漢方薬ってどんな病気を治せるの?
「漢方薬ってどんな病気を治せると思われますか?」
先日、うちに通われている患者さんにこんな質問をしたところ、「胃もたれや便秘くらいしか治せないと思っていた」と言われました。
ガーン!これはかなりショックです。
でもよくよく考えてみると、僕もかつて西洋医学信奉者だった頃、母親や彼女の病気が病院の薬やサプリで、にっちもさっちもいかなかった時に「じゃあ漢方薬はどう?」と提案されて、「怪しそう…」という印象しかなかったんですよね。
漢方薬って二千年前からあるので、今の時代じゃ逆に古くてオワコン。
最先端の西洋医学には敵わないと思っていたのですが…
そもそも、西洋医学の薬と東洋医学の漢方薬では、治療の目的や方向性が全く違うものなのですよね。
ですので、両方の医学の本質的なところに注目すると、どっちが良いとかではなく、その時のそれぞれ向いている治療を選択すれば良いのではないかと思います。
今回は、漢方薬がどのような病気や症状を治すのに向いているのかについて解説します。
そして、漢方薬で治療するにあたって、とても重要な注意点をお話しします。
この注意点を守っていないと、どんな病気や症状も漢方薬では治せなくなるので、最後まで読んで頂けたらと思います。
漢方薬が治せる病気や症状
結論から言うと、漢方薬で治せる病気や症状は、「怪我や救急、絶対に手術が必要な病気、出産以外」、全部治せます。
ここで、はい終了!と言っても、西洋医学信奉者のときの僕のように怪しさだけが残ってしまうので、具体的にどんな病気の治療を得意としているのかを紹介していきます。
漢方薬はどんな病気や症状でも治せるのですが、特に、『長期間病院に通っているけれど、ずっと治らなくて慢性化している病気や症状の治療』が得意です。
それでは具体的に紹介していきます。
原因不明の症状や病気
病院で診てもらっても、〇〇病と診断されない病気、例えば、体のあちこちの関節に痛みがあるけれど、検査すると何も異常がない。
医者からは、「ストレスが原因」とか「老化が原因」とか、「気のせい」とボヤーンとした感じの話で、はぐらかされる症状。
漢方はこういった症状の治療を得意としています。
また、同じく病名は診断されず、全身に色々な症状がある場合。
例えば、のぼせ、頭痛、耳鳴り、口内炎、寝つきが悪い、眠りが浅い、肩こり、時々、指の関節が痛い、胃もたれ、頻回な下痢、PMS、疲れると蕁麻疹が出る、足の冷えが強いなどが、全部一辺にある場合、病院だとどれだけの科に通わないといけないのか?
そもそもどの科にかかれば良いのかが検討もつかないくらい症状がバラバラで多い場合。
こんな状態で、内科、消化器科、心療内科、整形外科、婦人科なんて順に通っていたら、お薬もとんでもない数になります。
西洋医学で治療しようとすると途方に暮れてしまう状況なのですが、漢方では逆にこういった状態を全部、ひっくるめて、全部の症状が繋がっている原因を探して治療していきますので、ちょうどいいのです。
婦人科系の疾患
婦人科系の疾患は全般的に漢方の得意分野です。
特に最終的に手術が必要かもしれない卵巣嚢腫や子宮筋腫、子宮内膜症などです。
これらの疾患だけでなくPMSや月経困難症なども治療が得意です。
病院では、治療でホルモン剤を使ったりしますが、ホルモン剤は、単純に人工ホルモンを加えて、『自然月経を停止させているだけ』なのです。
これをちょっといい感じで治療と呼んでいますが、病院での婦人科系の疾患の治療は、大体が病気を一時停止しているだけのものなのです。
ホルモン剤などの治療の何が問題かというと、「一時停止した後もジワジワと悪くなって、最終的に手術に移っていく」というところ。
結局、卵巣を取ったり、子宮を取ったりするので、治療というよりは、「できたらやりたくないけど、やむをえない処置」と言った感じのことをやってます。
婦人科系疾患については「病院での治療」とは言ってますが、厳密には治療になっていないのです。
一方、漢方では、根本的な原因を分析して治療しますので、早めであれば、嚢腫や筋腫も小さくなっていって、手術しなくて済むということもあります。
PMSも心療内科医系の薬に手を出す必要はなくなるし、月経困難症の方は、鎮痛剤が不要になります。
アトピーやニキビ
アトピーやニキビも、漢方の得意とすることころです。
冒頭で西洋医学と漢方は、治療の目的や方向性が違うとお話ししましたが、病院でのアトピーやニキビの治療は、『一時的に炎症を抑えているだけ』です。
(ちなみに10代のニキビに関してはアクネ菌が原因の場合があり、この場合は、病院の抗菌剤などは有効な場合がありますが大人ニキビには当てはまりません)
炎症というのは、体内になんらかの「炎症を発生させる原因」があって、その結果発生しているものです。
この炎症は、根本的な原因をなんとかしない限り、次々に生み出されていきます。
これをその都度、ステロイドで抑えたって、延々と終わらないわけです。
毎日、毎日、誤魔化しているだけになります。
漢方は、この根本原因である炎症の元を調べて治療しますので、飲み続けていけば、やがて根本的に治ってくるというわけです。
関節の痛み
そして関節の痛み、これ、僕も深く勉強し、実際に治療の経験をするまで、意外に思っていたのですが、漢方薬って関節の痛みを治すのが結構、得意なのです。
病院での治療は、鎮痛剤を飲んでもらう、ブロック注射を打つ、そして手術。で、手術以外は、結局は、治らずに痛みを繰り返します。
漢方薬だとスパッと痛みが取れるわけではないですが、徐々に痛みがなくなっていって、高齢でなければ、根本的に治ることも多いです。
病院の鎮痛剤では、痛みは取ってくれますが、機能は戻りませんよね。
漢方薬を飲んでいれば、高齢の方でも痛みがなくなり、運動機能の回復があるので、生活に困らなくなってきます。
日々の強い痛みは、病院の薬で一時的に誤魔化して、裏で漢方薬でせっせと根本的治癒を図っていく感じがベストですね。
もちろん内科全般に難病
もちろん、胃痛や胃もたれ、風邪、過敏性腸炎、ヘルペスなど内科全般なんでも対応できます。
また、あまり知られていないですが、そもそも病院のように病名診断が必要ないので、原因が全くわからない難病にも対応できます。
僕は、後縦靭帯骨化症という難病を専門にやっています。
体質を分析できなきゃ漢方薬は意味がない。
本来の漢方薬は病名や症状から選ぶことはないので、病名診断がなくても治療できますし、体質を診断するにあたって全身を分析しますので、身体のあちこちに症状があっても治療できます。
ただし、ご注意いただきたいのは、あくまで『体質』を分析し、『その体質をもとに漢方薬を選んだ場合』です。
医者や大半の漢方薬局、ネットの説明では、西洋医学の『病名』や西洋医学的な『症状』から選ぼうとしていますので、この選び方では、漢方薬は効果を発揮してくれませんので、先ほどまでの解説がまったく通用しませんし、治りません。
あくまで、東洋医学的な体質を分析し、それに合わせて漢方薬を選んだ場合は、結構、色々な病気や症状を根本から治すことができるということですね。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社