「この漢方薬が処方されたら、ちゃんとみてもらえてない」要注意リスト
お店には、相談の方だけでなく、漢方薬メーカーの営業さんなんかも来ます。
漢方薬メーカーの営業さんは、うちのような漢方相談のお店を何件も訪問していますので、他の漢方相談のお店のこともよく知ってたりするのですね。
この間、そんな漢方薬メーカーの方にふと、他のお店では漢方薬をどんな風に処方しているのか(販売しているのか)ということを聞いてもらうことにしました。
実は、僕も今のお店を始める前は、漢方薬局などを営業で回るお仕事をしていました。
日本全国の漢方薬局を訪問してたいたので、どんな方法で処方(販売)しているのかは知っているのですが、違う人の視点からだと、どんな話になるのかという好奇心で聞いてもらうことにしました。
かなりのキャリアのある漢方薬局で聞いてもらった
特にどこの漢方薬局の話を知りたいという条件はつけなかったのですが、漢方相談を40年以上、されているという薬局での方法を聞いてくれてきたみたいです。
ある種、自分の経験から、答えの予想をしていたのですが、僕も知らない漢方薬局で、かなりの古株の店。
いかにも漢方バリバリという感じの店だったので、僕の経験からの予想とは違う答えかなとちょっと期待がありました。
その時に教えてもらった漢方薬の選び方の方法を紹介したいと思います。
キャリアの長い古株の漢方薬局の処方例
「漢方薬は人それぞれの体質に合わせて選ばれるようです」というお決まりの前置きがあり、それぞれの病気にどんな漢方薬を選んでいるかを教えてくれました。
それが以下になります。
◯アトピー → 消風散。
◯不妊症 → 当帰芍薬散、温経湯。
◯花粉症 → 小青竜湯。
◯パニック障害・うつ病 → 抑肝散、半夏厚朴湯。
◯喘息 → 小青竜湯、麻杏甘石湯。
◯胃痛や胃もたれ、胃腸炎 → 六君子湯。
◯疲れ → 補中益気湯。
こんな感じ。
一応、40年も漢方相談をされている薬局なので、『もしかして本格的に漢方をやっていて、独特な考えが聞けるのか!』と思いましたが、期待通りというか、予想通りというか、ベタベタのマニュアル漢方でした。
残念!
漢方のことを聞けば、その先生の漢方の腕がわかる
そこの先生は、「漢方薬は人それぞれの体質に合わせて選びます」と前置きしてるのだから、本当に、ただの例じゃないの?
と思われるかもしれませんが、例にもってくる漢方薬で、その先生のお里は知れます。
この例は、あまりにもマニュアルすぎです。
僕の場合は、漢方の専門家としての矜持か、こんなにもベタベタな例は、素人の人でもネットで知ってそうなので、恥ずかしくて言えません。
つまり、これを堂々と言えること自体、『体質を分析できない』『体質に合わせるといいながらマニュアルで選んでる』という証拠になると言っても過言ではありません。
ちなみに、医者も体質を分析できませんので、同じような感じです。
本来は西洋医学の病名で漢方薬は選べない
かっこつけるわけではないですが、僕は、反対に聞かれたら、まずは『どんな体質かもわからないのに、どんな漢方薬が良いかなんてわかりません』、『どんな体質かをおおまかにでも教えてください』と言います。
「漢方薬の例」を出してくれと言われたとしても漢方は本当に人それぞれ合うものがあるので、答えようがないのです。
僕の場合は、このブログでも書いていますが、大体、どの病気も40種類くらいの漢方薬の中から選びます。
なので、さっきのように書くと「不妊症 → 当帰芍薬散、温経湯…」とこの後に30種類以上の漢方薬が続きます。
詳しくはこちらを参考にしてみてください。
漢方専門だからといって信用できるとは限りません
まとめると、四十年以上、漢方相談している薬局でも、ベタベタの病名マニュアルで漢方薬を選んでいるだけだったりします。
当然、西洋医学の病名で漢方薬を選んでも効果がありません。
だって、西洋医学の病名と漢方の体質は何の関係もないからです。
ここで書いた病名と漢方薬を処方されている方は、本当に体質を分析した上で、漢方薬を選んだのか理論的な根拠を説明してもらったほうがいいですよ。
でないと半年、飲み続けようと、3年、飲み続けようと、何も変わらないか、余計に病気がヒドくなることもありますので。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 図説東洋医学(基礎編):学研
◯ 図説東洋医学(湯液編Ⅰ):学研
◯ 図説東洋医学(湯液編Ⅱ):学研
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ やさしい中医学入門:東洋学術出版社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ まんが漢方入門:医道の日本社