データ的に体に良い食べ物は本当に体に良いのか?
アトピーや大人になってからのニキビなどは、特に食べ物との関連が深いです。
アトピーなどの皮膚病に限らず、ホルモンバランスなども食生活や、それに連なる自律神経との関係が深いので月経不順やPMSなど、いろいろな病気は食べ物との関係があります。
何せ、食べ物って毎日、食べてますから。
そして、体を活動させたり、体そのものを作っているのは食べ物なので、その食べ物が悪けれりゃ、毎日、食べている分、体が悪くなるのはあっという間ですね。
最近、医者が書いた食べ物の本を買いました。
張り切って新品で買ったのですが、最初の何ページか読んで「あっ損した」と思いました。
「データに基づく、なんたら、かんたら」と書いてあったので、ブログでデータに基づいた知的な記事でも書こうと思ったのですが、なんか、ひと昔前の健康法の焼き直し的な感じなんです。
「βカロチンを、サプリで摂るのはよくない」なんかの話は、年代はウロおぼえですが、米国の癌の研究結果で8年以上前に知ったような記憶があります。もっと前だったかな…
医者が書いた本って、いつもガッカリくるのは、結局、データって本当のところはどうなのかわからないところです。
「データによると良いとは思うが、悪い可能性も考えられる」的な、いかにも医者っぽいどっちつかずな締めくくり方が多いので、「だったら読まなくもて良かったかな」と思うものが多いのです。
食べ物を成分で考えても仕方ない2つの理由
本の中身でよかったのは、『食べ物を成分で考えても意味がない』というもの。
これも僕的に古臭くて色あせた感がありますが、これは本当にそうだと思います。
1 「その食べ物に、どんな体に良い成分が入っているのか?」
2 「その食べ物の成分は体のどこにどんな風に効くのか?」
この理論の意味がないところは、その食べ物の成分としているものは、誰かが勝手に決めた良いと予想される成分だということです。
いわゆる主成分というもので、その食べ物に多く含まれるので、その成分が主人公のはずみたいに勝手に決めちゃっています。
冷静に考えたら、量が多かったり、目立っているから、その成分が主人公とは限らないのです。
また、この主成分はあくまで『現時点の科学力で分析した結果、見つけたもの』です。
将来、科学が進めば、今回のβカロチンやリコピンのように、「大昔は良い成分だと言ってたけど、今は体に良くないってことがわかったよ」となります。
「現時点でわかったこと」は未来永劫、良いとは限りません。
西洋医学は日進月歩で進みますので、時間が進むと否定されることが多いのです。
現にこの1年で肺の機能や細胞間質に関する新たな発見がされています。
今になって、人間の体の機能で新たに分かったことがあるのです。
また、病院の薬なんか、時間が経ってから、良いと思っていたものが実はとんでもない副作用があったり、効果がなかったことが判明して、ひっそりと薬業界から姿を消すことなんて、めずらしくもありません。
その食べ物は体にどんな効果があるのか?
『その成分は体のどこに、どんな風に効くのか?』
これも意味がないです。
なぜなら、体の中では成分が単体で働いているわけではないからです。
いろいろな成分が、多数、複雑に絡み合って働きます。
健康になるための栄養素と栄養素の配合や分量なんて、科学的に計算できません。
その良さそうな成分と言われているものは、その成分単体で、うまく働いてくれるかどうか皆目、わからないわけです。
西洋医学的な発想で食べ物の良し悪しを考えない方がよい
その本で最も違和感を感じたのは、正しいデータだったら、正しい答えが出てくるみたいなことを書いてあったことです。
『ある食べ物は、複合的なデータでみると体に良い。その証拠に寿命も延びた。脳血管障害にならなかった』みたいなことが書いてあります。
僕は、西洋医学の科学的な見方で食べ物とか病気の根本的な治療や予防みたいなことは考えない方がいいと思います。
なぜなら、寿命が短くなったり、病気になったりするのは何も食べ物だけで起こらないからです。
生活環境、生活リズム、精神状態、運動など、ありとあらゆることが病気に関係しています。
本当に食べ物だけで良し悪しのデータをとるのであれば、これらの要素を全部均一に揃えた人に大勢参加してもらって、データをとらなければいけません。
(それは不可能です)
ついでに遺伝子もピッタリ合わせないとダメですね。(これも不可能)
だって、単純に『データ的にものすごく良いとされる食べ物』があったって、「ストレスであまり食べれなかった時もある」というだけで、データはおじゃん!ですから。
また、いくら良い食べ物を食べていても、運動しないとか、寝不足気味が続くいている状態だったら、果たして、『食べ物が良かったのか?悪かったのか?』がわかりません。
西洋医学の大きな弱点
西洋医学は体を細かく、細かく分析します。
細かくみていくことで、いろいろな発見がありますが、逆に『他のものと関係』や『全体のバランス』は無視されます。
そして個人差というものもあまり考えません。
食べ物というデータを取るのであれば、食べ物のことだけで、すべての病気を語ろうとします。
考えるテーマは常に1つだけです。その勝手に絞った1つのことだけで答えを出そうとします。
あなたに合った良い食べ物とは?
体に良い食べ物を考える時に重要なのは『食べ物』というジャンルだけで考えても意味がないということです。
健康になりたければ、『食べ物だけで体が良くなるかどうか』を考えずに、総合的に考えなければいけません。
ただ食べ物以外のジャンルまで広げていくと環境差、個人差が出てきて西洋医学的にはデータがとれません。
つまり、こういった類の良い食べ物の科学的情報を参考にする場合、そればっかりを選んで食べるのではなく、『なんとなく、そんなものもある』という感じでいいと思います。
結局、厳選して、いろいろと選んでいくとサプリメントと同じように偏っているわけです。
漢方では、食べ物には『食性』というものがあると考えます。
詳しくはコチラをお読みください。「食べ物の有効成分は当てにならない!?漢方からみた食べ物の効能効果」
漢方的には、食べ物はどれが良いとか、悪いではなく、あなたの今の状態(体質)を分析、判断して、それに合わせたものを選びます。
これも何千年の中で積み上げられた膨大な経験データです。
実は漢方薬もジャンル的には食べ物と同じで、食べ物の食性と漢方薬の薬性は同じです。
あなたにとって良い食べ物は、『どこかの誰かの実験で良かったもの』ではなく『今のあなたの体質に合っているもの』だと思います。
『データ的に良い食べ物』を探すよりも、まずは『今の自分の体質』を知ることから始めましょう。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 医心方:出版科学総合研究所
◯ 東方栄養新書:メディカルユーコン
◯ 中医薬膳学:東洋学術出版社
◯ 薬膳素材辞典:源草社
◯ 食養生の知恵 薬膳食典食物性味表:日本中医学院
◯ 薬膳と漢方の食材小事典:日本文芸社
◯ 素問:たにぐち書店
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