
ニセモノの漢方の先生に騙されない8つの方法
この間、電話がかかってきて「そちらのサイトを今、ネットで見てるのですが、そちらの店をどうやって信頼したらいいですか?」と質問されました。
なかなか、ストレートな質問です。
この答えは、漢方の店に限らず、どのジャンルの店であっても、『自分で店の人と直接、会って、自分で話して、自分で判断する』しかありません。
ところが、この答えもよく考えたら、実は正しいのかどうかわかりません。
なぜなら、「自分で直接、会って、自分で判断する」ということは → その専門の人からどんな情報を引き出して、どんな判断をすれば正しいのかがわかっていないといけないからです。
つまり、ある程度、『自分自身がその道の専門家』じゃないと、良いか悪いかの判断できないのです。
例えば、僕がグランドピアノを買いに行った時、その頃、まだピアノは全然、弾けないに等しい状態でした。
でも、先生に「良い音のピアノで良いタッチで練習するのが良い」と言われたので、なるべく良いピアノが欲しいと思い、買いにいきました。
この時、ネットでいろいろ調べて、どんなメーカーのピアノが良いのかを調べ倒しました。
しかし、しかしですよ。
知識でわかってはいても、実際にピアノに触って、音を聞いても、弾いてみても、正直、よくわからないのです。
見に行っている時は、分かっているフリをして、「あっこのピアノいいんじゃない」みたいなことをやっていましたが、最初に買おうと自分で決めたピアノは、専門家から言わせれば「くずピアノ」で、後でピアノの先生と一緒に、じっくり調べたら、中国で機械で作っている量産ピアノでした。
最終的には、ピアノの先生についてきてもらい、何台ものピアノを先生に弾いてもらって、その音を聞いてベストなものを買いました。(弾けなくても耳だけは肥えてたので)
これと同じで、おかしな話ですが、信頼のできる漢方の良い店を探そうと思ったら、現実的には漢方の専門家に選んでもらわないと『信頼できるかどうかはわからない』ことになります。
日本人はこうなると、大体の人は『有名』だったり、『みんなが知っているもの』を『良いもの』だと勘違いして選ぶ傾向があります。
「有名だ」というものは、細かく調べたら、「本当に品質やサービスが良いのか」がわかりません。
もしかしたら、品質やサービスは、実はゴミだけど、広告宣伝がうまいのかもしれません。
ネットなんて、いくらでもウソをつけますから。
広告宣伝がうまく話題性があったものと、本当に良いものかどうかは全く関係がないわけです。
特に漢方は一般的には、「謎」の多い医学で、おまけにネット情報が当てにならないのです。
今回は、なぜ、漢方に関しては、ネット情報が信頼できないのか。
信頼できる漢方の先生やお店をどう探せば良いのか、そのポイントを紹介したいと思います。
理想は少し漢方を勉強したほうが良いが…
一番、確実なのは、漢方の専門家を一緒に連れていくのがよいですよね。
でも、それだったら、本末転倒です。
専門家を連れて、良い漢方薬局を探し回る。なんてことは無理なわけです。
だって、漢方の専門家の友人がいるなら、そこで相談すれば済むからです。
となると、また逆戻りですが、ネットなどで調べるしかありません。
ここで、とても注意しないといけない重要なことがあります。
ネットはありとあらゆる情報がありますが、漢方に関しては、ほぼ『ニセモノに近い情報しかない』ということ。
これは、漢方薬を処方している病院の先生や漢方専門薬局の先生に悪意があるというわけではなく、この業界、ものすごく変わっていて、まともに漢方ができる先生が、ほぼ、ほぼ存在しないのです。
なぜか?それは超難解だから。
一般的には病名や症状に合わせて、漢方薬を選んでいるのですが、そんな方法は、実は全くのデタラメなのです。
本来は、人それぞれの体質を分析して、その体質に合わせて選ぶのですが、体質分析というのは、マニュアル的に「これが正しい!」というものがありません。
もちろん、分析方法や漢方薬の詳しいことは知識として学べるのですが、体質分析自体は、その人の解釈や経験から、その人のつかんだ方法というものが必要になるのです。
なので、いくら勉強しても、「こんな人には、この漢方薬を飲んでもらえば良い」なんていう方法は存在しないのです。
そして、ネットで出ている情報は、9割が、「めまいなら苓桂朮甘湯が合う」とか、「アトピーなら十味敗毒湯が合う」みたいなおよそ治療と関係ない情報で溢れています。
皮肉な話ですが、一般の人が、そのページを見た時に「何、言ってるのかわからない」みたいなことを書いている人の方が、まだ信頼できるかもしれないのです。
とはいえ、ネットでも探す方法を紹介したいと思います。
ネットで信用できる漢方薬局に出会うためには
信用できる漢方薬局を探すための方法
1 「体質」もしくは「証」というものが説明されているページを探しましょう。
漢方薬は病名や症状を直接、治したりするものではなく、体質を整えることによって結果的に症状がなくなります。
