漢方薬相談ブログ

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胃痛、胃もたれを漢方薬で治療する方法

病院では胃痛、胃もたれといえば、判で押したように六君子湯が出されます。

保険適用の漢方薬は安いことは安いですが、ただ安いだけ

肝心の治療は期待しない方がいいと思います。

なぜなら、医者は、デタラメな方法で漢方薬を処方しているからです。

そのデタラメな方法とは、病名や症状だけで漢方薬を選ぶこと。

漢方薬は、例え、胃痛または胃もたれって1つの症状でも、全身の状態を調べないと効果を発揮させる漢方薬を選べないのです。

この記事では、なぜ、医者が選ぶ漢方薬では治らないのか?

漢方薬で治療するためにはどんなことが必要なのかがわかり、どうすれば、胃痛、胃もたれを漢方薬で治せるようになるかがわかります。

医者の漢方薬の選び方はデタラメ

デタラメだー!と言う前に医者って、どうやって漢方薬を選んでいるかというと、ツムラなどの漢方薬メーカーからもらったマニュアルをみて漢方薬を選んでいます。

例えば、そのマニュアルには、胃炎:15黄連解毒湯、35四逆散とか、胃腸虚弱:30真附湯なんて表になっています。

これ、なんでデタラメかっていうと、そもそも、西洋医学は症状を薬で一時的に抑えるだけだから、症状に対応している薬の名前がわかれば、いいのでしょうが、漢方薬って、その人の原因が何なのかを調べないといけないのですよ。

胃痛、胃もたれって原因じゃないのですよね。

もはや日本語が不明ですが、胃痛や胃もたれになった原因がかならずあります。

そして、これは普段から漢方薬を処方している医者もショックでしょうが、その胃痛、胃もたれが起こっている原因は人それぞれ違うのですよ。

そもそも、このマニュアル、胃痛、胃弱とかわかれていますが、胃の悩みがある人って、胃痛の時もあれば、胃弱で持たれている時もあるよね?

決めつけるのは勝手だけど、現実は、「絶対に胃痛だけ」とか「絶対に胃もたれ」だけなんてないのだから、このマニュアル自体も破綻してるのですよ。

漢方薬の選び方がマニュアルだと何でダメ?

漢方薬は、原因を調べて、その原因に合わせて選びます。

例えば、六君子湯は、『胃痛、胃もたれなら、なんとなく治してくれる魔法っぽい薬』ではなく、『脾虚の証、脾の水滞証、血虚の証』が原因で胃痛、胃もたれを起こしている人に使えば治せます。

主に胃に水が溜まって、胃の機能が邪魔されて、それが血を作り出す部分まで影響して、血も不足気味。

なんて人に使うもの。

医者みたいに「胃痛、胃もたれだけでいいんじゃね?」なんて単純なものじゃないのですよ。

『六君子湯を結構、飲んでいるけれど、いまいち、効いた感じがわからない』

その理由は簡単ですよね。

それは、あなたの胃痛、胃もたれの原因が、『胃に水がたまっている』とか、『そのせいで胃が弱っている』などではないからです。

あなたの胃痛、胃もたれの原因と漢方薬の効果が合ってないから、治るわけないですよね。

きつい胃痛を漢方薬で治した例

ある患者さんのお話。

その方は、いきなり強烈な胃痛に見舞われました。

この時点の『胃痛』だけでは、原因はわかりません。

漢方ではここから全身の状態を調べていきます。

特徴的なのが、寒くなると胃が痛むとのこと。

そして、足もひえているのです。

となると冷えて、胃痛が起こっているので、治すのであれば、その逆に温めてあげたら、治るわけですね。

なので、温める漢方薬を選びました。

ついでに胃酸を抑える生薬も合わせたら、2袋目からよくなっていきました。

胃痛、胃もたれを漢方薬で治した例

次は、普段からのぼせやすく、目が充血しがちで、パニックに陥りやすい人の胃痛、胃もたれ。

この方、人混みが多いところにいくと胸焼けと胃痛、胃もたれを起こします。

特にひどくなるのは、月経前。

胃痛の原因には熱や血の巡りの悪さ、肝臓の不要な熱の滞りによる機能低下があります。

この方は、複雑ですね。

治療としては、胃痛、胃もたれを治すのに熱の巡りを整えなければ、いけないし、肝臓の気と血の巡りを整えないといけないし、体の上の方にたまりがちな熱も降ろす必要もありますので、当然、漢方薬は、これらが全部、治せるものを選びます。

