漢方薬相談ブログ

医者の月経痛のことやそれに使うピルの効果の説明が意味不明すぎる!

医者の月経痛のことやそれに使うピルの効果の説明が意味不明すぎる!

  1. ピルの実際の効果とは
  2. 人工的なホルモンは自分の月経リズムを乱す
  3. ホルモン剤の効果は誰にも予測がつかない
  4. ホルモン剤や薬は良くない変化も引き起こす

最近、「医者の説明ってどうなってるの?」と思う話をよく患者さんからお聞きします。

この間もうちで不妊症の漢方治療をされている方が、一度、病院の治療も検討してみようということで、不妊治療の病院に行きました。

とりあえず、検査をしましたが、決定的な悪い原因というものは特にありませんでした。

そして、特に悪いところはありませんでしたが、次に衝撃的な医者の言葉が…

『とりあえず、ピルで子宮を休ませましょう!今日からピルを飲んでください』

「えっ?子宮を休ませる…」、もう意味不明です。

それに原因がわからないって自分で言っておいてとりあえずピルって何?

居酒屋のお通し?ビール?

『原因がなんかわからないけど、とりあえず薬を出す』というのは、僕も死にかけた時に医者にされたので、治療をやってるフリをやっちゃうんだろうな〜というのは、わからないでもないです。

ただ、こちらはめっちゃ迷惑ですが…

この体験については詳しくはこちらを読んでみてください。

「死にかけた時に何も役に立たなかった医者と病院(病院編)」

「死にかけた時に何も役に立たなかった医者と病院(自宅療養編)」

ピルの実際の効果とは

『ピルで子宮を休ませる』って何? 怖いのですが…

ちなみにこの患者さん、最初は月経不順気味だったのが、漢方薬で、やっと26日周期で月経が定期的に来るようになった人で、今は、それなりに安定しています。

つまり、自然の月経周期が安定している人です。

ピルは、人工的にホルモン量を増やすことによって、一定期間を飲んでから、ホルモン剤を中止すると月経のような出血があります。

月経のような出血と書いたのは、月経が来るわけではないからです。

イメージ的には、体が人工のホルモン(ホルモン剤)に騙されて、偽物の出血をしてしまうという感じです。

これは、無月経の人などは月経を呼び起こすきっかけになったりすることもあるので、治療といえなくもないです。

ここで言いたいのは、『ピルで子宮を休ませる』という説明。

説明不足を突き抜けて、意味不明すぎて、『子宮を休ませる』ということが医者が何のことを言いたいのか全くわからないですが、言葉通り、『ピルで子宮を休ませる』のであれば、子宮自体の活動を休止しないといけないので、かなりの遅延月経にしたり、無月経にするということなんでしょうか???

そうすれば、子宮はある程度、活動を停止して、いわゆる休むことはできますよね。

でも、『それって、いいことなのか?』って話。

生きている限り、子宮が休むことなんてないのです。

心臓と同じですね。「心臓、すこししんどそうなので、心臓をちょっと休ませますね」なんていって、心臓止めたらどうなります?

心臓に10分以上、休憩されたら死にます。

子宮だって、ずっと活動してもらわないと逆に健康的で健全な月経リズムが乱れておかしくなります。

やっと漢方薬で整えたの何だったの?って話になります。

子宮や女性ホルモン、月経は『休んだら、余計に悪くなる』のです。

本来は『自然の一定のリズムで休まない』のが最も良い状態なのです

人工的なホルモンは自分の月経リズムを乱す

そもそも、月経リズムはホルモン剤で乱してはいけないのものです。

ここで具体的に考えた時に意味不明なのが、『なぜ、ホルモン量を人工的に増やすと子宮を休ませることになるのか?』その理由です。

自分のホルモンを使わないからでしょうか?

