漢方治療の本当の目的は若さを保つこと
漢方薬というと、病院の治療の補助的な感じで考えられている人が結構います。
実際、うちでは赤ちゃんの湿疹から末期癌(がん)の治療までやっているのですが、それに驚かれたりします。
詳しくはこちらの「漢方薬で治療できる病気」を読んでみてください。
普通は、何か病気になったり、症状に悩まされていたりすると、「病院で治してもらい→ 病院で治らなかったら漢方薬」みたいな感覚があると思いますが、実際は、病院の治療と漢方の治療は、全くの別のものになります。
病院の治療は対症療法
病院の治療は、症状を一時的に抑えるだけの治療です。
わかりやすく言えば、薬の成分で体を騙して、薬を飲んでいる間だけ症状を誤魔化すことを治療としています。
漢方の治療は、体全体の機能を整えて、病気や症状が起こらないようにします。
似ているようですが、全然、違うのですね。
病気の原因は1つではない。
病院の治療は、冷静に考えれば、通ってまで治すようなところではありません。
「骨折した」「インフルエンザにかかった」など、明らかな原因がある場合は、病院の治療は、とても効果的です。
手術したり、殺菌すれば、治るわけですから。
でも、それ以外のほとんどの病気は、実は、原因がわかっていません。
今度、西洋医学の病気の説明の部分をよく読んでみてください。
よく読むと『原因はわからないが…』と書いてあります。
病気は無数の原因が絡み合って起こる
なぜ、病気の原因がわからないのでしょうか?
それは、実際の病気の原因は『何か1つだけで起こっている』わけではないからです。
もう一つの問題は、『人それぞれの原因』なのに、みんな同じ原因で、病気になっていると考えるからです。
実際は、たくさんの原因が絡んでいて、人それぞれなのです。
病院の治療は、「人それぞれの原因」かもしれない病気の原因をみんなに共通している同じ原因として考えるから、おかしくなるのです。
例えば、乳児の湿疹と大人の湿疹は、どちらもアレルギー反応とか、免疫の働きが関わっていますが、原因は乳児は、初めて触れたものや食べたものでアレルギー反応が出ていたりしますが、大人の場合は、食べ物を始め、ストレスや睡眠、女性ならホルモンバランスなどが原因として関わってきます。
漢方の治療の目的は巻き戻していくこと
漢方の治療は、病院の治療とは違います。
漢方は、体の中の、バランスが崩れて、症状や病気が発生すると考えます。
例えば、夏に暑すぎて、熱が体内にこもり、汗をかきすぎて、脱水のような状態になった場合、不要な熱のせいで、のぼせや吐き気などの症状が起こります。
また、脱水状態になると、体内の水の巡りが悪くなり、オシッコが減ったり、下半身はむくんで、喉は渇くといったようなアンバランスな状態が発生します。
漢方薬は、この状態を元の何もなかった安定した状態に戻すことが目的です。
この例では、熱を発散させて、体内の余分な熱のこもりを抜いて、下半身にたまっている水を巡らせます。
また、漢方では、薬を飲むことだけが治療ではなく、原因を治すために『どういった生活をおくるか』
こちらも人それぞれの体質や生活スタイルに合わせて考えることも、漢方薬を飲むことと同じ位、重要な治療です。
漢方が考える健康とは、血の巡りや水の巡り、体内のいろいろなものがバランスがとれている状態ですので、常に漢方薬を使って、バランスのとれている状態に戻すことが、治療となります。
本質的には、治療というよりは、元の状態に戻すということになります。
漢方薬の本来の目的は不老不死
不老不死といっても、漫画やアニメにあるような怪我した部分が再生するとか、永遠の命を持っているというファンタジーなことではありません。
漢方の古典の文献的には、最終的に仙人を目指すというのが漢方薬を使う目的です。
漢方薬を使っての治療は、症状を薬の成分で一時的に止めるわけではなく、体内の不調が小さな間に調整することです。
つまり、チューニングやメンテナンスといった感じ。
病気にまでなると、体内も完全に壊れたところも出てくる可能性もあり、壊れると元には戻せません。
また、一時的に症状だけを止めても、病気の原因は、ほったらかしのままなのです。
漢方薬と生活養生で、常にバランスのとれた元の状態に戻すことが、やがて若返りにもつながります。
漢方治療とは、若返りを利用して、病気や症状を治しているのです。
老化をとめる漢方薬
うちでは、最初の相談された病気が治ってからも、その後も漢方薬を続けておられます。
なぜなら、西洋医学の『病気』という感覚だと、「病気になるか?ならないか?」の2択になりますが、常に体は不調になったり、それを治そうとしていることが実感できるので、日々の調整のために飲まれています。
湿疹や頭痛、月経前の症状などの症状というのは、体内の細かな不調を知らせるために発生しています。
ですので、病気じゃないかもしれないけれど、症状があるということは、体内は何がしか傷ついています。
頭痛が常に続いているということは、常に体は傷ついているとうことです。
例え、小さな傷でも、体にはダメージになります。
逆に小さなものでもダメージがなければ、人間の体も物体なので、乱暴に扱って、傷だらけの物よりも、物としてキレイに長持ちするわけです。
となると若返りは言い過ぎかもしれませんが、漢方薬を飲んだ時点から、『老化をやめる』ともいえます。
専門的にきちんと漢方薬を選ぶ
漢方薬によって、老化をやめることができるのは、病院の薬のように症状を誤魔化せばよいのではありません。
体がバランスよく、気持ちよく機能するから、体にダメージなく、快適にすごせるのです。
ここで気をつけていただきたいのは、病院の漢方薬(特に保険適用)の処方の方法は、人それぞれの体質をみて漢方薬を選ぶわけではなく、まるで漢方薬に症状を一時的に誤魔化せる作用があるかのように勘違いして、マニュアルだけみて、病名と症状を当てはめて処方しています。
これでは、漢方薬は効果を発揮しません。
使い方を間違えているので、老化を止めることができません。
漢方薬は、バイオリンやピアノなどの道具と同じです。
その楽器自体が、良い音を出せても、弾きこなせる能力(体質を判断して最適な漢方薬を選ぶ能力)がなければ、同じ楽器を使っても、ひどい音しか出ません。
病院、漢方薬局、ネット通販、漢方薬は、どこで手に入れても良いと思いますが、弾きこなせる人に選んでもらうか、自分で弾きこなせるまで練習するかしないと効果を発揮しないと思います。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方の歴史:大修館書店
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社
◯ 図説東洋医学(基礎編):学研
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ やさしい中医学入門:東洋学術出版社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ まんが漢方入門:医道の日本社
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