの病気は全くの無関係だと思います?

同じ血管、同じ胃腸、同じ筋肉。

どちらの病気もあなたなのです。

漢方薬は体質を分析して治療します

漢方薬は体全体をみてあなたの病的体質を分析します。

体質をみて治療するということは、SLE(全身性エリテマトーデス)の状態も不妊症の状態も全部、ひっくるめて考えて治療するということです。

アトピーの状態も不妊症の状態もひっくるめてあなたの体質がどうなっているのか?を考えます。

更に西洋医学では病名にもならない『胃もたれ』『月経前に特に理由なくイライラする』なども体質を分析する上で考える必要があります。

仮に「各科」で体質を分析できたとしても「膠原病科」と「婦人科」を分けて受診すると、その「科」ごとに、いくつものバラバラの体質診断をされることになり、『どれが一体、あなた自身の体質』なのか、わかりません。

つまり、病院は、そもそも漢方薬を選ぶための東洋医学的な病的体質を知るための問診をとらないという問題以前に「科」に分かれている時点で『体質に合わせた漢方薬』を処方することは不可能なのです。

漢方薬を真面目に治療として使用したければ、外科と歯科以外の診療科目は全部、自分1人で診るつもりでないと漢方は西洋医学とは全くの別物の治療なので、何の意味もなさないのです。

漢方薬と西洋薬の決定的な違い

漢方薬の効果をごく単純に例えてみれば、冷えている人には温める漢方薬を選びます。

仮にある人の体質が実は冷えているのではなく、余分な熱を持っている人だった場合、温める漢方薬を選ぶと熱体質に熱の漢方薬を合わせるので、病気はよりひどくなります。

ちなみに冷えの体質というのは「手足が冷える」からというような単純なものではなく、『のぼせや熱感、足のほてり』などを『虚熱の証(弱っていて反対の熱症状がでている)』と分析して、熱証は本来なら冷やして治しますが、熱症状を温める熱の漢方薬によって治す方法もあります。

これを漢方の医学理論で『反治』といいます。

もちろん、実はストレートに熱症状として冷やさないといけない『正治』の場合もあり、体質判断が間違っていた場合は、体の状態はひどくなります。

漢方薬は、そもそもの効果や副作用の考え方自体が、このように西洋医学とは違いますので、病的体質である『証』を判断しないで、漢方薬を処方するというのは、もはや、治療とは呼べません。

病院から処方された漢方薬である程度の期間、飲んでいても効果を感じられないのは、単純に『最初から治療として成り立っていないから』ということなんですね。

医者にしろ素人である自分自身で漢方薬を選ぶにしろ、証を分析しないで漢方薬を選ぶ場合、単なるラッキーを期待するしかありません。

なぜなら、それは医学とは言えないのですから。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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