病院にいくら通っても治療が進まない理由
うちには、病院に何年も通っているけれど、「全然、病気が良くならない」という人が来られます。
『体質に合わせて選んだ漢方薬は、根本治療になるけれど、病院の治療はいくら続けても根本的に治らない』ということを知らない人が多いんだなと思います。
また、漢方でいろいろな治療を行ってきて思うのは、当たり前かもしれませんが、漢方薬がどうこう以前に『人間の体は、そう簡単には治らない』ということです。
漢方治療を始めた当初は、どんな人も、すぐに根本的に治るだろうとタカをくくっていました。
実際、漢方を勉強しようと思ったきっかけは、今の妻が、若い頃にアトピーともニキビともいえる顔の湿疹が漢方薬で3ヶ月で良くなり、その後、現在に至る20年以上、再発しないどころか、むしろ、キレイになったことです。
今の妻を知っている人に昔、ブツブツだらけだったというと、皆さん、びっくりします。
うちの母親は、昔は1ヶ月に1回は高熱を出して、寝込んでいましたが、それもなくなり、リウマチの指の関節の痛みは、漢方薬を2ヶ月飲んだだけで、なくなりました。
元々、漢方に興味を持つきっかけが、こんな感じだったので、ちゃんと体質さえ分析すれば、誰でも根本的に治ると思っていました。
でも、今、思えば、身内の治療だったので、治療条件がすごくよかったのですね。
これは本格的な漢方治療の例ですが、病院の漢方薬は体質分析なんてしてないので、そもそも長く飲み続けても治りようがないと思います。
ましてや病院の薬は、元々が症状を一時的に誤魔化す目的なので、理論的に治りようがないのですね。
病院の治療と漢方の治療は区別したほうがよい
病院では医者は、漢方の医学理論を知らず、苦し紛れに漢方薬をマニュアルで処方するので、漢方薬も病院の薬と同じような感じのように誤解されていますが、本来、病院の治療と漢方の治療は全くの別ものです。
まず、病院と漢方薬の治療の違いを知っておく必要があります。
病院の治療は、対症療法といって、症状を一時的にごまかすものです。
なぜ、ごまかすと書いたかというと、アトピーや頭痛、胃もたれ、めまいや不眠などの不快な症状は、体内に、何らかの原因があって、その原因を知らせるために症状となって表れています。
病院の薬の効果は、科学的で理論的なメカニズムで説明されることが多いので、一見、原因を治してくれていると錯覚しますが、実は、原因に対してではなく、何らかの原因の結果、出ている表面の症状を薬の成分で『一時的に抑えたり、止めたりしているだけ』です。
科学的にも理論的にも原因には、何一つ触れていないので、症状が出てくる度に、薬で、その症状を抑えることはできますが、薬の効果の時間が切れれば、症状は再発します。
あとは、これを延々と繰り返すだけです。
つまり、治療は、毎回、症状を抑えるだけで、根本的な原因には一切、触れていないので、何年、病院に通おうが、治ることはありません。
漢方治療とは
一方、漢方治療では、症状が表れる原因を考えます。
病院は、症状自体の発生のメカニズムを考えます。
例えば、アトピー性皮膚炎なら、病院では、かゆみや湿疹の原因は、アレルギー反応が強く出ていると判断し、ステロイドなどアレルギー反応を抑える薬を処方します。
漢方では、そこから更に深く原因を追求し、『なぜ、その人に限って、アレルギー反応が強く出るのか?』を考えます。
普通は、アトピーの人ほど強くアレルギー反応は出ません。
アレルギー反応が強く出る原因は、人それぞれです。
消化器系の問題だったり、不要な熱のこもりであったり、肝臓の機能低下であったり…と本当に人それぞれ。
そう、病気は、人それぞれの原因を解決しないと根本的に治ることがないのです。
ここで注意してもらいたいのは、病院の漢方薬は、人それぞれの体質を分析して選んでいません。
アトピーなら十味敗毒湯とか頭痛なら五苓散と単にマニュアルを見て、理由も根拠もなく処方しているだけです。
この場合は、その人独自の原因に対して合わせた漢方薬を選んでいませんので、効果はなく、漢方治療の意味がありません。
漢方薬は症状ではなく原因に合わせて選びます
漢方薬は根本的な部分まで、治せる力を持っていますが、これは漢方薬の効果が高いからというわけではありません。
根本的に治すには、原因をなくさないといけません。
そして、原因は人それぞれです。
同じ病気であっても、原因は人それぞれ変わります。
この原因は、病院で説明しているような「症状のメカニズム」のことではなく、人それぞれなの根本的な原因なので、明確にはわかりません。
なぜなら、原因は1つではないからです。
大体は、無数に絡みあっていて、なおかつ、自分が悪くないと思っていることが病気の原因をつくっていることもあります。
例えば、テレビの健康番組で紹介されていたことが、ある人にとっては、体に良くて、ある人の体では悪かったりします。
体質というのはそういったものです。
ものすごい漢方治療の腕をもっていても、人それぞれの原因を間違いなく言い当てることはできません。
漢方治療の体質分析は、飲む前は、あくまで推測です。
これは、僕だけに限らず、世界一の漢方治療の腕を持っていても条件は同じです。
漢方治療では、漢方の先生と患者さんが互いに協力して、病気の原因を探していくことが必要なのです。
本当の漢方治療は病気の原因を一緒に探すこと
真の原因はブラックボックスなので、医者がやっているような、事前に書かれているマニュアルを見て病名と症状に、あてはめて、漢方薬を選んでも治るわけがありません。
漢方薬は、複数の症状を同時に抑える効果ではないのです。
また、病院では一方的に薬を渡すだけで、人それぞれの病気の原因には一切、触れませんので、薬を飲むこと以外は、患者さんも医者も気にしていませんが、病気は、症状を止めることで治るわけではありません。
菌やウィルス以外の病気の原因は、普段の生活の中にあります。
そして、これは人それぞれ。
生活の中の原因を整えることによって、根本的な治療になるのです。
ですので、漢方治療の場合は、『漢方薬さえ飲んでいれば、治る』なんてことはありません。
選んだ漢方薬は、飲む前に100%合っているかどうかはわかりません。
そして、病気の真の原因は、人それぞれの生活の中の何かです。
不快な症状や病気というのは、自分も他人もわからない何かによって引き起こされているので、『そう、簡単には治らない』のです。
僕の身内が、根本的に治ったのは、普段の体質を観察していたり、生活のことを詳しく知っているから、体質の分析の精度が高くなり、より体質に合った漢方薬を選ぶことができて、普段の生活で気をつけるべきことが、具体的に見えたからです。
つまり、病院の治療や病院の漢方薬は、表面上のことに対して処方しているだけなので、これでは、いつまで経っても、根本的には治りません。
いくら病院に通っても意味がないのです。
漢方治療に必要なのは、『体質分析の精度』と『生活の中の原因が何なのか?』です。
この2つが正確に推測できれば、漢方薬自体は何百種類もあるので、あなたに合うものはあります。
逆に体質分析もせずにマニュアルで選んで飲むのなら、漢方薬を飲むこと自体が無意味なのです。
ということで手前味噌ですが、うちの問診はかなり細かいところまで調べられるようになっています。
人それぞれの体質を分析するわけですから、細かくないと話にならないのですね。
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