漢方薬相談ブログ

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卵巣嚢腫・チョコレート嚢胞を治す方法(病院の実際の検査・診察・治療)

こちらのページでは、卵巣嚢腫について西洋医学的な治し方について解説をしています。

病院では実際にどんな検査や診断、治療をしているのか、また実際の病院の治療は、どんな結果になるのかを簡単にわかるようにまとめています。

卵巣嚢腫、チョコレート嚢胞について

卵巣は排卵期などで大きさが変わりますが、排卵期の時で約2cm位の大きさです。

この大きさが排卵期がすぎても、小さくならないか、大きくなっていく状態が卵巣嚢腫、チョコレート嚢胞です。

卵巣嚢腫、チョコレート嚢胞には、良性腫瘍タイプと充実性の腫瘍タイプがあります。

良性腫瘍タイプには漿液性嚢腫粘液性嚢腫皮様嚢腫チョコレート嚢胞があります。

最も多いタイプは漿液性嚢腫で漿液という水が卵巣内にたまって、卵巣が腫れます。

粘液性嚢腫は粘液のゼラチンのようなものが卵巣内にたまって、卵巣が腫れます。

皮様嚢腫(成熟嚢胞奇形種)は細胞(歯、神経、髪など)を含んだものが卵巣内にたまって、卵巣が腫れます。

チョコレート嚢胞は生理の血が卵巣内にたまって、卵巣が腫れます。

チョコレート嚢胞は子宮内膜症との関係が深かったりします。

腫瘍タイプには、線維腫悪性卵巣腫瘍があります。

線維腫は結合組織という硬い組織が卵巣内に詰まって、卵巣が腫れます。

まとめると、良くある嚢腫が水のようなものがたまる漿液性嚢腫で、血がたまるものがチョコレート嚢胞、硬いコブのような良性の腫瘍と卵巣癌になる腫瘍の4種類があります。

嚢腫のほとんどは良性ですが、まれに悪性卵巣嚢腫のことがあります。

40歳以上になってくると『卵巣癌などの悪性の腫瘍』の可能性も高くなってきます。

卵巣嚢腫・チョコレート嚢胞の症状

嚢腫が小さい初期の頃は、特に症状がありません。

症状がないというか、実際には、生理前後や生理中の症状と同じですので、普段から『生理前後や生理中に何も症状がなく快適!』という状態でもない限り、特別、嚢腫の症状だとはわかりません。

嚢腫かどうかを調べるには病院で超音波検査(エコー)をするしかありません。

嚢腫が大きくなってくると、人によっては、お腹が張ったり(特に排卵前からのお腹の張りが、排卵期をすぎても続き、月経とともに張りがなくなる)、月経不順になったり、不正出血があったりしますが、これらの症状は、例えば、子宮内膜症などの他の月経関連の病気でも起こる症状なので、これも卵巣嚢腫やチョコレート嚢胞のみの症状とは判別できません。

特にチョコレート嚢胞は、子宮内膜症と併発している場合などもあり、この場合は、どちらの症状とも判断できません。

卵巣嚢腫は『月経周辺の通常の症状とも一緒』のことが多いので、嚢腫自体を放っておくつもりがなくとも、結果的に放っていたことと同じになり、卵巣が大きくなりすぎると、体内で捻れたり、卵巣が大きくなりすぎて、破裂したりすると激しい腹痛があります。

また、卵巣嚢腫が卵巣癌などになることもあり、かなり進行している状態だと、お腹に水がたまり、お腹の強い張りや下腹の重たい感覚があります。

卵巣嚢腫・チョコレート嚢胞の原因

健康な状態であっても、卵巣はホルモンの影響を受けて排卵時には大きくなり、排卵した後は、小さくなります。

「排卵すると傷がつき、小さくしぼみ、傷を修復して、また排卵のために大きくなり…」ということを月経周期とともに繰り返しますので、おかしな言い方かもしれませんが、月経があること自体『卵巣嚢腫になる可能性がある』とも言えます。

