漢方薬相談ブログ

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更年期障害の本当の原因ってなんだろう?

  1. 病院のエストロゲン補充療法は的外れ?
  2. 更年期障害の本当の原因
  3. 更年期障害の漢方治療の方法

うちの患者さんから『更年期障害』って何なのか?という質問がありました。

一般的には更年期障害とは、45歳〜55歳の間で、女性ホルモンの1つであるエストロゲンが急激に減ることによって、ホットフラッシュ(のぼせ、冷えのぼせ)寝汗不眠症頭痛めまい微熱が続くなど、人によっていろいろな症状が現れている状態のことを指します。

もっとも、多いのはホットフラッシュ!

ひどい人になると入院しなといけないほどの精神疾患も併発したりします。

最終的に<閉経は女性であれば、誰にでも訪れますが、不思議なのは『症状が全くない人もいる』ということです。

女性だと誰もが閉経するということは、エストロゲンなどのホルモンも女性だと誰もが最終的にはなくなるとういことですよね。

でも、ホットフラッシュだけの人症状がない人、これらの差って何でしょうか?

病院のエストロゲン補充療法は的外れ?

日本の医者は自分自身で考えずにマニュアル鵜呑みタイプの思考の人が多いので、45歳〜55歳で、ホットフラッシュや異常な汗などがあると、即!『更年期障害→エストロゲンの減少→ホルモン補充』みたいなマニュアル頼みの簡単で短絡的な診断と治療に走りますが、世界中の医師から参考にされている医学書を読んで見ると以下の文があります

メルクマニュアル「閉経」より引用:
気分の変動、抑うつ、易怒性(いらだち)、不安、神経質、睡眠障害(不眠など)、集中力低下、頭痛、疲労などがあります。多くの女性が閉経期にこういった症状を経験し、閉経が原因と考えています。しかし、閉経とこれらの症状との関連を支持する科学的根拠は様々です。これらの症状に、閉経とともに起きるエストロゲン濃度の低下との直接的な関連は認められません。

世界中で読まれている医学書では、『エストロゲンの減少といろいろ発生している症状に関係はみられない』と言っています。

そのあとに、『他の多くの要因(加齢そのものや病気など)も症状の原因になることがあります。』と締めくくっています。

実際にエストロゲンの補充療法をしたところで、何も良くならない人も結構います。

また、病院で補充される人工ホルモンであるエストロゲンやエストロゲンの自然バージョンとされているイソフラボンを摂ることによって、『子宮ガン』などになる方もいらっしゃいます。

よく考えてみたら、エストロゲンが減っていくのは、自然の成り行き

急激に減るとは言っても、個人差があり、誰がどれくらいの量が減れば、どんな症状が出てくるのかわかっていません。

個人差があるため、検査したところで、実際の減り具合なんて、誰にもわかりません。

何よりも的外れなのは、減り具合には個人差があり、個人の減っている量と症状の関係性がわかっていないにも関わらず、治療は一律、一緒です

しかもエストロゲンなどのホルモンは、『多けりゃいい!』というものでもありません。

エストロゲンなどは多すぎたら、乳ガン子宮ガンにもなりかねないからです。

更年期障害の本当の原因

確かにエストロゲンやプロゲステロンという月経に関わる女性ホルモンが減っていくことが、ホットフラッシュなどの引き金にはなっているとは思いますが、メルクマニュアルにも書いてある通り、人によって違ってきます。

なんでもかんでも、どんな症状もエストロゲンの減少が原因ではありません。

エストロゲン、えらい濡れ衣です。

では、更年期障害の正体って何でしょうか?

僕自身の経験からすると、多分、この時期って老化が強く始まる時期なのではないかなと。

僕自身も43歳までは、「体力が減ってきているよな〜」なんてことは感じていましたが、体自体の不調は、それほどありませんでした。

でも、44歳辺りから、明らかに体のあちこちにガタがきてると実感するようになりました。

幸若の舞で「人間50年」とうたわれていますが、東洋医学の知識を通して、自分の体をみたり、患者さんの治療をしてきて、物質的な肉体の寿命は50年なんじゃないかと強く感じるようになりました。

なので、エストロゲンやプロゲステロンが減少するというもの『老化』ですが、ホルモンの減少によって、他の老化による損傷が、より強く現れる時期と重なることが更年期障害の正体なのではないかと考えています。

更年期障害の漢方治療の方法

マニュアル大好き!な医者や不勉強な漢方薬局の先生などが、よく勘違いしていることがありますが、漢方薬で更年期障害を治す場合、ホルモン補充という謎効果を期待して、『当帰芍薬散』『温経湯』を処方したり、うつっぽさがあるから『加味逍遥散』を処方したり、のぼせがあるからと『五積散』を処方しますが、漢方薬はホルモンを補充するものではないし、病名に合わせて選ぶものでもないし、ましてや症状を抑えるものでもありません。

更年期障害や閉経の正体は『ホルモンの減少をきっかけとした本格的な老化のはじまり』だと思うので、当然、『全身の状態や体質』をみて、体全体を整え、老化に抗うことのできる漢方薬を選ばなければいけません。

老化というのは何か1つの原因で起こるわけではなく、全身のあらゆる部分のマイナス1が合わさって、総合計でおおきなマイナスになるのです。

エストロゲンなどに惑わされずに『真の原因に対して、その原因を調整できる漢方薬』が唯一、治療となるのだと思います。

なので、更年期障害に効く漢方薬なんてものはありませんが、『あなたの体質を整え老化に抗う漢方薬』はきっとあります。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
閉経 メルクマニュアル(家庭版)閉経 メルクマニュアル(プロフェッショナル版)
ホルモン補充療法ガイドライン
日本産婦人科学会
◯ 今日の治療指針:医学書院
◯ 治療薬マニュアル:医学書院
◯ 今日の治療指針:医学書院
◯ 治療薬マニュアル:医学書院
◯ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯漢方方意辞典:緑書房
◯漢方診療医典:南山堂
◯漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯中医処方解説::神戸中医学研究会
◯平成薬証論:メディカルユーコン

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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