漢方薬相談ブログ

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漢方専門薬局って、本当に漢方の専門家なの?

漢方薬や漢方医学ほど、誤解され、捻じ曲げられて広がっているものは他にはないんじゃないかと思います。

『漢方薬を飲んでみたことがあるけど、効果がよくわからなかった』という印象の人が多いのではないかと思うのですが、実は漢方薬自体の効き目がわかりにくいのではなく、漢方薬を処方する先生の腕が悪いのです。

腕が悪いというか、そもそも漢方薬を漢方薬として扱っていないというか…

ちょっとややこしい言い方ですが。

そもそも漢方薬をまともに扱っていないので、効果を発揮するわけないんですよね。

この業界を何十年と見てきましたが、『本来の漢方治療の方法を実践している病院や漢方薬局』は、残念ながら、ほとんどありません。

ほとんどないどころか、時間が経つほど、本格的に取り組んでいる先生は、どんどん減っている絶望的な状況です。

『漢方専門医』『漢方専門薬局』

看板だけみれば、漢方専門はいくらでもありますが、実際に漢方専門なのか?というとそうじゃなかったりするのですよね。

今回は、そんな漢方業界の漢方のお店の話しをしようと思います。

そして、裏事情を知ってもらって、本来の漢方専門店と偽物漢方専門を見分けてもらったらと思います。

ちなみにこれは完全な私見ですけれど。

なぜか真剣にする気がない漢方専門の店

多分、冒頭からこういう書き方をすると、「おまえはそんなにえらいのか」と言われそうなので、先に言っときますと、僕は漢方の先生としてえらいということなんて思ってません。

でも少なくとも、『漢方薬の効果を最大限引き出し、根本治療を成功させるために本来の伝統的な治療方法を研究している』と言えます。

「なんだ、そんなの漢方専門だったら当たり前だじゃないか!」

その当たり前を誰もやってないのですよ。

では、世間の漢方専門薬局って、どんな感じなのか実際の店舗をモデルに書いていきますね。

よくある漢方専門薬局

今回はよくある、漢方薬とか言いながら、結局、サプリメントを売ってるだけじゃん!というお店の紹介です。

例えば、わかりやすいのは、婦宝当帰膠や小林漢方というところの野牡丹などをよく売っている店などです。

誤解されると困るのですが、婦宝当帰膠や野牡丹がダメなのじゃありません。

品質は知りませんが、悪くないと思います。

でもね。致命的なのは、漢方治療って品質とか成分じゃなくて、その人の体質に合っているかどうかなのです。

もう、これ一択。

漢方薬をサプリメントと誤解してる!?

そして、婦宝当帰膠や野牡丹を売っている薬局にありがちなのが、成分や効果が重要だと勘違いしているところ。

漢方薬は『血をサラサラにする』という効果で飲むものじゃありません。

成分や効果がどうたらこうたらというのは、サプリメントです。

漢方薬というのは、成分にあたる生薬の比率が決まっていて、しかも、その漢方薬はどんな体質の人に飲んでもらうのか、厳しい条件が決まっています。

例えば、婦宝当帰膠は中身をみると、よく漢方薬局の先生が、「当帰芍薬散に近いけれど、婦宝当帰膠の方が当帰が多い」みたいなことを言ってますが、意味不明。

そもそも、当帰芍薬散は当帰という生薬が主人公の薬ではなく、白朮、茯苓、澤瀉という水の巡りを整える治療の方向性が主人公なのです。

婦宝当帰膠の中身を漢方的にみると、『一体、どんな体質に良いのか』が、よくわからないというのが、僕の意見です。

漢方薬には、その漢方薬が合う条件が設定されている

漢方薬は、『その漢方薬はどんな体質の人が飲むべきか』、病気の原因や症状が設定されています。

例えば、当帰芍薬散は、水の滞りがある「水滞の証」、血が不足している『血虚の証』、熱の関わりが少ないタイプの血の巡りが悪い『陰の瘀血の証』、疲れやすかったり、あまり食べるタイプでない『虚証』の体質の人に合わせるものです。

漢方薬は、こうやって、常にその漢方薬に設定されている病気の原因、体質の要素と患者さんの体質の要素を合わせるのです。

漢方薬を選ぶ場合に重要なのは、効果のありそうな生薬が入っているかどうかではなく、『漢方薬ごとに設定されている条件とあなたの体質が合っているかどうか?』です。

昔からある漢方薬には、すべて、この細かな設定がありますが、婦宝当帰膠や野牡丹などは、伝統的な漢方薬ではなく、会社が考えたオリジナルか何かだと思うので、『どんな体質の人が婦宝当帰膠が合うのか?』という漢方的な設定がありません。

あるのは、サプリメントみたなノリの「当帰は血を増やして温める」とか「だから冷え性の女性にいい」とか「更年期の人にいい」とか、それ、誰がいいって言ったの?というような、フワッフワした感じの条件なのです。

漢方薬の条件とあなたの体質の条件が合うかどうか

通常は、あなたの更年期や月経不順、冷え性が、『水滞の証』『血虚の証』『陰の瘀血の証』『虚証』であれば、当帰芍薬散が合うし、あなたの体質や病気の原因である証の条件が、これでなければ、当帰芍薬散以外の漢方薬を探すしかありません。

そうやって自分の原因だけに合った漢方薬を探します。

これ系の漢方薬?をすすめるところって、数百種類の漢方薬の中から、あなたのために選んでいるのではなく、ハナから、更年期や冷え性だったら、婦宝当帰膠を売る気まんまんなのです。

だから、その店に来てる女性には、大体、同じものを売っていたりします。

でも、漢方薬は、『冷えてるなら当帰が入ってる漢方薬を飲めばいい』というような、そんなサプリメントなノリのものではありません。

冷えでも、更年期障害でも、人によって原因(証)が違い、婦宝当帰膠で治る人もいれば、当帰芍薬散で治る人もいれば、桂枝茯苓丸で治る人もいます。

冷えだけでも40種類くらいの漢方薬(つまり40タイプ以上の体質)から選びます。

詳しくは冷え症で使う漢方薬「その漢方薬、合っているでしょうか?」を読んでみてください。

サプリメントノリの漢方薬の困ったところ

こういったサプリメントノリの漢方薬の困ったところは、本来の漢方薬の詳細な体質設定がないので、それで効かなかった時に、『なぜ、治らなかったのか?』その理由がわかりません。

例えば当帰芍薬散なら『水滞の証』『血虚の証』『陰の瘀血の証』『虚証』の体質で、大きく捉えたら、冷えの原因が、水の巡りの悪さと血の不足と考えられますが、これで治らない場合は、血の巡りの悪さかもしれない。少なくとも、当帰芍薬散で設定されている条件の原因ではないとわかり、違う漢方薬に変更します。

でも、体質設定がないので、そのまま続けるか、新たな漢方風サプリメントかサプリメントそのものを増やしていくくらいしか対応ができないのです。

漢方薬は、本来は、できるだけ1種類の漢方薬に絞って選びます。

なぜなら、症状ごとに抑えるものではなく、1種類の漢方薬で、体質全体を治すものだからです。

自分の体質(証)の説明がなく、やたら、「温めてくれますよ〜」とか「血を増やしてくれますよ〜」みたいな、ざっくりした説明しかない場合は、漢方の体質のことや治療方法のことは知らないんじゃないかを思ってもラテも差し支えないと思います。

その先生は、ネット界隈にもよくいるただのサプリ屋さんですね。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ 平成薬証論:メディカルユーコン
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅠ:薬局新聞社刊
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅡ:薬局新聞社刊
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅢ:薬局新聞社刊

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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