漢方薬は、症状を抑えることが目的ではないので、こうやって全身の調整をしながら、肝心の胃痛、胃もたれを治しいきます。

分析した原因と選んだ漢方薬が見事、マッチングして、胃痛は治りました。

こんな感じで原因を調べないと漢方薬は選べないので、胃痛、胃もたれなどの症状だけで選んでいる医者の漢方薬はデタラメなのですよ。

怖いのは副作用と治療を放置していること

漢方薬の怖いところは、副作用です。

さっきの2人の方々、1人目は、温める効果が胃痛を治しました。

2人目の方は、冷やす効果で胃痛を治しました。

つまり、この2人の漢方薬を反対にしちゃうと、どちらも胃痛も胃もたれもかなりひどくなるのです。

これが漢方薬の副作用。

そして、副作用までいかなくても、例えば、水の滞りが原因じゃないのに、一生懸命、六君子湯を飲んでいる間は、実は、何も治療していないことになります。

的外れなので。

そして、こんなことをやっていると漢方薬で治しているつもりで実は、放置しているので、静かに胃腸は悪くなっていきます。

本来の漢方治療

病院だと原因はハナからわからないので、

『胃痛→胃酸が出すぎているから止める』

『胃もたれ→胃酸が出てないから消化酵素を活性化させる』

『ストレスが関係している感じ→心療内科に送り出すか、精神薬』

というこの3つで終了ですが(これで根本的に治るわけないよね)

本来漢方治療で重要なのは、まずは大きく原因を探っていくことです。

当然、漢方では、「胃酸がどうのこうの」は関係ありません。

胃痛や胃もたれを起こしている原因が熱による影響か、冷えによる影響かを見極めることです。

これ、冬だから、冷えが原因とか、夏だから熱が原因といったものではありません。

そもそも熱って、「体温が高い」って話ではありません。

例えば下痢なんかは、冷えてなってそうですが、夏は『熱が原因の下痢』が結構あるのですよ。

冷えが原因か?

熱が原因か?

なぜ、これを調べないといけないかというと、この分析を間違うと、漢方薬で副作用を起こすからです。

次に女性なら、月経と胃痛、胃もたれが連動しているか?

ここも見逃すと、こんなタイプに合わせる漢方薬は特殊になってくるので、治せる漢方薬を選ばないことになっちゃいます。

つまり、治りません。

そして、気の滞り(思い悩みや不安などの感情)なのか、気の変調(イライラや不眠気味)などがあるかなど、治すのは胃ですが、全身をみていきます。

漢方薬で胃痛、胃もたれを治すには

はっきりと言ってしまえば、胃痛、胃もたれであっても、全身の状態を分析しながら、原因を探っていくので、東洋医学の専門的知識のない人が、『胃痛、胃もたれ』という症状だけで、最適な漢方薬を選ぶことはできません。

これは医者も同様で、医者も「胃痛、胃もたれ」という1つの症状だけみて、マニュアルで処方しているので、こんな方法で選んだ漢方薬を飲み続けても、これも治りません。

そして、漢方業界は、実は、ほとんどの先生が体質(証)を分析できません。

ですので、漢方薬がどうやって治していくかの治療方針の説明ができません。

これは逆に考えれば、漢方薬を使って、胃痛や胃もたれを治したければ、2つの条件と満たす先生にだけみてもらえばいいのです。

1 胃痛や、胃もたれであっても全身を分析してくれて、なおかつ、今の証(病的体質)を説明してくれる。

2 その漢方薬でどうやって治していくのか治療方針が説明できる。

この2つの条件を満たす先生を探せばいいのです。

いちいち、相談してから断るのも大変でしょうから、電話で『体質はどうやって分析していますか?』と質問すればいいです。

『全身をみて判断しますよ』という答えがなければ、ガチャン!と切ればいいのです。

病院の漢方薬は?

すみません。論外です。

医者といえど、漢方薬に関しては、ど素人なので、ど素人に治してもらうことに問題があります。

どうしても保険適用の漢方薬が希望であれば、自分で最低三年ほど、漢方を勉強して、病院で自分指定の漢方薬を出してもらうのがいいと思います。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 図説東洋医学(基礎編):学研
◯ 図説東洋医学(湯液編Ⅰ):学研
◯ 図説東洋医学(湯液編Ⅱ):学研
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ やさしい中医学入門:東洋学術出版社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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