漢方薬相談ブログ

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よい漢方のオンライン相談の選び方(前編)

コロナの影響もあってか、漢方相談関連のオンライン相談の広告が増えていますね。

やれLINEでオンライン相談。

ネットでオンライン相談とコロナで自粛になったことや病院もコロナ関連でオンライン相談を増やしているので、それにあやかってGoogleにオンライン漢方相談の広告出しまくりのニワカオンライン漢方相談が増えているようです。

漢方業界や健康相談の薬業界って、昔から治せる治せないの自分の実力なんかそっちのけで、『儲かりそうだったら流行りにのっとく』みたいな風潮ってめっちゃ強いのです。

で、漢方のオンライン相談ってアリなのかというと、うちは店頭もたくさん患者さんが来られますが、開業当初からオンライン相談をかれこれ13年になりますので、オンライン漢方相談専門といってもいいくらいの自負があります。

漢方のオンライン相談って、Webページに問診表を設置して、後は患者さんから送ってもらったらOK!というわけにはいきません。

そんなやり方では、まず治らないです。

そこで、自分で言うのもなんですが、一応、ネットの黎明期からオンライン医療相談をしてきたうちが、ヘタな漢方のオンライン相談に騙されないように重要なポイントを紹介したいと思います。

オンライン相談も経験値が必要

うちは開業当初からオンライン相談をやっていたのですが、オンライン相談はオンライン相談として、いろいろと苦労しながら、ちょくちょく変更、更新を加えながらやってきました。

パソコン上のテキストのみのお付き合いで、妊娠したり、難病が治ったりという人がたくさんいらっしゃいます。

「北海道で1人の人を治したら、3家族くらいまで紹介されたけれど、誰の姿も見たことないし、声も聞いたこともない」ということもありました。

ただ、今は行けてないですが、うちは関東(なぜか特に神奈川県)のオンライン漢方相談の患者さんが多いので、東京でオンライン相談の患者さんと直接会う相談会もやっていたりしました。

オンライン相談って「今はネットの時代だから、問診表を設置すれば、簡単なんじゃない」と思っている人が多いかもしれませんが、漢方相談はかなり難易度が高いので、どこのオンライン相談でもいいかというのはやめたほうがいいと思います。

漢方薬を選ぶ際の大きな勘違い

保険適用の漢方薬を処方している病院もなんちゃって漢方をやっている漢方薬局も盛大に勘違いしていることがあります。

こういったエセプロの人につられて一般的にも誤解されていますが、あなたの病気や症状を治すための漢方薬を選ぶ時に『病名や症状があてはまった漢方薬を選ぶ』というのは間違った方法です。

医者や漢方薬局の先生もそう思っている人がいるので、この誤解、根深いのです。

漢方は、症状が当てはまるかどうかで選びません。

まず、一般的な『病名』というのは、西洋医学の診断による病名なので、東洋医学の漢方薬と病名は何の関係もありません

例えば、「インフルエンザに麻黄湯」とか、「ニキビに十味敗毒湯」とか、そんな選び方はしません。

断言しますが、それは『病名漢方』といってデタラメな方法です。

漢方薬は『全身の症状や状態』から病気や症状の原因である『証』を診断します。

この証がいわゆる体質と呼んでいるものです。

その証を治せる漢方薬を選びます。

症状に合わせるのではないですよ。

症状はあくまで『証』を導き出すための1つの情報でしかありません。

証に合わせるので、証が分析できないと始まらないのです。

ですので、店頭の漢方相談であろうとオンラインの漢方相談であろうと『全身の問診』が必要です。

別に難病でなく頭痛だけでも、漢方では全身の問診が必要なので、全身の問診表がなければ、そこは「ニ、セ、モ、ノ、漢方相談」なのです。

ちなみに病院で漢方薬を選ぶための問診は取りませんので、良い悪い以前に病院の漢方薬は論外です。

漢方相談に必要な全身の問診表

全身の問診というのは、文字通り全身。

頭痛からはじまって、目が疲れるか充血するか、花粉症の時期に鼻が詰まるか、胃の調子、手足の冷え、逆に手足のほてり、便の回数や便の状態、オシッコの回数、寝つきや夜中の目覚めなど、ここで全部、書くと項目がものすごく多いので、書きませんが、うちでは『50項目250箇所』にチェックしていただきます。

