漢方薬相談ブログ

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咳止めの漢方薬(咳、喘息、気管支炎に効く漢方薬)の解説

病院の薬は基本、咳を止めるか、気管支を広げるか位の処方しかないので、いくら飲み続けても根本的には治りませんよね。

そこで、漢方薬なら根本的な治療になるんじゃないと漢方薬を求める人がいらっしゃいます。

自然薬で飲み続けられる漢方薬で根本的に治ったら、こんな良いことはないですね。

確かに漢方薬なら、根本的に咳や喘息、気管支炎が治ります。

でも、『漢方薬だったら何を飲んでも根本的に治る!』ってわけじゃないのです。

ちゃんと治るように咳や気管支に効く漢方薬を選ばないと治りません。

病名や症状で選んでも治らない

何かの方薬を選ぼうと思ったら、病名が書いてあったり、症状が書いてあったりして、それを当てはめて漢方薬を選んだりしますよね。

ツムラなどの保険適用の漢方薬を処方している医者や大体の漢方薬局はメーカーさんから貰ったマニュアルの病名欄や症状欄をみて、そこに書いてある漢方薬を選びます。

でもね、これは本来の漢方の医学理論からいくと、とんでもないデタラメな方法なのですよ。

ドラッグで売っている漢方薬の箱の裏とか、ネットによく書いてある漢方薬ごとに書いてある病名や症状も、それを治す効果の漢方薬という意味じゃないのです。

ですので、病名や症状を当てはめて漢方薬を選んだって効きません

咳や気管支炎を治す漢方薬を選ぶポイント

今回のポイントです。

1 咳や気管支炎を治す漢方薬の紹介。

2 漢方独特の見方!同じ病気でも漢方的には原因が異なる。

3 単に書いてある症状が治るわけじゃない。

咳止めの漢方薬

もったいぶらないで、咳や気管支炎に効く漢方薬を紹介します。

【咳や喘息、気管支炎でよく使用される漢方薬】
麻黄湯、桂麻各半湯、桂枝二麻黄一湯、桂枝加厚朴杏仁湯、麦門冬湯、清肺湯、滋陰降火湯、竹筎温胆湯、麻杏甘石湯、五虎湯、神秘湯、越婢半夏湯、華蓋散、木防已湯、大柴胡湯、四逆散、小柴胡湯、柴朴湯、柴胡桂枝湯、柴胡桂枝乾姜湯、参蘇飲、人参養栄湯、麻黄附子細辛湯、苓甘姜味辛夏仁湯、真附湯、半夏厚朴湯、炙甘草湯、大青竜、小青竜湯、桂枝茯苓丸、桃核承気湯、補中益気湯、茯苓甘草湯、人参湯、小建中湯、八味丸、五苓散、当帰芍薬散、芍薬甘草湯など

ざっと39種類。

これらは、全部、『咳や気喘息、管支炎に効く漢方薬』です。

「えーっ、でも病院jは、いっつも小青竜湯しか出さないよ」とか、「ネットでは麻杏甘石湯がいいって書いてた」というのがあるかもしれないですが、それは、その人の『体質』を分析せずに勝手に、その漢方薬で治るかのように、それっぽく説明しているだけ。

漢方薬は、性別、年齢、急性なのか慢性なのか、その咳がどれくらい続いているのか、他の病気、全身の症状、全身の状態、住んでいる環境などなどを考えていくと、同じ咳でも人それぞ体質、状態、原因が違ってきて、それぞれに合わせて、上にあるような漢方薬から最適なものを選びます。

咳止めの漢方薬なんてない!