ちなみに自分のホルモンを使わずに人工的なホルモンに身を委ねると、体は自分自身のホルモンリズムを忘れていきます。

西洋医学は、『なんでも良さそうな成分をたくさん補ってあげると良くなる』みたいな単純な考え方でよく治療していますが、人間の体というのはよくできていて、何かのホルモンなどが体内で多くなりすぎると、自動的に減らして、調整しようとする働きがあります。

なぜ、体がこんなシステムになっているかというと、何かの成分が減っても、増えても、自分の丁度良い状態を保つ必要があるからです。

要するに体は日々のバランスで成り立っているのです。

ホルモン剤の効果は誰にも予測がつかない

最近、婦人科の医者が『月経痛をピルで抑えましょう』みたいなことを平気で言ってます。

これには、大きな落とし穴があります。

通常の痛み止めは、痛みを発生させる体内の成分を抑え込むので、ほぼ確実に痛みを抑えることができます。

そのかわり、痛み止めには、作用的に同時に胃粘膜を荒らす効果があります。

ところが、ホルモン剤自体に痛みを止める作用なんてありません。

あくまでホルモンを物理的に付け足すのです。

月経リズムというのは、いろいろな種類の女性ホルモンが絡み合って、一定の月経周期を作り出しています。

更に、そのホルモンの分泌量というのは個人差もあります。

でもね、ホルモン剤は、そんな個人差なんて無視して一定量なのですよ。

そして、ホルモンは「増やせばといい」というものではありません。

さっきの自動でバランスを取るシステムの登場です。

何かのホルモンが増えることによって、違う何かのホルモンを体が自動的に減らそうとするかもしれません。

本来は、本当にホルモン剤で治したかったら、全種類のホルモンのバランスと時期(月経期、排卵期、黄体期)、それに個人差を考えて、治療しないといけないのです。

要するに、毎日ナノグラム単位、人それぞれに合わせてホルモン剤を作るわけです。(今の科学では不可能ですが)

でも実際にはみんな同じホルモン剤を使っています。

月経リズムというのは、ものすごく複雑なホルモンバランスで成り立っているので、人工ホルモンを足したら、『子宮が休む』とか、『月経痛が止まる』ような薬ではありません。

ホルモン剤や薬は良くない変化も引き起こす

医者はよくエビデンスの話をします。

西洋医学の治療は基本的には、エビデンスという科学的根拠が、しっかりした薬などを使って治療します。

医者なのに「怪しいサプリメントを薦めるのが、うまい近所のネズミ講をしているおばちゃん」みたいに『この薬、よかったよー』なんて感じで、説明されても怖いですよね。

でも、エビデンスから考えると『ピルで子宮を休ませる』とか『ピルで月経痛が止まる』なんて説明は、もはや『とんでも医学』的な説明にしか聞こえません。

もしかして、『患者さんに対して、噛み砕いて説明しているつもり』かもしれないですが、薬の化学的な効能効果や作用機序からすると、もはや嘘の説明になっているのです。

こういった説明の仕方って、ホルモン剤に限らず、他の薬でも同じような的外れな説明をしていることが最近、多くなってきています。

西洋医学の薬は、『なんとなく良くしてくれる』メルヘンな薬ではなく、化学的にちゃんと作用が決まっています。

なんでもかんでもえぇ感じに治してくれるわけではありません。

化学的に「良い作用」があって、同時に「悪い作用」もあって、できることは大体、1つの症状を止めることです。

それは、薬の添付文書の『作用機序』『薬効薬理』という欄を読めば、『その効果があったのはネズミと犬や猫だったこと』『副作用で胃が悪くなるメカニズム』なども基礎薬理の知識があるとわかります。

例えば痛み止めの薬の添付文書の中にある薬効薬理に『ネズミの痛みをとめたよ』『プロスタグランジン生合成抑制作用で痛みを止めるよ』と書いてあります。

そして、この『プロスタグランジン生合成抑制作用』が痛みを止めてくれますが、同時に胃の調子が悪くなる作用もあり、胃痛などを引き起こします。

つまり、痛み止めは「痛みを止める作用」と「胃痛を起こす作用」、2つの作用の薬なのです。

ホルモン剤の薬効薬理や作用機序は、もっと複雑でこんな分かりやすい作用になりません。

実質、ホルモンを加えるだけなので、その個人が持っているホルモンバランスでどんな効果になるか、現在の西洋医学の科学力では予想もつかないのです。

ホルモンは単純に成分などだけで、わかるようなものではないのです。

もし、読みこめるなら、これからは「その薬の名前+添付文書」で調べてみて、薬効薬理の欄からメルヘンではない『本当の効果は何なのか?』を調べたほうがいいです。

もしくは、うちに相談してもらったら、添付文書の解説を交えて、メルヘン的に良さそうな作用ではなく、『本来の薬を作った人が書いた冷静なちゃんとした作用』をお伝えします。

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ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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