体質や証と書いておきながら、病名や症状のことばかりが説明されていたら、そのサイトはニセモノです。
2 ネットは他のサイトの説明文をパクることが簡単なので、Webサイトの耳心地の良い説明文は嘘かもしれないと思ったほうがよいです。
例えば、病院のサイトでも「あたなの体質に合わせて漢方薬をお選びします」と紹介されていても、99.9%の病院は体質を分析するための問診もとらないで、結局、マニュアルをみながら病名にあてはめて漢方薬を選んでいるだけだったりします。
通常の問診とは別に、漢方薬を選ぶための問診として、どんな問診をとっているのかネットで探したり、電話で聞いてみてください。
3 漢方関連のサイトを20サイト以上は閲覧する。
漢方関連のサイトを20サイト位、見ていると同じような説明っぽいものがあることに気づきます。
なんだったら、漢方のことなんて全く知らないWebサイトを作る業者さんが、つくっていることもあります。
これは教科書からパクって、受け売りの説明をしていることが多いからで、教科書からパクるタイプの先生は言うまでもなく、治療の腕はトホホな感じです。
パーセンテージとしては、この類の店が多いので、共通項を探すつもりでサイトを閲覧していたら、なんとなく気づきます。
4 最初に目に飛び込んでくるのがサプリメントの紹介
漢方は、葛根湯とか当帰芍薬散とか、伝統的な漢方薬のみを使用して治療するもので、本来は、サプリメントや薬と合わせたりしません。
なぜなら、サプリメントと併用すると、漢方薬自体がどういう風に効いているのかわからなくなるので、真剣に漢方をしている専門家の先生は、サプリメントとの併用を嫌います。
商売的には漢方薬とサプリを抱き合わせて販売した方が儲かるので、腕のない商売の上手いお店はサプリメントを全面に出して併用をすすめています。
5 漢方薬局のはずなのにイチ押しがダイエット!
なぜか漢方薬局は経営がまずくなってくるとダイエットに走ります。
漢方が医学として活躍していた昔は、太るどころか飢えて死ぬことが当たり前でした。
防風通聖散や防已黄耆湯にダイエット効果があるわけではありません。
6 Webサイトの内容のほとんどが治った体験談しかない
このパータンもヤバいです。Webサイトの写真とかデザインが綺麗でも、内容を詳しく見ていくと、結局、『体験談と店の案内とサプリメントの宣伝しかない』というサイトは結構あります。
7 専門的な知識が充実しているかどうかをみる。
専門的な知識は専門家でなくてはわかりませんが、例え、一般の人には、わかりにくい知識だとしても、専門知識がたくさん紹介されていれば、漢方の先生としての知識自体が豊富にあり、本当に専門家かどうかがわかります。
この時、気をつけないといけないのは、ネットは難しい漢方の本から内容をパクってきて、いくらでも載せることができるので、難解な漢方の理論をできるだけ、先生なりに咀嚼して、分かりやすく説明されているかどうかが重要です。
8 意地悪な問い合わせをしてみる。
これが一番重要かもしれません。電話でもメールでもいいと思いますが、できれば、電話だと、その先生の本質的な能力がわかります。
なぜなら、メールは取り繕ったりする時間があるからです。
(特に賢い大学卒の先生ほど事前準備を与えるとあたかも賢いように取り繕うのがうまいので、いきなり電話で質問するのをオススメします)
現状の状態を相談してみることです。
この時に、自分の体の状態だけでなく、病院の薬のこと、検査のことも詳しく説明してもらいましょう。
たまに漢方と西洋医学は違うものといって、漢方のことしか説明しない先生がいますが、これは『ただの逃げ』です。
漢方は体質をみますので、当然、病院の薬も体質に影響を与えていますし、漢方では体内を見ることはできないので、検査結果などは漢方治療にとっても、貴重なデータになります。
こういったデータはあるに越したことがないので、病院の治療や検査の説明がモゴモゴだったら、漢方治療の腕もお粗末だと考えても差し支えないです。
逆に病院の漢方薬でも「体質」や「証」の説明ができず、病名や症状だけで漢方薬を説明しようとする先生もニセモノと思っていただいて間違いないです。
自分の体のこと、時には命もかかっていますので、この8つのことをチェックして、あとは自分自身の感覚で信用できそうかどうかと『相性』も良さそうかどうかもチェックしてみてください。
理論やデータだけでなく自分のフィーリングも結構、重要で『なんかこの人(このサイト)、胡散臭いな…』という印象は、漢方のことがわからなくても合っていることが多いですよ。
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◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

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