卵巣嚢腫になるのにインフルエンザウィルスやヘルペスのような菌などの決定的な病的な原因はありません。

つまり、『女性であれば、誰でも嚢腫になる可能性がある』ということですね。

うちの経験上、更年期に向かって、ホルモンコントロールが乱れ始める38歳から45歳の間の女性に発生することが多いように思います。

病院での診断

診断は超音波検査(エコー)で検査をして卵巣の大きさを測ります。

体の外側から見て腫れているなどはわかりません。

また、症状は通常の月経時の症状と同じ場合もあるので、症状だけでもわかりません。

卵巣癌の恐れがある場合は、合わせて腫瘍マーカーを調べることもあります。

逆に悪性腫瘍かどうかを超音波検査(エコー)だけでは診断できません。

病院での治療

定期的に嚢腫を超音波検査(エコー)で検査して経過を見ながら、ホルモン剤を使用し、ホルモン剤でも小さくならなければ手術を行います。

ホルモン剤は、その時のホルモンの影響を止めているだけなので、いわば、嚢腫の一時停止をしているだけ。

順調に小さくならなければ、単にその時の嚢腫の大きさをホルモン剤でとめているだけなので、ホルモン剤をやめれば、一時停止が外れてまた嚢腫が大きくなっていきます。

要は『ホルモン剤を使いながら、悪くなるまで、ただ様子をみて、大きくなったら手術』という流れです。

嚢胞のタイプによって手術を行う基準が違ってきます。

手術を行う大きさは、診察する医者の考えによって違ってくることもあります。

以下は国際的レベルのでの基準です。

  • 月経周期が3回、経過しても大きさが10cmを超えている場合は手術で嚢腫部分を取り除きます。
  • 嚢胞性奇形腫タイプの場合は、10cm未満で嚢腫部分を取り除きます。
  • 10cmを超える嚢胞性奇形腫は手術で嚢腫部分を取り除きます。
  • 閉経している状態で嚢胞で5cmを超えるものは手術で嚢腫部分を取り除きます。
  • 直径約5cm未満の卵巣嚢胞は治療しなくても消えるとされています。

卵巣嚢腫・チョコレート嚢胞で使される病院の薬

病院では、しばらく、定期的に嚢腫を超音波検査(エコー)などで様子をみます。

検査の経過で大きくなっているようであれば、ホルモン剤を使用します。

◯ルナベル:低容量ピルです。排卵を抑え、子宮内膜増殖を抑えます。

卵巣は普通に排卵のために大きくなりますので、それを抑えることができます。

◯ディナゲスト:黄体ホルモン剤です。排卵を抑え、子宮内膜増殖を抑えます。

卵巣は普通に排卵のために大きくなりますので、それを抑えることができます。

理論上は、どちらも卵巣機能を抑えますので、嚢腫も小さくなるように思いますが、ホルモン剤に『卵巣にできた嚢腫の中の水や血や繊維腫を取り去る効果』があるわけではありません。

医者はこれらの薬で当然のように嚢腫が小さくなるように説明しますが、実際の作用機序から考えると、良くて、これ以上、大きくならない現状維持です。

ホルモン剤は排卵を無理やり、抑えたり、子宮内膜の増殖を抑えたりしますので、あなたの自然の月経周期はホルモン剤によって乱されますので、自然妊娠を望んでいる方や通常の健康的な自然な月経周期を望んでいる方は、そういった部分も考えてホルモン治療を考えたほうがよいです。

医者は、実際は初診の時から『何ヶ月後かの手術を前提に、それまで現状維持ができればよい』という目的でホルモン剤を使うことが多いです。

手術が嫌な患者さんは、最初に担当医に『今後の治療をどう考えているのか?』をハッキリとさせておいたほうがよいです。

病院では、患者さんが、『手術をしたくなくて、医者に相談したが、手術じゃないと治らない』と言われ、ホルモン剤も「嚢腫を小さくするから」としっかりした説明とは言えないような説明のまま、ホルモン剤を処方されて、困っているという相談をよくされます。

病院で治療する際のポイント

ポイントとしては、病院の治療は、ほぼ、できてしまった嚢腫か卵巣自体を手術で取り除くことです。

でも、よく考えてみると、果たして、嚢腫を取り除いたら、それで終わりでしょうか?

嚢腫の原因は、西洋医学的には原因不明で、そもそも『月経があること自体が嚢腫になる可能性がある』わけです。

つまり、あなたの月経リズムと嚢腫が関係し、月経リズムは全身の状態と関係しますので、できてしまった嚢腫を取り除くのは、すでに終わった過去の病気の対処をしているだけで、手術以降も体質自体が変わらなければ、『また卵巣嚢腫やチョコレート嚢腫、子宮筋腫、子宮内膜症になる可能性がある』ということです。

ただ「嚢腫ができたこと」がいくら過去のことでも、卵巣癌に発展する可能性はあるので病院での治療は必要です。

でも、本当の治療は、嚢腫になる体質をなんとかしないと、手術で取り除いたところで、将来、嚢腫が発生する可能性は。なくなりません。

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【引用先及び参考図書、Webサイト】
◯メルクマニュアル(家庭版)良性の卵巣病変
◯メルクマニュアル(プロフェッショナル版)
◯メルクマニュアル(家庭版)卵巣癌
◯メルクマニュアル(プロフェッショナル版)卵巣癌
◯卵巣腫瘍 日本婦人科腫瘍学会
◯卵巣がん治療ガイドライン2010年版 日本婦人科腫瘍学会
◯ルナベル配合錠
◯ディナゲスト錠
◯今日の治療指針:医学書院
◯治療薬マニュアル:医学書院

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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