漢方薬相談ブログ

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どの生薬、サプリメント、漢方薬が効果的なのか?

先日、「ヨモギは体に良いのですよね?」という質問がありました。

これ、一言で「体に良いですよ!」とは言えません。

「えーだって、ヨモギって体を温める効果があるから良いでしょ!」なんて言われたりするのですが、基本、生薬(ヨモギは生薬です)やサプリメントに良い生薬(サプリメント)とか悪い生薬(サプリメント)というものはありません。

実は、どれも良いものだし、どれも悪いものでもあります。

別にとんち的なことを言ってるのではありませんよ。

ヨモギなどの生薬やサプリメントは、ある条件によって、良いものになったり、悪いものになったりします。

それはどんな条件でしょうか?

良いものが悪いものに変わる条件

いろいろな生薬やサプリメントが、あなたにとって良いものになったり、悪いものになったりするのは、あなたの体質によって変わります。

例えば、ヨモギは生薬名は艾葉といいます。

艾葉は、温める効果と止血、止痛の効果があります。

「ほら、やっぱり温めるでしょ!」と言われそうですが、漢方って「冷えだったら、温めればいいじゃん!」という単純なものではありません。

みんなが思っているであろう、冷えの原因は、漢方では「寒証」といって、自分で熱を作り出すのが苦手な状態のことをいいます。

でも、冷えの原因ってこれだけじゃあないのです。

◯血の巡りが悪いから冷える。

◯巡らせるはずの「血」自体が少ないから冷える。

◯自律神経的にうまく調整できなくて、冷える。

◯余分な水が皮膚周辺にたまっていて冷える。

などなど、まだまだありますが、他にもいろいろな原因で冷えが起こっています。

出血があり、血が少なくなりあり、なおかつ、冬に自力で熱を作り出せず、血の巡りの悪さから冷えているわけではない場合は、ヨモギは効果的です。

この場合は、こういった体質の人にとって良いものですね。

ところが、その他の原因の冷えの場合は、ヨモギの温める効果が良い効果でなくなります。

なぜなら、『ヨモギのもっている漢方的な効果』『あなたの冷えの原因』あっていないからです。

もっと、大変なのは、東洋医学の考え方では体質と生薬やサプリメント、漢方薬があっていない場合、それを飲むことによって余計に悪くなることもあります。

血の巡りの悪さにもいろいろな種類があります

ヨモギの漢方的効果の中に止血作用があります。

出血を止めてくれるのです。

温めてくれるは、止血してくれるは、至れりつくせりですね。

ところが、血の巡りが悪くて冷えがある人にとっては最悪

止血をするということは、血の巡りをなるべく止めようとする作用です。

そして、体質というのは複雑で、血の巡りの悪さには、2種類あります。

それは「陰の瘀血」と「陽の瘀血」です。

陰の瘀血は、冷えて血管なんかも縮こまり、巡らせる運動性も少なくなって、血が巡らない状態です。

真冬のさむーい外で「運動しよう!」とは思いませんよね。

体の中だって一緒で、体内で寒さが、たまっている状態だと血管もいきいきと働こうとは思いませんので、血の巡りが悪くなります。

こういったタイプの血の巡りが悪い場合は、温めてくれるヨモギは良さそうですよね。

でも、特に不正出血などがなければ、ヨモギの止血は余計なお世話な効果になってくるので、単純に温めてくれて、止血効果のない人参などを選ぶわけです。

温めると余計に血の巡りがひどくなるタイプ

そして、問題なのが、陽の瘀血タイプです。

血が熱を持ったり、古い血が、固まって、そこらかしこに残ることによって、血の巡りが悪くなります。

この場合は、冷やす効果の生薬を使って治します。

足が冷えているのに冷やす効果の生薬を使う…

すごい不思議ですよね。

でも、冷えても、巡りは悪くなりますが、血が熱をもっても、血そのものの運動性が鈍くなったり、血の巡りをコントロールしている肝の臓が、うまく働けなくなって血の巡りが悪くなり、血が届かないところは冷えるのです。

寒すぎる部屋では、動く気がしませんが、真夏の40℃越えの炎天下で、意気揚々と運動する気にもなりませんよね。

がんばって運動しても、すぐにオーバーヒートして倒れます。

寒い時と同じで、体内でも同じ状態が起こります。

体内で熱をもっているから足が冷えるということがあり、しかも、女性はこのタイプの方が多いのです。

だから、このタイプがヨモギ蒸しをしたり、ヨモギを飲み続けると、体は余分な熱を持ち始め、足の冷えは、それほどよくならないのに、血の巡りが悪くなって、頭痛や湿疹を発生させたりするようになります。

最初は良い効果を感じられる

温めるというのは、どんな体質に人にとっても、最初はいいものです。

人間の活動は熱によって活発になりますから。

でも、熱をもっているタイプの陽の瘀血タイプの場合は、最初は、なんとなく温まってきても、もともと、熱をためやすく、滞りやすい体質なので、1ヶ月、2ヶ月と飲み続けているうちに、いろいろな症状が出てきます。

ところが、漢方の知識がないと、まさかそれが、ヨモギのせいだとは思いません。

ちなみに医者も漢方の理論的な知識は知らない人が多いので、頭痛はヨモギとは無関係だと思って、ヨモギは飲み続けてもらって、鎮痛剤は別で処方するなんてマヌケなことをしちゃっています。

いうまでもなく、世の中の生薬やサプリメントは、どれが良くて、どれが悪いということはありません。

『どれも良いもので、どれも悪いもの』なのです。

「良いものか?悪いものか?」をわけているのは、あなたの現在の体質に合っているかどうか?

これに尽きます。

生薬は、何百、何千種類とあり、それぞれ、良いとされる効果があります。

なので、「温める」「血の巡らせる」「婦人科系の病気によい」「PMSに良い」どんな効果でも宣伝用に書こうと思えば書けます。

でも、それぞれの生薬や漢方薬、サプリメントには、専門の特殊な役割があるのです。

それをうまく使うには、自分の体質にとってどれが必要なのか?使い分けないといけません。

そして、必要なものを知るためには、自分の体質が「今、どんな状態なのか」を知る必要があります。

冷えている → ざっくりとヨモギで温めればいいでしょ!

陽の瘀血だったら、原因を大外し、しているので、ただの毒薬にもなりかねません。

どんな体質の人にもよい万能の効果は、漢方では、誰にも効かない中途半端な効果なので、副作用で悪くなるかもしれないなら『ヘタに飲まないこと』が、効果的かもしれません。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 平成薬証論:メディカルユーコン
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅠ:薬局新聞社刊
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅡ:薬局新聞社刊
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅢ:薬局新聞社刊

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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