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葉酸のサプリって本当に不妊症に効果あるの?(サプリはなぜ無駄なのか)

葉酸のサプリって本当に不妊症に効果あるの?(サプリはなぜ無駄なのか)

  1. 葉酸どころかサプリが無駄!
  2. 葉酸の本当の効果
  3. 必要な栄養素の種類や量は人によって違います
  4. 不妊症に原因はない
  5. 葉酸が含まれる食べ物
  6. 葉酸のこと(まとめ)

不妊症に効果があると言われている葉酸のサプリって本当に効果があるのでしょうか?

効果があるか?ないか?で言えば、ないこともないでしょうけれど、それだったら、葉酸に限らず、すべてのビタミンやミネラルは、何かしら効果があるので、食べ物全部が体にはどれも必要なはずですよね。

本当の答えは不妊治療として『特に(葉酸)が本当に必要なのか?』を知る必要があります。

僕は漢方の考えからいけば葉酸どころか、サプリは無駄であり、有害な場合もあると考えています。

その理由は「漢方家だから東洋医学が好きなので」なんていうような理由ではありません。

その根拠を説明したいと思います。

葉酸どころかサプリが無駄!

なぜ、僕がサプリのことを無駄だと言えるのか?

それは、かつて、漢方相談のお店をする前はサプリと生薬を扱う会社で営業をしていたからです。

サプリの原料を中国から仕入れて、パッケージをデザインし、安全性の試験をして、売るための研究資料を集めて、宣伝文句を考え、ポスターをつくり、しかもそれを相談専門の漢方薬局などに売るという一連の作業を全部、経験しています。

なので、サプリのことやサプリを販売する薬局やネット通販の裏の裏まで知り尽くしています。

実は昔は、サプリを売る仕事だったので、自分でサプリを飲むのも好きだったし、僕自身がサプリの大ファン!でした。

しかし、それも漢方を勉強してからは、一切、飲まなくなりました。

その転機となったのは、うちの嫁さん(当時の彼女)がニキビともアトピーともつかない、ひどい湿疹になった時に何件かの有名な相談薬局や漢方薬局で相談したことです。

その時に月3、4万円ほどのサプリを飲んで治そうとしましが、「おしっこの出が良くなったり」「寝起きが少し楽になったり」はしましたが、肝心の湿疹は1mmも変わらなかったのです。

当時、漢方を知らず、西洋医学こそ最強!!と信じていたので、外科医の師匠と『体内のメカニズム的にどんなビタミンやミネラルや生薬があれば、治るのか?』なんて考えて、サプリや漢方風サプリメントを飲んでいましたが、それも全く効果がなかったのです。

このあと漢方に出会って、3ヶ月で湿疹はキレイに治るのですが、要は十何年とサプリに関わってきましたが、サプリがいかに机上の空論なのかを実体験をもって思い知りました。

詳しくはコチラ『大人ニキビ』を漢方薬で完治させる。

葉酸の本当の効果

葉酸はビタミンB群の一種ですね。

最初は、ほうれん草の葉から発見されています。

葉酸の効果はDNAの合成に関わっています。

血球の合成にも関係しています。

そして、「葉酸がいい!」という話は、もともとはヨーロッパで「先天性異常の二分脊椎の発症リスクが葉酸の摂取によって抑えることができる」というところから始まっています。

サプリ業界は、効果のこじつけが大好き!な業界なので、この最初は何から始まったのかは重要です。

もともとは「妊婦さんの胎児に先天障害が起こらないように葉酸を摂りましょう」となったわけです。

それを更にこじつけて不妊症には葉酸が効くみたいな嘘っぽい効果につながるわけです。

実際に妊娠継続や授乳時には血を消耗し栄養素も消耗しますので、妊婦さんは摂ってもいいかもしれませんが、現代でそんな栄養不足になるか1?という感じもしないでもないです。

また葉酸はビタミンB12と一緒に貧血の改善にも役立ちます。

しかし、『不妊症になぜ葉酸が必要なのか?なぜ効果があるのか?』その科学的な根拠は一切、ありません。

多分、DNAの合成に関わる効果だから、受胎後の分裂に良いとかなんとか、そんな栄養学得意のこじつけから葉酸は不妊症に良いとされているのでしょう。

wikiの葉酸に関してのおもしろい部分があるのですが、葉酸不足はガンにつながるけれど、『サプリメントで葉酸を摂った場合』は、ガンはより悪くなるとのこと。

ある研究ではサプリメントから摂るよりも食事からのみ摂取するほうが良いとも報告されています。

要は、サプリより、ほうれん草を食べてるほうが断然、いい!ってことです。

必要な栄養素の種類や量は人によって違います

ビタミン、ミネラルは体内で必要なものですが、多ければ、それはそれで有害です。

例えばカルシウムは骨粗鬆症を改善するための骨の原料の1つになりますが、尿管結石などの原料にもなるし、高血圧の原因の1つである血管の収縮など、他にもいろいろなダメなことにも関わっています。

