漢方薬相談ブログ

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膵炎の漢方治療体験例

病名・病気・症状

病院で診断された病名や今、悩んでいる症状など。

  • 慢性膵炎(病院で診断された病名)
  • 膵石(病院で診断された病名)
  • 5、6年前に大きな膵炎の発作を起こす。

体全体の状態

全身の状態から特にチェックすべき症状。

  • 顔が赤い。
  • 目がかゆみやすい。
  • 寝つきが悪い。
  • 頭痛。
  • 左肩のコリがひどい。痛い時もある。
  • のぼせやすい。
  • オシッコの回数が少ない。
  • 1日おきに夜中のオシッコがある。
  • イライラしやすい。

年齢・性別・お住まい

50歳、男性、大阪府堺市

病気の期間

6年前に強い膵炎の発作が起こり、救急車で運ばれ、膵炎だと発覚する。

当店での治療結果

漢方薬は、体質に合わせて選びますが、『体質と合っているのかどうか?』『ちゃんと効果があったのかどうか?』は、漢方薬を飲んだ後の変化を確認することによってわかります。

今回は、症状が少なく、発作は、しょっちゅう起こっているわけではなく、発作が起こらないようにすることが目的だったので、何の変化を確認していくかが課題でしたが、膵臓の炎症の指標となるアミラーゼを定期的に検査しておられたので、それを漢方薬が効いているかどうかの指標にしました。

選んだ漢方薬は、熱(炎症)を鎮めるものと、肝臓の不要な熱を抑え、同時に肝臓周辺の臓器の熱を鎮めるものの2種類の漢方薬を合わせて飲んでもらいました。

症状的には顔の赤みがとれ、寝つきの悪さがなくなりました。

2ヶ月目からアミラーゼが225から180へと減りました。

その後、アミラーゼは180→145→124と減っていき、今はこの数値あたりで、安定しています。

発作が起きるかどうかというのは、誰にもわかりませんが、数値が普通になったということは、ひとまず、発作が起こる心配はないかと思います。

当店で相談する前の病院の治療と問題点

病院からはカモスタットを処方され、服用していました。

カモスタットメシル酸塩

この薬は、膵臓の酵素の分泌を阻害しますが、酵素の分泌を阻害するだけなので、膵臓自体が炎症している原因を治してくれるわけではありません。

こちらの薬は年単位で飲んでいましたが、膵臓の炎症の指標となるアミラーゼは、全く下がっていません。

また、病院でよくあるパターンですが、病名マニュアルを見て、柴胡桂枝湯を処方され、飲んでいました。

医者によくある『体質なんて何一つ調べず』マニュアルだけみて漢方薬を処方していたのですが、カモスタットと合わせて、こちらも何の役にも立っていません。

柴胡桂枝湯の話は、こちらを読んで見てください。→「膵炎に効く漢方薬ってあると思います?」

当店で判断した証(体質)と治療方針

上半身である上焦に不要な熱がこもっている【上焦の熱証】があり、
肝臓の気の滞りと熱の滞りの状態である【肝気鬱滞の証】と【肝熱の証】、その影響を受けてみぞおち、胸周辺に熱がこもる【胸脇熱の証】と判断しました。

強い熱のこもりを鎮めて、肝臓の熱と血を巡らせ、膵臓周辺の熱をとっていくという方針にしました。

症状が、いろいろとあれば、大体4週ごとに漢方薬を変更していくのですが、目立って症状があるわけではなく、膵臓の炎症を鎮めていくのに、ある程度の期間が必要だと考えたので、漢方薬はあえて変更していません。

治療経過

※当店は毎回、全身の状態の変化をお聞きしますが、ある程度の期間、治療された方は最初の1ヶ月目までは詳しく書いていますが、それ以降は、ポイントだけに絞って書いています。

漢方治療は、『ある病気がいつか治る』なんて、治り方はしません。

常に分析した体質に対して漢方薬が合っているのか?

効果があったのか?を観察していかないといけないのですが、今回の場合、月を追うごとにアミラーゼの数値が良くなっていき、検査をしている主治医からも、「今の状態なら膵炎の発作の心配はない」と言われているので、月ごとの変化は割愛します。

225以上あった、アミラーゼが半年で145になりました。

治療経過まとめ

病院や大体の漢方薬局は、『膵炎に柴胡桂枝湯』なんて安易にマニュアルだけみて選びますが、やはり、漢方薬はどんな病気であっても全身の状態から体質を分析し、自分の治療経験から、病名ではなく、その人だけに対して漢方薬を選んだいけないのだなと新ためて思った治療経験でした。

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ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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