ピルやステロイドから考える体質改善と根本治療の意味
ピルは体を騙す作用
僕はテレビを見ないのですが、うちの何人かの患者さんから、NHKでピルの話について質問がありました。
テレビでは、『小学生でも生理痛が強ければ、ピルを使えばいい』とか『生理のように定期的に出血があることに医学的な必要性はありません』とか、専門家とは思えないようなデタラメな説明をしていたらしいです。
あまりに無知な意見にびっくりです。
きっと、その医者は体のことをあまり知らないのだと思います。
そもそも、ピルは人工ホルモンで妊娠しているかのように体を騙す作用です。
ピルを飲んでいる間の基礎体温を観察していると、妊娠したかのようなバッチリな感じの高温期が続きます。
不妊症で、高温期が続かない人からしたらヤッター!と喜ぶ状態です。
でも、これ、受胎もしてないし、着床もしていないウソの状態。
ピルで妊娠していると思わせているだけなので、ピルをやめた途端に出血がくるのですね。
当然、内膜や排卵などの通常ん月経リズムに必要なことを全部、すっ飛ばして、騙した、ただの不正出血なので、生理痛などもありませんが、3ヶ月以上、ピルを常用している人だと、元の自分のホルモンリズムも盛大に乱れてくるので、果たして生理痛がないことがいいのかどうか微妙ですよね。
やめれば、元の生理痛のあった状態に戻ります。
ステロイドは体に犠牲を求める作用
つぎにステロイドですが、この薬は、かゆみを治しているわけではありません。
赤い湿疹がポツポツ。
夏場は、暑くてかゆくなるし、冬場は乾燥して、かゆくなります。
そんなかゆみもステロイドできれいスッキリになりますね。
でも、これ治してくれているんじゃなくて、人間の体で最も大事な免疫を無理やり抑え込んで、かゆみの電源を落としちゃってるの。
『かゆみ』って嫌がらせで起こしているんじゃなくて、免疫ががんばりすぎちゃって、空回りを起こしているんですよね。
これを無理やり抑え込むわけです。
この間、皮膚は無防備な状態で、今度は皮膚に住んでいる菌を良いも悪いも一緒くたにしてやっつけちゃうのですね。
当然、ステロイド剤もホルモン剤と同じで、飲むのをやめた途端にかゆみは戻ってきます。
体質改善って何?
という風に病院の薬はピルやステロイドに限らず、どれも『飲んでいる間だけ体を騙してくれるもの』なのです。
病院のほぼ全ての薬はこんな感じです。
これを対症療法と言います。
その薬の真の事実をなんとなく感じている人は、『体質改善しなくちゃ、生理痛が終わらない』『根本治療しなくちゃ、アトピーがなくならない』ということに気がつかれます。
そこで登場するのが、漢方薬!
ここで、大きな誤解があります。
それは『漢方薬を長い間、飲んでいたら、自動的に体質改善される』という誤解。
漢方薬自体に体質を改善する効果があるわけではありません。
というか、体質を改善する効果はあるのですが、ないような。
すみません、説明しますね。
漢方薬というのは、体質に合わせて選びますが、体質に合わせるというのは、今の病的な状態を元の良い状態へ戻すように調整しくれるものです。
なので、生まれつきの体質というよりは、今の病的な状態がわからないと何の漢方薬を合わせたらよいのかわからないわけです。
ちなみに病院は漢方薬を選ぶ際に西洋医学の病名からマニュアルで漢方薬を選びますが、西洋医学の病名は今の病的な状態のことでもないし、体質のことではありません。
体質とは東洋医学から考えないといけないし、病的な状態というのも東洋医学から考えなければいけません。
体の体質診断をして、その体質に合った漢方薬であれば、体質改善になりますが、体質と合っていなければ、いくら飲み続けても体質改善にも根本治療にもなりません。
漢方薬だけでは体質改善や根本治療にはならない
医者は東洋医学的な体質を分析できないので、どれだけの期間、漢方薬を飲み続けても体質改善になりませんが、かといって、体質にあっている漢方薬を飲み続ければ、体質改善になるかというと、実はそれだけでは片手落ち。
それというのも病気というのは、外的な原因と内的な原因があります。
外的な原因はウィルスや菌などの体の外側から入ってくるもの。
これは病院の得意とするところ。
外的なものは退治してなくなれば、病気や症状もなくなります。
根本治療になりますね。
次は内的な原因。
これは人それぞれ。
原因は気候、食事、ストレス、運動不足、仕事の環境、生活リズム…これらの体に良くないことを積み重ねた時間。
体に悪いことも些細なことであっても、長年、積み重ねれば悪くなります。
そして、老化
老化は、70歳、80歳になって、急に体が悪くなるのではなく、35歳くらいから、いろいろなところが徐々に弱ってきます。
単純に体の使い傷みもあります。
内的な原因は人それぞれですが、この原因を取り除かないと根本治療になりません。
例えば、アトピーの人が甘いものを食べまくったままで漢方薬を飲んでいれば、根本的に治るのかというと治りません。
漢方薬が効いてないわけではないのですが、生活の中にある病気の原因の方が大きくて治療が間に合わないのですね。
体質改善するために必要なこと
生活の中にある原因は人それぞれですが、大体の人が共通して悪いのが食事です。
単純に「添加物が悪い!」とかそんな問題ではなく、『体質と食事の内容が合っていなかったり』ということが多いです。
もちろん、その他にも、運動や気候、生活環境。ストレスと調整しないといけないものはいろいろあります。
体質改善や根本治療をしようと思ったら、まず『病院の薬では不可能』です。
つぎに『東洋医学的な自分の体質に合った漢方薬』が必要です。
なんでもいいから漢方薬を飲めばいい!とうものではありません。
『自分の体質に合わせた生活環境、食事の調整』なども必要です。
そして、どれくらいの期間で体質改善するかというと、人それぞれなので、体質診断してみないとわかりません。
少なくとも、病院の薬は、何十年続けようと体質改善や根本治療にはならないことは化学的に証明されています。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 図説東洋医学(基礎編):学研
◯ 図説東洋医学(湯液編Ⅰ):学研
◯ 図説東洋医学(湯液編Ⅱ):学研
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ やさしい中医学入門:東洋学術出版社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ まんが漢方入門:医道の日本社