人体は、必要な栄養素が不足してもダメですが、多くてもダメなのです。

要は『その人にとっての丁度』が重要なのです。

また、ビタミン、ミネラルは単独で働きません。

葉酸も血を作る場合はビタミン12と一緒に働くしビタミン12はまた他の酵素や他の要因で減ったりします。

厚生省は1日400µg(0.4mg)の摂取を推奨していますが、ここには個人差は計算されていません。

『その人が本当に不足しているのか?』は誰にもわからないわけです。

もっと、問題なのは不妊症の原因の問題です。

不妊症に原因はない

『そもそもの不妊症の原因を考えてみましょう。』

見逃してはいけない問題は不妊症は葉酸不足から起こっているのでしょうか?

貧血が原因でしょうか?

もちろん、はっきりと貧血の病気だったら、治したほうがいいですね。

でも、不妊症にはっきりした原因はありません。

人それぞれの問題なのです。

残念ながら、決定的な『不妊症の原因』というものはなく、人それぞれの体質や生活の中にいくつもの原因があり、その絡み合ったたくさんの原因が『赤ちゃんを授かるまでの力が足りない』状態にしています。

少なくとも、飽食の国である日本で栄養不足が、一番関係あるとは思いません。

もし、葉酸などの栄養素不足なら、むしろ、その食生活自体を見直さないと葉酸だけの問題ではなく、他のあらゆる人体にとって必要な栄養素が不足しているはずなので、それだったら流行の葉酸だけを摂ってる場合じゃありません。

どうしてもサプリを飲みたいなら、かなりの種類のサプリを飲んだほうがいいです。

でも『不妊症の原因』『人それぞれの体質と生活環境やリズム』の中にあるので、葉酸だけ摂るなら、食生活全体を見直したほうが、ある種、赤ちゃんを授かる近道です。

葉酸が含まれる食べ物

食べものから葉酸を実際に取り入れやすいのは、焼きのり枝豆納豆鶏肉わかめほうれん草ブロッコリーしいたけエリンギごま、です。

多く含まれる食品は、以下のものです。

たたみいわし、レバーペースト、うに、ほたて、パセリ、モロヘイヤ、かぼちゃ、いちご、みかん、バナナ、キュウイ、アボガド、抹茶など

葉酸に限らず、食べ物は体をつくる基本ですので、不妊症で悩んでおられる方は、手軽にサプリメントで補充しようとせずに、料理をきちんとするだけで、赤ちゃんが向こうからやってくる可能性は高くなります。

うちで指導しているのは『良いものを摂る前に悪いものをいれないこと』

添加物の多く含まれるお菓子や菓子パン、コンビニの弁当、惣菜、ジュースなど。

要は手軽なものは便利なだけ体には悪いのです。

我慢は辛いので、悪いものを摂ることをやめずに葉酸サプリなど良いものを摂ろうとしますが、本末転倒です。

悪いものを摂っている限り、良いものは死んでいます。

葉酸のこと(まとめ)

葉酸が必要だとしても、本当は個人の体質差と活動量で必要量は違います。

どれくらい必要なのか?どれだけ飲まないといけないのか?は誰にもわかりません。

また、疲れをとる栄養ドリンクじゃないんだから、葉酸を摂ってたら妊娠できるほど不妊症の克服は甘くはありません。

良い食生活や良い睡眠など、良質な生活をしていれば、あとは生まれつきの弱点である体質を漢方などで調整してあげれば、誰でも妊娠はできるのです。

サプリの悪い点は「栄養素の偏りを生む」という問題もありますが、もっと問題なのは、『きちんとする手料理をつくる生活から → 便利で手抜きな生活』になっていくことです。

実際、サプリが好きな人は、手料理が苦手な人が多い印象があります。

きちんとした生活は、副作用に耐えながらホルモン剤を飲んだり、効くかどうかわからないサプリメントを飲むよりも、はるかに効果があります。

ぜひ、葉酸サプリで無駄なお金を使う前に自然妊娠のために今の生活を見直してみてください。

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【引用先及び参考図書、Webサイト】
◯葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果:厚生省
◯神経管発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に関する葉酸の摂取に関わる適切な情報提供の推進について:厚生省
◯日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要:厚生省

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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