漢方薬相談ブログ

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自分の症状を当てはめて漢方薬を選んでも治らない(症状漢方)

病院や漢方の治療理論をよくわかっていない漢方薬局では、漢方薬を西洋医学の薬と同じように考えて、1つの症状に対して1つの漢方薬を当てはめて選んだりします。

「めまいに苓桂朮甘湯」とか「にきびに十味敗毒湯」などですね。

症状だけで漢方薬を合わせた場合、患者さんが症状を訴えた数だけ処方される漢方薬が増えていくか、症状の分だけ漢方薬が必要になります。

漢方薬は、その中身を詳しくみると1つの漢方薬に平均で8つ以上の生薬が含まれますので、これを病院の薬に置き換えて考えてみると1種類の漢方薬の中に8つの薬があるようなものです。

「頭痛に対しては五苓散」「手足の冷えに対しては真附湯」など1つの症状に対して1つずつの漢方薬を処方していくケースを考えた場合、「頭痛」と「冷え」という2つの症状に対して、五苓散の5つの生薬、真附湯の5つの生薬となり、たった2つの症状を治すために合計10種類の薬を処方したことになります。

こうなると病院の薬よりも漢方薬の方が薬(生薬)の数が多すぎて、どの薬が効いているのか? わからなくなり、漢方薬は体質と合っていなければ、副作用を起こす可能性がありますので漢方薬の種類が増えるということは、それだけ副作用に見舞われる可能性も高くなります。

病院の薬であれば、頭痛という1つの症状を治すためだけに、さすがに10種類も薬を処方はしません。

漢方薬が「頭痛」と「冷え」という症状を治すためだけに10種類もの生薬という薬が必要なのであれば、あまりに非効率ですよね。

本当は、たった1つの症状を治すために漢方薬を1種類まるまるなんて、使うわけがないのです。

ちなみに10種類の生薬は、それぞれバラバラの効果があります。

「漢方薬」は1種類の効果の薬ではないということに関して、詳しくは→漢方薬を構成しているのは生薬という薬を参考にしてみてください。

全身の症状を総合的に診断せずに「頭痛」「めまい」「にきび」など1つの症状だけを当てはめて漢方薬を飲んでいる人は、それでは治療がただの運まかせで治ることはありませんので、ぜひ続きを読んでみてください。

症状は体質を分析するデータの1つにすぎない

では漢方薬は一度に、複数の症状を治してくれる便利なものでしょうか?

漢方薬であれば、複数の症状を一度に治してくれるというものでもありません。

漢方薬の箱などに『効能効果』ということで、いくつかの症状が書いてありますが、あれは書いてある症状を全部、治してくる効果があるわけではなく『書いてある症状があてはまれば飲んでいい漢方薬』というわけでもありません。

漢方における『症状』とは症状をあてはめて、漢方薬を選べるようにしている条件ではなく、症状から『体質』である『証』を分析診断するための単なる手がかりの1つなのです。

漢方薬は、人それぞれの体質に合わせるようになっていますので、何百種類もあります。

人間の体の症状と言ったって、実はそれほど、あるわけではありません。

イメージしてみてください。

上から順に頭痛、耳鳴り、足の冷え…と、しかも、『漢方薬の効能効果の欄』には大体、どの漢方薬にも書かれているよく似た症状が書かれていたりします。

大体、女性であれば、頭痛、肩こり、足の冷え、PMSなんて症状は、大概の人があてはまると思いますが、「当帰芍薬散」か「温経湯」などには、どちらも同じような症状が書いてあります。

だったら、「どっちを飲んでも一緒なのか?」ということになりますが、それが通るのだったら、漢方薬にあれほどの種類は必要ないですよね。

漢方薬の効能効果については、こちらの →漢方薬の「効能効果」の説明を参考にしても意味がない!? を参考にしてみてください。

漢方薬は症状全部を治してくれる

漢方薬は基本的に1種類の漢方薬で、全身の様々な症状を治してくれます。

なんだか、さきほどまでの話と矛盾しますね。

なぜ、様々な症状が一度に治せるかというと、病院の薬のように症状自体を抑制したり、なくしたりすることが目的ではなく、症状の元となる問題治すからです。

症状というのは、自分の体に嫌がらせをするために発生しているのではありません。

体内の消化や代謝などの生きるための活動に不具合が起きて、その不具合を知らせるために症状が発生します。

皮膚が切ったり、骨が折れたりすると「痛み」が発生しますが、これは「痛がらせをしてやろう」と発生させたわけではなく、切れたり折れた部分を気づかせて、そこを保護したり、使わないように仕向けて自然治癒を促すため症状が発生するのです。

これは切り傷や骨折に限らず、頭痛や耳鳴り、月経不順など、いろいろな症状は、その不調を知らせて早く効率よく治すように仕向けるために発生させているのです。

ですから、病院の薬のように症状を無くしても問題の先送りをしているだけで、何の根本的な解決にもなりません。

痛み止めが、ただの「一時しのぎ」だったり、ステロイドをずっと塗り続けないといけなかったりするのはそのためです。

漢方薬では体質(証)を調整するので、体内のシステムの不調を調整した結果、その不調に関わっていた症状は全てなくなります。

そもそも、漢方薬は、病院の薬のように『ある症状だけを抑制したり、なくしたりする』ようには考えられていないのです。

漢方の医学理論は西洋医学ではなく、東洋医学理論を基本とした医学ですので、西洋医学の病名は何の関係なく、症状に対する考えも一般的な考えとは違うのですね。

漢方では「何かの症状があるか? ないか?」ではなく、『その症状が、どんな体質を表しているのか?何が原因なのか?』体全体の症状や状態と合わせて考えないと自分の体質にとって効果のある漢方薬を選ぶことは決してできません。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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