医者の考え方で漢方薬を処方すると効果がなくなるのはなぜか?
最近どこの病院でも普通に漢方薬が処方されるようになりましたね。
ほとんどの病院は漢方薬を東洋医学的な診断に基づいて処方しないで西洋医学の『病院の薬と同じような感覚』で処方しています。
そういう影響もあってかどうかはわかりませんが、西洋医学のお薬と漢方薬が全く次元の違うお薬であるという風に考えられていないようです。
そう、漢方薬は「薬」という名前がついていますが、病院の薬とは全く違うものなのです。
今回は、病院で処方された漢方薬は『なぜ効果がわからないのか』その理由を詳しく説明したいと思います。
病院の薬の効果のメカニズム
元々、西洋医学で処方されるお薬は「新薬」といいます。
アトピーで処方されるステロイド剤や喘息や蕁麻疹で処方される抗アレルギー剤などですね。
新薬は元々はこの世の中に存在していません。
自然のものじゃないからです。
100%人工の化学物質。
化学的にいろいろな有効成分を人工的に合成し作りだします。
新薬のおもしろいところは、元のルーツを辿ると自然界のものからその元となるものを得ていることです。
そう、生薬や薬用の働きをもった植物です。
それらの中の有効だと思われる成分。
ここ大事ですよ。「有効だと思われる成分」です。
絶対的に良い成分かどうかは厳密にはわかっていません。
その現時点の科学的な勝手な思惑で良いと思われる成分を抽出し、それを精製します。
精製というのは、例えばインフルエンザに良いと勘違いされている麻黄湯の中の麻黄という生薬の中の成分を抽出して精製していけば、覚せい剤のエフェドリンという成分がとれるといった具合です。
さて、何千、何億という成分の中から、たまたま目立っていた成分だけを抜き出すことが本当に良いことなのでしょうか?
病院の薬の治療目的
病院の薬の効果の考え方は覚せい剤と同じです。
というか、西洋医学の薬の効果は、覚せい剤をイメージすればわかりやすいです。
麻黄という漢方薬に使われる生薬、それが科学的に精製されて覚せい剤になれば、効き目はかなりシャープなものになります。
そして、抽出精製されたゆえに人体にとっては効果がきつすぎて、副作用も出てくるのですね。
新薬は手っ取り早い感じですね。
『すぐに効く!! 効果が早い!! 効果が強い!!』
逆も然りで『効果はすぐになくなり、副作用も強いです』
漢方薬の効果
では漢方薬はどんな感じ?
漢方薬は100%自然のものです。
漢方には薬膳という食べ物で治療する考え方がありますが、基本的に漢方薬も普段食べる食べ物の延長線上にあります。
身近なもので言えばゴマや薄荷、蜂蜜なんかも漢方薬になります。
いわば、漢方薬は薬というよりも食材ですね。
実際に治療する際も有効成分がどうたらこうたらと考えるよりも食べ物として考えた方が治療もうまくいきます。
ただし漢方薬を構成する生薬は食べ物より薬性が強く、薬性にも偏りがあります。
だから生薬の配合などが決まっているのです。
漢方薬の効果が遅いというのは誤解
よく漢方薬は効いてくるのが、ゆっくりだと勘違いされています。
自然のものというイメージだからでしょうか?
これは全くの誤解です。
漢方薬の効き目が遅いか、早いかをすぐに調べる方法があります。
それはハッカを食べたらわかります。
ハッカを食べて口の中がスゥーッ!と、なんか爽快な気分になったり、なんだったら、ちょっと寒いイメージになれば、それが効いている証拠です。
どれくらいの速度で感じました?
「ハッカを食べ続けても、今のような効果が3ヶ月経たないと感じない」そんな人はいないはずです。
漢方薬は元々、食べ物に近いものですが、効果は早くて強いものもあるのです。
漢方薬の副作用
漢方薬は体質と合っていなければ副作用を起こします。
先程のハッカでわかるようにすぐに変化が現れる強いものもあるので漢方薬だからといって体質を合っていないものを何ヶ月間、ただ漠然と続けるのはやめたほうがいいですね。
ただし漢方薬は短い期間の副作用(体質と合っていない漢方薬を飲んでいる期間)であれば漢方薬をやめれば、やがてなくなっていきます。
その時は、また自分にあった漢方薬を探せばいいのですね。
漢方薬は漢方のルールで選ぶ
当たり前ですが漢方薬は東洋医学のルールにのっとって、体質に合わせた漢方薬を選びます。
ただ、医者はこの当たり前のことを無視して漢方薬を選んでいます。
漢方薬は病院の薬のように成分で効かせて、症状を抑えるのではなく、病的体質を漢方薬独特の効果で変化させて結果的に症状をなくしたり、病気を治したりしますので、病院の薬と同じような「何かの症状に効く成分がある」と考えて選んでも絶対に治りません。
病院の漢方薬が効かないのは、医者が全く治療や効果のルールが違う漢方薬を強引に『西洋医学と同じような考え』で、症状に効く成分があると勘違いして処方しているか、もっとひどいと、『漢方薬が実はどんな根拠で効いているのかわからない』くせに処方しているから効かないのです。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 図説東洋医学(基礎編):学研
◯ 図説東洋医学(湯液編Ⅰ):学研
◯ 図説東洋医学(湯液編Ⅱ):学研
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ やさしい中医学入門:東洋学術出版社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ まんが漢方入門:医道の日本社