漢方薬相談ブログ

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体調が悪いけれど、病名が診断されない場合はあきらめるしかないのか?

『病院で何かの病気だと診断されたわけじゃない…』

『病院の検査で特に悪いところはない…』

でも、『日々の生活は、辛い』ということがあると思います。

体の不調があると、病院は『病気か、そうでないか?』に分けようとしますが、そもそも「ここからは病気」とか「ここからは健康」といったように明確にわけることなんてできないのです。

それができるのは、ウィルスや菌、怪我などが原因の病気の場合だけです。

病気か健康か、2つに1つに分けて考えることが、実は無駄なことで、特別、何かの病気であろうとなかろうと体の調子は、いろいろな原因で日々、悪くなるのです。

まず、病院で診断される『病気』の正体を考えてみましょう。

医者が診断する病気とは何か?

血液の検査数値で何も問題がなく、医者から病名を診断されなければ、体は何も問題ないのでしょうか?

医者の診断的に問題なくても、実際、眠れなかったり、食べられなかったり、ずっと頭痛が続いていたりします。

病名の診断がなく、検査も問題がないのに、いろいろな症状を訴えていると、老化やストレスと言われ、『老化はあきらめるしかない』『ストレスは心療内科に行ってくれ』なんて言われますよね。

でもね、そもそも、体調が悪い原因のほとんどは、その老化やストレスだったり、それに加えて生活リズムが悪かったり、何か疲れる要因が多かったりといった、『普段生活している中の何かの原因』で起こっているのです。

なので、「老化はしょうがない」とか「心療内科で薬を出すだけ」で済ますのであれば、そもそも医者自体がいらないわけです。

病院で病名診断と呼んでいるものは、いくつかの条件があてはまったものを言います。

例えば、血圧が基準値よりも高ければ、高血圧症という病気。

血糖値が基準値よりも高ければ、糖尿病という病気。

でも、毎日の頭痛や疲れが、この病気のせいとは限りません。

なぜなら、全身の状態を調べたわけじゃないし、検査数値だけで体の調子はわからないからです。

血液検査がみているのは、肝臓細胞の死んだ数や血球の数をみているだけで、それが、あなたの今の体の不調につながっているかどうかは実はわからないのです。

検査数値からわかる病気はごく一部だけで、西洋医学の狭い診断基準の中でわかる範囲のものだけが診断できます。

診断というのは、その医者が、検査の結果や症状のいくつかを当てはめて、自分が理解できる範囲で病気名をつけます。

アトピーという病名は、詳しく訳せば『よくわからない湿疹』と言ってるようなものです。

医者の診断で「よくわからない」と診断しているようなもので、もはや、アトピーなんて診断される意味すらありません。

『病名』の正体は、医者が考える条件にマニュアル的にあてはまるかどうかで、その条件も『アトピー』のように実はいいかげんな感じに近いものもあるのです。

つまり、『病気の診断がつかないのに不快な症状がある』というのは、やはり健康というわけでもなく、気のせいでもなく、医者が『何で、あなたの体が不調なのかわかりません』といっているのと同じなのです。

本当の原因がわからないものだから、『老化や精神的なストレス』と言って逃げています。

医者本人は治療から逃げていますが、ただ、皮肉なことにこの答えは合っています。

合っているのですが、病院では一人一人違っている『老化』『ストレス』『生活環境』『体質』の問題は分析できないし、治すこともできないので、老化やストレスだったら、あきらめるしかない的な方向に誤魔化しているのです。

ちゃんと『何で体が不調なのか僕には全くわかりません』と正直に言ってくれれば患者さんも混乱しないのですけれど。

病院がわからない原因でも体は悪くなる

老化というのは、何も70歳とか、歳をとってから出てくるものでもありません。

例えば、卵巣嚢腫や子宮筋腫などは、早い人であれば35歳位から出始めます。

原因には老化も関わっています。

漢方では腎の臓の機能が弱ってくれば、水の巡りが悪くなると考えることがありますが、水の巡りが悪くなれば、メニエルなども起こってきます。

30歳位でも、メニエルの原因は腎の臓が弱っていることが原因かもしれないのです。

ストレスは、体のいろいろなところに影響します。

蕁麻疹やアトピー、ニキビなどは、ストレスでひどくなることもあります。

また、こういった皮膚病は、普段の食べ物が影響していることが多いです。

中には食生活が極端に悪くなければ、体に悪くないと思っている人が多いですが、極端に悪くなくても、体質と合っていないものを食べ続けていたり、食べる時間が悪かったりしても体は徐々におかしくなるのです。

つまり自分的には「良い食べ物」と思っていても、体質的に悪い食べ物を一生懸命、続けていることもあります。

ちなみにテレビやネットの食べ物の情報は成分だけをみていて、個人、個人の体質に合っているかどうかを全く考慮しないので、誰にもあてはまらない良いのか悪いのかよくわらない情報になっています。

生まれつきの体質も体の不調と関係します。

僕は34歳の時に突然、ぶっ倒れましたが、病院では原因不明で治療もできないということでした。

この原因は漢方的には家系的に肝臓が弱く、おそらく、生まれつき肝の臓が弱点で漢方的には「肝熱」という証が原因だったと考えられるのです。

『医者に診断されなければ、病気ではないか』というとそうではありません。

「検査しても問題がなかった」のではなく、『医者はその体の不調が何なのか、検査ではわからなかっただけ』なのです。

体の不調の原因は全身のいろいろなバランスが崩れた結果

では、漢方ではわかるのかというと、そうではありません。

漢方の治療というのは非常に理にかなっていて、『体の不調は、いろいろな原因がたくさん重なって起こっている』と考えます。

1つのわかりやすい原因で病気的な状態になっているとは考えません。(1つの原因のほうがわかりやすいので、そう思いたいという人は多いですが)

ですので、最初から、1つの症状だとしても、全身の状態をチェックします。

例えば、うちでは全身の55項目、230箇所に渡って体の状態をチェックします。

そのデータから、体のどの部分がうまく働いていないのかを分析します。

詳しくはこちら 漢方相談の具体的手順

例えば、「水の巡りが悪いのは腎の臓が弱っている」「熱が肩から上の頭に溜まっているのは肝の臓の熱を巡らせる能力が弱っていることが問題」など、体内が病気かどうかではなく、『体の機能のどこと、どこがうまくいっていないのか』全身のバランスからみるのです。

そして、漢方薬は全身の調整を行います。

ウィルスや菌、遺伝的な原因でもない限り、決定的にここが悪い!なんて1つの原因だけで不調になっているわけではないので、漢方薬は最初から、全身の調整を治療の目的としています。(だから「めまい→苓桂朮甘湯」などの病名で漢方薬を選ぶ方法は無意味!なのです)

ただし、こういった漢方本来の治療は、あくまで、全身を分析できて、東洋医学的な治療方針を考えられる場合のみです。

大半の漢方の先生(漢方薬を処方している医者含む)は、そもそも『全身を分析するための問診』をとらないし、『その情報から病気の原因を分析』できないし、『東洋医学的な治し方の提案』もできません。

2つ、3つの症状をマニュアル的にあてはめて、病院の薬と同じように漢方薬を選ぶので、このデタラメな方法では治らなかったり、余計に体質がおかしくなったりすることもありますので、漢方薬を使って治療したい場合は、うちのように全身の状態を分析し、治療方針も説明できるような東洋医学理論に則った正しい治療方法を行なっている先生を選んだ方がよいと思います。

でないと、単に漢方薬を飲むだけになり、そもそも漢方薬で治療する意味がありません。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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