病院の薬を何年続けても根本治療にはならない理由
漢方治療で根本治療をしたいと思う人でも、やっぱり最初は病院に行きます。
まれに僕のように病院嫌いで、いきなり『漢方治療から』というツワモノな人もいますが、大体は、病院で治療をしていたけれど、全然良くならないから「うちに相談に来てみた」という感じです。
こういった状況の人が多いので、うちに来る前に『病院ではどんな治療をしていたか』を細かく知る機会がたくさんあります。
過去の病院での治療を聞いていると「それって、患者さんに対して説明がテキトーすぎない?」というような話を平気でしている医者もいます。
それは、『病院の薬を続けていたら、治るかもしれない』と医者が説明していることです。
もしくは逆に病院の薬では『根本的には治らない』ことをちゃんと説明していないことです。
病院の薬は対症療法というもので、科学メカニズム的にいくら続けても、『根本的に治ること』はありません。
病院では成功例も失敗例も集まらない
患者さんが、うちに漢方相談に来た時には、すでに病院で治療を失敗して来られています。
それゆえに僕は漢方相談を始める前に『西洋医学治療の実際の失敗集』をいやが応にも勉強することになります。
皮膚科、婦人科、整形外科、不妊治療の病院など、あらゆる「科」のあらゆる病院の治療の失敗談を治療を受けていた当事者からリアルに聞きますので、そこらの「皮膚科」などの1つの「科」でしか治療していない医者よりも『現場のリアルな治療』に詳しいかもしれません。
物事の上達は、成功よりも失敗の例から学ぶことが多いと言いますが、西洋医学を勉強する機会としては、これほど良い機会はないかもしれません。
例えば病院で治療を受けて『根本的に治ってから医者に報告に行く』なんて人はいないと思います。
仮に治ったとしても病院が、そんな報告だけを言いに来る人を受け付けてはいません。
また病院の治療が思うように進んでいなくても、患者さんは何も言わずになんとなくモヤモヤしながら治療を続けていることが多いか、違う病院に変えてしまいます。
皮肉な話ですが、当の医者は自分が施した治療の『治った良い例』も『治らなかった悪い例』もあまり知る機会がないのです。
漢方家である、僕の方が西洋医学の失敗例や成功例をたくさん学ぶ機会があるというのは、なんとも皮肉な話です。
医者は病院の薬に対して間違った説明をしている
うちのある患者さんから実際に聞いた話です。
慢性の蕁麻疹で悩んでおられた方ですが、ザイザルを5年間飲み続けているという話でした。
「なんで、そんなにザイザルを続けているの?」とお聞きしました。
なぜなら『ザイザル5年も飲んでいて蕁麻疹が治っていない』のも、おかしいし『治っていないのに5年も飲んでいる』のもおかしい。
どっちにしろ、ザイザルを続けていることがおかしいのです。
どうも、その理由は、『医者が飲み続けることによって治ってくる』と説明したらしいのです。
最近は、すこーしだけ、ほんのすこーしだけマシになった感じなので、1日おきになったそうです。
ご丁寧に医者曰く『本当に治そうと思ったら10年はかかるけど5年だったら効いてきた方だ』というデマ情報までつけています。
ぶっちゃけ、全然、治ってないのでうちに漢方相談に来られているのですけれどね。
病院の薬では根本治療にならない理由
病院の薬では根本治療にはなりません。
一応、誤解されないように説明しておくと、こんなことを言ってるのは、僕が東洋医学の人間だからではなく、れっきとした科学的根拠があり、西洋医学の外科医の師匠にもちゃんと裏付けをとっています。
それには、科学的な理由があります。
その理由は、病院の薬は対症療法といって『症状を一時的に抑えるしか効果がない』ことが科学的に証明されているからです。
薬の説明にも「この薬は根本治療にはなりません〜」的なことはハッキリと書かれています。
病院の薬は、薬の有効成分が、体内にある間、ある効果を発揮して症状を抑えます。
薬の有効成分があるから、その有効成分のおかげで症状が抑えられているのです。
しかし、この有効成分は人工的なものなので、かならず体の外に出さないといけません。
厚生省が「薬として処方や販売してもいいですよ」と認可する際、薬の有効成分が「何時間後に体の外へ出されるか」ということがハッキリしていないと薬は認可されず、処方も販売もできません。
つまり、症状が良くなるのは、薬の有効成分のおかげで、その有効成分は、かならず何時間か経ったら、体の外へ出て行くことが証明されているのです。
有効成分がなくなれば、症状は当然、再発します。
なぜなら、薬は症状を化学的に抑えているだけで、根本治療は最初から目的ではないからです。
薬は飲んだ1回ごとに症状に対して効くけれど、何時間か経ったら、体の外へ出ていくので『毎日、飲んだって、飲んだ何時間か症状を抑えるだけ』なんです。
薬の効果が徐々に蓄積していったり、薬を飲み続けたら効果が変わったり、体質が変わっていくわけではないので、毎日飲もうが、1週間位、飲み忘れて、飲もうがいつも効果は一緒なのです。
だから、飲み続けても一緒です。
飲みたい時に飲めば、その1回ごとに『症状が抑えられるだけ』
病院の治療は言わば、『1回ごとの使い捨ての治療』みたいなものなのです。
※病院の薬は、ほとんどがこういった作用ですが、根本治療が不可能な特別な病気に対して飲み続けないといけない薬もあります
…とはいっても薬をやめると不安
病院の薬は、本来の使い方としては一時的に症状を抑えたければ、飲めば良いのです。
ちなみにまれにその一時的な効果で、ある薬をしばらく飲んで、その後、一切、症状が出なくなることがあります。
たまの頭痛などに対する痛み止めですね。
でも、病院の薬をしばらく飲んで、その後、ずっと治るというパターンはハッキリ言ってまれな上に科学的根拠もありません。
結局、病院の薬を飲んでも「薬を飲んだら→症状が抑えられて→薬の効果の時間が切れたら症状が再発して…」ということを延々と繰り返すだけなのです。
大体の病気は、とくに慢性病では、病院には1回行くだけで、『病院で治るかどうか』の答えが出るのです。
要するに理論上、病院なんて滅多に通うところではないはずなのです。
根本的に治らないのは、『薬の科学的な構造上の問題』もありますが、病気を根本的に治そうと思ったら、症状だけを抑えても全く意味がありません。
病気の原因には、いろいろな原因が絡んでいてそれらはあなたの体質や生活の中にあります。
体質をしっかり分析して体質に合わせて漢方薬を選べば、根本的に治せますが漢方薬も魔法の薬ではありません。
体質の分析や選ぶ漢方薬が間違っていたら、漢方薬は全然、効かないし、また漢方薬の効果だけで治るわけではないので、漢方治療でも『あなたの体質に合わせた生活養生』も治療として必要となります。
ここで一つ、漢方薬も誤解が多いので1つ、正しく伝えたいと思いますが、漢方薬は根本治療につながりますが、漢方薬を飲んでいさえすれば根本的に治るわけではなく、重要なポイントは『今の病的な体質をどれだけ正確に分析できたか?』にかかっています。
体質が分析できていれば、体質に合わせた漢方薬も選べるし、何より根本治療を邪魔している生活の中の問題も炙り出し、正していくことができます。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社