ニセモノ漢方サイトと本物漢方サイトの見分ける方法
先日、うちの嫁さんが、ブログを書くために麻黄湯の一般論を調べていたら、ひっどいサイトが出てきました。
よくある『インフルエンザに麻黄湯』という医者の大好きな『西洋医学の病名と東洋医学の漢方薬のイミフな異次元コラボ』ですね。
そのサイトが特にひどかったのは、「一般薬の風邪の薬の場合は、副作用があるから注意が必要です」と言っておいて、「麻黄湯なら安心、麻黄湯は大きな副作用が出にくい」とか「麻黄湯のような実証タイプの強い漢方薬は、体力がない場合は副作用が出る可能性が高い」など、説明が矛盾だらけの支離滅裂で一貫性がありません。
多分、ツムラからもらったマニュアルやツムラの勉強会で聞きかじったことをつなぎ合わせているから、一貫性がないのでしょう。
また医者は皆さんが診察で話していても感じているように前回、言ったことと今回の言っていることが食い違うことは普段から多々ありますので、どうも頭の構造が目の前の1つのことしか処理できない感じになっている傾向が強いのでしょう。
そのサイトでは最後に「漢方薬は慎重に選ぶ必要があるから医師の診察の元で処方を受けることが重要」とか説明しているのですが、こいういう説明って、まるで、『医師が医大などで漢方の理論を勉強してきた専門家』みたいな説明に聞こえます。
しかし、残念ながら医者は医大では漢方を教わりません
(もしくはほんの少し教わっているのも漢方薬の生薬の化学的成分がどうたらこうたらと診断や治療とは関係のないことしか勉強しません)
よって、漢方薬を本当の意味で治療に役立てようと思ったら、中医学なら中国の漢方を教えている大学に再度、入るか、日本漢方なら師匠について実地で何年か勉強する必要があります。(僕は師匠に何年かついて修行しました)
いずれにせよ通常の医大の勉強だけでは、漢方の知識に関しては素人同然だということです。
専門家のフリをしているだけなのです。ネットで漢方のことを調べたあなたと大差ありません。
医療とフェイクニュース問題
フェイクニュース問題ってご存知ですか? 最近、世間を騒がせています。
インターネットは、制限がないので、『真実の情報』も『誰かが、わざと嘘をついている情報』も『嘘をつくつもりはないけれど結果的に嘘になっている情報』も基本的には見分けがつきません。
こういったネットの嘘の情報に惑わされることをフェイクニュース問題と世間を騒がしています。
インターネットの情報って、すごく便利ですが、今は情報が溢れすぎて、どの情報が『真実』かどうかもわからなくなってしまっているのですね。
特に医療系は体の危険性もあるため、Googleは医者とか、厚生省などの情報が検索上位に出るように強制的に変更しました。
中には前と違って、『検索しても、病院のサイトしか出てこない!』って困っている人もいるんじゃないですか。
確かに以前はサプリメントなど医学的な効果もないのに、騙しのようなキャッチコピーや、ものすごく巧い詐欺の文章を書いているサイトなどが検索の上の方にいましたので、それよりは確かに病院の方がマシですね。
でも病院のサイトも、こと漢方に関しては本来の漢方の診断や治療方法から考えるとフェイクニュースを垂れ流しているのと残念ながら同じなのです。
漢方薬は本来、体質に合わせて選ぶ
医者は西洋医学の病名に合わせて東洋医学の漢方薬を選ぶという異次元コラボを平気でやっています。
漢方薬は法律上では医薬品という扱いになりますが、本来は東洋医学の病名とは全く関係がないため、『医薬品の法律上、仕方なく』西洋医学の病名を対応させています。
この「法律上の問題を真に受けてなのか?」「 本気で2千年前の中国の漢方薬と2百年前の西洋医学の病名などが、一致すると思っているのか?」はたまた、「儲けと割切って、流行りっぽく漢方薬を扱っているのか?」その本音はわかりません。
いずれにしても、漢方薬は2千年前から中国で存在し、その時、すでに体質の診断方法などもありましたので、当然、漢方薬を選ぶ場合は西洋医学の病名なんて、本当は何の関係もありません。
ですが、なぜか、『西洋医学の病名や症状だけを合わせて、漢方薬を選ぶ』というデタラメな方法が医療の専門家の医者が率先してサイトでも説明しているのです。
本気で西洋医学の病名と漢方薬が関係していると思っているだろうか?
