漢方薬を飲み続けて根本治療につながらない人の特徴
漢方薬は体質に合わせて選びます。
保険適用の漢方薬を処方している大半の医者は、漢方の治療理論のことはわからないので西洋医学の病名で漢方薬が選べるようになっているマニュアルをみて処方します。
当然、こんな歪んだルールで選んだ漢方薬を続けても治りません。
良くなるかどうかは、単なる『運』です。
患者さんの問題というよりも、『大前提として体質に合わせて選んでいない漢方薬なんて意味がない!』ということですね。
こんな漢方薬は飲み続けても治らないのは当たり前ですが、漢方治療本来の本格的に体質を分析してもらって、その体質(証といいます)に合わせた漢方薬を選ぶ先生に出会ったとしても治らない人もいます。
長年、いろいろな病気の方の漢方相談をしてきて、漢方薬を飲んでも根本的に治らない人には共通の特徴があることがわかってきました。
今回は、漢方薬を使っての根本治療に向いていない人の特徴を紹介したいと思います。
詳細な問診表
先日、おばあさんが、ふいにうちに相談に来られました。
先約の方の相談があり、その方は近所の方だったので、とりあえず相談に必須のうちの体質判断表(問診表)を書いてきて、また後で来てもらえませんかと問診表をお渡ししました。
4時間後くらいに再び、うちに来られて「やっぱりいいです」と問診表も返されました。
実はこのパターン、うちでは高齢者の方でよくあるパターンなのです。
真意はわからないですが、このパータンの方って、店頭に来て、いきなりまくしたてるように自分の症状を訴え始めることが多いです。
なぜ、「やっぱりいいです」となったかというと、問診表に一杯、いろいろと書かないといけないから面倒くさかったのだと思います。
うちの問診表は全身50項目、250箇所、チェックする問診表です。
問診表はこれです→漢方薬のご相談
(店頭も一緒です)
めっちゃ早く書けても15分はかかります。
長いと30分以上かかる人もいます。
誰だって、こんな長い問診表は面倒くさいですよね。
でもここが、『根本治療が成功するかどうかの分かれ目』なんですよ。
そして、この問診表にじっくりと向かい合わないと漢方薬で根本的に治すことはできないのです。
実は病院の薬は根本治療になってない
病院の薬は実は治療をしているのではなく、症状を一定時間、ごまかしているだけのものです。
なので、極端に言えば、その人が不快に思っている症状さえ聞き出せば薬が出せます。
だって頭痛なら鎮痛剤、喘息なら咳止め、痰切り、アトピーならステロイドですよね。
実際、病院って3分診療で症状を聞いてるだけでしょ。
頭痛なら頭痛を一定時間、止めるだけの鎮痛剤。
アトピーならかゆみと湿疹を一定時間、抑えるだけのステロイド。
めまいなら中枢神経に働きかけて一定時間、めまいが発生しにくくします。
どれも症状そのものを抑えたり、止めるだけ。
ところが症状というのは、そもそも体の中の何かの不調を知らせるために発生しているので、確かに症状は辛いですが、症状を止めたからといって体は根本的には治りません。
例えば、骨折すると痛みが発生しますが、病院では鎮痛剤くらいしか治療としてやることがありません。
この時に痛みは辛いですが、痛みをいくら抑えたところで、骨は1mmも修復が高まるわけではありません。
それどころか、安静にしなきゃ治らないのに痛みが緩和されるから、無駄に動かしちゃったりします。
医者が出す鎮痛剤は根本治療になっていませんが、看護師さんがやってくれる添木や患部の固定化、リハビリは根本治療につながっています。
皮肉な話ですが、医者のやっていることが一番、根本治療から遠いのです。
漢方薬の根本治療
漢方は、症状を抑えることが目的ではなく、症状から体の不調の原因を分析します。
例えば、骨折の場合、骨の根本治療を促すために、「水の巡りをフォローしたほうがいいのか?」「血の巡りをフォローしたほうがいいのか?」「修復するための栄養素を作り出す消化器をフォローしたほうがいいのか?」その人の体質によって治療法(漢方薬)を選びます。
骨の修復を高めることによって、当然、痛みも少なくなっていきますが、漢方はあくまで根本治療を促して、その結果、症状もなくなっていくのです。
ちょっとした違いですが、症状だけを一定時間、抑えるだけの病院の薬とは全然、違うものです。
ちなみに漢方薬でも速攻で『痛み』を抑えることはできますが、即効で症状を抑えるだけでも「筋肉を緩めるほうがいいのか?」「炎症熱をとったほうがいいのか?」「水の巡りを促したほうがいいのか?」など『元の体質』、『怪我してからの経過日数』、『厳密な患部の状態の違い』などによって選ぶ漢方薬も変わってきます。
こんな話になると、頭が単純な人は、じゃあ、病院の薬みたいにどれもを飲めばいいじゃん!って単純に考えたりしますが、漢方薬はその1つ1つが絶妙なバランスでできていて、体全体を調整しながら、その患部を治していくので、複数の漢方薬を同時に飲むとどれも効果がぼやけて効きません。
急性病だろうと慢性病だろうと、『その人に合った唯一の漢方薬』を選ぶ必要があるのです。
症状と原因は別のもの
ある病気の原因は、症状のことではありません。
例えば、ステロイド剤はかゆみを抑えてくれますが、「かゆみ」が湿疹を発生させている原因ではないのです。
また湿疹の根本的な原因は炎症ではありません、
それは『湿疹ができた結果』であって、湿疹ができた原因はもっと深くにあるわけです。
人それぞれですが、原因は甘いもののとりすぎや睡眠不足、腸の問題、血や水の巡りの問題、肝臓の熱の問題など、漢方的には人それぞれ、いろいろ原因が考えられます。
漢方はこの原因を調べて最適な漢方薬を選びますが、この原因は人によって違うので、同じアトピーでも無数に原因が考えられます。
だから、かなり詳しくその人の体のことを調べなければ、根本的には治せないのです。
漢方薬を飲んでも根本治療にならない人
話がそれたっぽくなりましたが、うちで相談があった場合、2つのパターンにわかれます。
たくさん書かないといけない問診表を見て、「こんなに詳しく相談にのってくれるのか」と思う人と、「うわぁー面倒くさい」と思う人。
記事冒頭に出てきた人は、多分、後者の「面倒くさい」と考えるタイプの人。
(病院慣れしている高齢者や病気好きにめっちゃ多い!)
だから問診表を返してきて「やっぱりいいです」ってなったのだと思います。
この方、もしかしたら今度は、病院みたいにちょっと話しただけで、「はい、この漢方薬どうぞ」という漢方薬局や病院を探すかもしれません。
実際、口頭で話しただけで漢方薬やサプリメントを出してくれる漢方薬局や病院はたくさんあると思います。
それだったら随分、簡単でストレスもないですよね。
でもそれって『簡単でいい感じなだけ』で治るかどうかとは、別の話なんです。
漢方薬は何百種類もあります。
この何百種類もあるのは人それぞれの体質に合わせるため。
アトピーやめまいなどでも人によって原因がわかれ、大体、40パータンの原因や体質にわかれます。
40パターン!です。
チョコチョコっと話して、その人の体のことを詳しく知りもしないで分析できると思います?
要するに詳しい問診がないというのは、確かに互いに楽ですが、『治療精度としては下の下』
『いつまで経っても根本的に治らない自己満足』に終わるわけです。
僕の経験からすると今回の問診表のことに限らず、病気の最大の原因は『面倒くさがり』かもしれません。
治療に限らず、どんな問題も手間ひまを惜しむと解決や成功にはつながらないのです。
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◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社
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