入力するだけで早い人でも10分。

じっくり長い人だと20分かかります。

でも、問診の問いかけが多いことがいいことではありません。

漢方薬は、その先生の考えや診断で選ぶ漢方薬が変わるので、問診は先生それぞれ。

短いからダメとか長いからいいというわけでなく、とにかく漢方医は全身の状態を把握しないといけません。

ですので、まず、漢方のオンライン相談で必要なのは、『全身の状態を伝えることのできる問診表になっているかどうか?』

ここがポイントです。

1つの症状を治すのになぜ全身の問診が必要?

漢方薬を選ぶためになぜ、わざわざ全身の状態を知らないといけないかというと、漢方薬は病院の薬と作用が全く違っていて症状を直接、抑えることが目的ではないからです。

『症状を発生させている原因を突き止めてその原因自体を治せば、自然、症状も治る』という考え方です。

例えば、頭痛でも漢方的には原因が40パターンほどわかれてきます。

十人十色ではなく四十人四十人色です。

上焦部位といって、首から上の水の巡りが滞っていて、その原因が腎臓の機能が弱っているからという証があります。

これを治すには、頭に滞っている余分な水を体の下方に巡らせ、腎臓に誘導し、次に腎臓からオシッコで流し出します。

問診の最初は、こういった原因なのかどうかはわからないので、それを調べるためには、

1「上焦部位(首から上の部位)に水が滞っているか」を調べて、

2「オシッコがちゃんと出ているか」を調べる必要があります。

「顔のむくみ」や「耳鳴り」、「目のかゆみ」、「鼻水」、「雨の前の日に頭痛が起こる」などから上焦部位に水が滞っているかがわかります。

そして、腎臓自体の機能が弱っていないかは、オシッコの回数、便の状態、足の冷え、腰の痛みなどから探ることができます。

でも、これって、まるで最初から頭痛の原因がわかっているかのような問診ですよね。

実際は、最初は何が原因かわかりません。

同じ水の巡りが悪い原因の頭痛でも、胃腸に水がたまってそれが上焦部位に溜まっているとか、ホルモンが関わっているとか、血圧が関わっているとか、人によって、いろいろな原因が考えられます。

なので症状が『頭痛』1つでも、結局、全身の症状や状態を調べないと原因を分析できないのです。

オンライン相談をする先生に必要なプロファイリング能力

漢方では湿疹などは、湿疹の状態によって、原因が変わり、選ぶ漢方薬も変わります。

ですので「湿疹の形」、「湿疹の色」、「湿疹の面積」も重要です。

うちでは、アトピーや蕁麻疹、にきびの場合は、かならず、写真を添付してもらっています。

まさか、『アトピー→十味敗毒湯』なんて詐欺臭いマニュアルなんかでやっていません。

その他、あなたに最適な漢方薬を選ぶためには『症状の強さ』を知るための問診や質問、『症状がひどくなるキッカケ』『症状がいつから始まったか』なども知る必要があります。

これらは後編にでも紹介したいと思います。

元々、漢方薬を選ぶためには『その人独自の原因』を調べないといけないので、オンラインでなくとも高度な問診能力が求められます。

それがオンラインになると、姿、声、雰囲気などもわからなくなります。

だから、逆に事細かに質問もいろいろな方角からしてみたり、一見、病気や症状と関係のなさそうな生活環境や仕事の時のことなども聞いたります。

問診能力というよりは『プロファイリング能力』といった方がいいかもしれません。

実は僕は自称投資家ですが、漢方のオンライン相談は、株の売買の経験が役立っています。

なぜなら、株はいろいろな数値やグラフから、会社の健康状態を想像して買ったり売ったりするからです。

良く、遠方の人から「会わないとなると不安です」というご意見をいただきますが、大半の医者は西洋医学の病名でマニュアルを見て、漢方薬を選んでいるだけだし、漢方薬局も3、4個、症状聞いてそれに当てはめて漢方薬を選んでいるだけだったりするので、ぶっちゃけ、近くの病院や店に直接、相談に行くよりも、うちのネット相談の方がマシじゃないかと勝手に思っております。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方の歴史:大修館書店
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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