本来の方法で体質を分析、判断して、それに合わせた漢方薬を選んでいる僕にとっては「これはフェイクニュースにならないの?」と思います。
確かに医薬品の法律上、西洋医学の病名と対応しているような条件がないと保険適応にできません。
なぜなら、保険適応の法律上に東洋医学的な病名や体質はないからです。
でも、それは、あくまで法律に関わる便宜上のこと。「バカじゃないんだから真に受けてどうするの?」って話です。
そして、最近の検索上位に上がってきている漢方の病院サイトでフェイクニュースよりも問題じゃないの? と思われることも書いてありました。
治らないニセモノ漢方サイトの見分け方
西洋医学の病名に合わせて漢方薬を選んでいる医者も『漢方薬は体質に合わせる』ということは、ぼんやりとわかっているみたいです。(理屈はわかってないようですが…)
そのせいなのか、最近の漢方の病院のWebサイトでは、『漢方薬は証(体質)に合わせて選びます』なんて書いています。
つまり、一人一人の体質に合わせて専門家(じゃない)の医者が専門家(じゃない)として漢方薬を選びます。なんて書いているわけです。
ところが、僕のように漢方専門家の立場で、そのサイトを読んでみると「証(体質)に合わせて漢方薬を選ぶ」と言っておきながら、「更年期障害に→ツムラ24番・加味逍遥散」
「花粉症に→ツムラ19番・小青竜湯」「ダイエットに→ツムラ62番・防風通聖散」「ニキビに→ツムラ58番・清上防風湯」なんて、バリッバリッの西洋病名から選ぶマニュアル漢方、丸出しなんです!
体質というのは更年期障害でも体質によって原因が変わり、選ぶ漢方薬も人によって変わるので、事前にその病名に効く漢方薬なんて存在しないのです。
『西洋医学の病名は東洋医学の考える体質ではありません』
こういった一文で、今までの『漢方は、お一人お一人の体質に合わせて専門家である医師が選びます』みたいな説明が、台無しなんです。
多分、それまで書いている『漢方は、お一人お一人の体質(証)に合わせて…』というのは、いろいろなサイトからパクってきたり、つぎはぎで説明文だけ作ったのでしょうね。
病的体質である『証』を診ることのできる先生は、死んでも「ニキビに→ツムラ58番・清上防風湯」なんて書きません。
なぜなら、その書き方自体が『自分はニセモノ漢方医』と言ってるようなものだから。
フェイクニュース問題で医療系の検索は、病院などが上位に上がるようになっていますが、西洋医学の資格とは何の関係もない漢方の情報に関しては、医者の方がフェイクニュースを撒き散らしてるんじゃないかと思う次第です。
ちなみに、ある漢方の病院が偽物かどうかを見分ける方法を紹介します。
漢方薬は西洋医学の病名で選ぶなんて方法はありません。
その医者が体質(証)をみることができるということは、漢方の理論に基づいて分析判断しているはずです。
でも、ニセモノ漢方サイトは、漢方薬の効果のことや治った例、西洋医学の病名の説明ばかりで肝心の体質診断の理論などの説明がほぼないに等しいか、体質診断の説明と漢方薬の効果の説明につながりがありません。
また、そういったサイトは漢方薬の効果の説明がおかしく、「免疫のNK細胞を活性化させる」などの西洋医学的な効果と漢方薬の効果をごちゃまぜにしていることが多いです。
業界的に言えば、単純に9割の医者は漢方の体質の診断方法を知らず、漢方薬本来の効果も知らず、マニュアルにあてはめて選んでいるだけと考えてもらっても差し支えありません。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社
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