タイトルがややこしいですが、『咳』という症状に効く漢方薬はありません。

それは西洋医学の考え方を無理やり東洋医学の漢方薬に当てはめた考え方。

だから、西洋医学の病名や症状のマニュアルだけみて、東洋医学の漢方薬を選んでいる病院の処方はデタラメな方法と言えるのです。

漢方は、体質を分析して、その体質に合わせて選びます。

例えば、『麻杏甘石湯』は、急性の咳や気管支炎、喘息の発作時に使うことが多いです。

どんな人に合うかというと、咳が出るときに熱感と顔が赤くなるような喉や胸に熱がこもっている『上焦の熱証』という原因と、胸の気持ち悪さや顔のむくみがある『肺の水毒の証』がある人です。

他の咳で使う漢方薬との違いは、薬性がきついので、咳の初期に短期間だけ使います。

逆に慢性的な喘息などで長々と飲ませるものではありません。

代わって『人参湯』は、咳や喘息、気管支炎が慢性的に長引いて、咳なども激しくないが、喉に痰がひっかか、弱い咳がしょっちゅうある『虚証』があり、胃もたれや冷えると軟便になりやすい『寒証による脾虚の証』があり咳の後にグッタリ疲れるようなに合わせるものです。

病院の薬は、『咳→咳止めのムコソルバン』と単に症状を一時的に止めるだけなので、こんな単純な選び方になります。

そして、病院や世間一般の漢方薬は、これと同じ西洋医学の考え方で咳止めの漢方薬を紹介しているのです。

でも、漢方薬は『咳という症状を止める効果』ではなく『咳につながる原因を治して咳をなくす』ことが目的なので、全身から咳を起こしている原因を分析しなくちゃ、漢方薬が選べないのです。

漢方薬も咳を止める効果の理由が必要

当たり前ですが、咳を止める漢方薬にも咳を止めるエビデンス(科学的なものではないですが)が必要です。

ネットをみれば、水がどうとか、熱がどうとか書いてありますが、麻杏甘石湯の効果がどうのこうのではなく、『あなた自身の咳の原因は何ですか?』ということです。

漢方では『咳』も人それぞれ原因が違ってくるのです。

その人それぞれ異なる原因を『証』というのですが、証に合わせて、漢方薬を選ぶのですね。

体質(証)を分析しないで漢方薬を選んだ場合

当然、医者も一般の方も体質なんて分析できませんよね。

となるとやっぱり、ネットなどで咳止めとして良く紹介されている漢方薬や、説明のうまい漢方薬を飲んじゃうかもしれません。

これは、かなり気をつけないといけません

なぜなら、漢方薬は、『体質(証)と合っていなければ副作用となる』からです。

これを誤治といいます。

よかったら、こちらを読んでみてください。→漢方薬の副作用が病院の薬より怖い理由

全身の状態を調べずに単に咳止めとして漢方薬を飲む場合は、当然、体質なんて分析していないので、厳密には合っているかどうかもわからないものを飲むわけです。

良くなるか?悪くなるか?は次第。

ちなみに嫁さんは昔、とある漢方薬局に出してもらった漢方薬で咳が余計にひどくなって、呼吸困難になり救急車で運ばれました。

飲んでた漢方薬は麻黄附子細辛湯!

これ、毒薬であるトリカブトが入っているので要注意!の漢方薬なのです。

一応、体質を分析してもらったのですが、分析が甘かったのでしょうね。

当時は、僕はまだ勉強中でした。

ですので、どうしても全身からの体質分析をせずに軽いノリで漢方薬を飲みたいなら、1ヶ月経っても、症状が治らない場合は、その漢方薬はキッパリやめたほうが無難です。

ということで、「この漢方薬だったら、誰の咳でも治る!」というどん体質でも治せる万能な咳止めは漢方薬の中にはありません。

自分に合ったものを選びましょう。

●咳、喘息、気管支炎などでお悩みの方は、こちらの 「漢方無料相談する」 から送信してください。

●お問い合わせは、こちら から送信してください。

【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯ オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ 平成薬証論:メディカルユーコン
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅠ:薬局新聞社刊
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅡ:薬局新聞社刊
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅢ:薬局新聞社刊

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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