漢方薬相談ブログ

手湿疹の本当の原因を漢方と西洋医学の両方から考えてみた

手湿疹の本当の原因を漢方と西洋医学の両方から考えてみた

  1. 西洋医学が考える手湿疹の原因
  2. 手湿疹は「手」だけの問題ではない
  3. 手湿疹の本当の原因
  4. 手湿疹の治療方法

「手湿疹…病院に通っていても、なかなかよくなってない」なんてことはないですか?

手湿疹の原因をネットで調べると、ネット上では現在、西洋医学の病院、専門的な治療のガイドラインと製薬会社が作ったWebページ位しか出てこないので、西洋医学側からみた原因しかわかりません。

手湿疹のガイドラインなんかは、まず、一般の人が読んでも専門用語のオンパレードでチンプンカンプンだと思います。

要するにネットで調べても、手湿疹の原因は西洋医学的な一般的な、よくあるような原因しか知る事ができないということです。

病院のサイトには「漢方治療では…」と書いてあるところもありますが、「漢方では血のめぐりを整えて」など、教科書からパクってきたような『明らかに漢方の医学理論をわかっていないな』というような、取ってつけたようなお粗末なことが書かれています。

今回は手湿疹が「西洋医学の方が治る」とか、「漢方薬の方が治る」とか、そういった話ではありません。

漢方の真髄は、漢方薬を使うことが最も重要なことではなく、漢方は、例え、手湿疹と体のどこかの一部の問題だったとしても西洋医学と違って、その人、個人の体全体のバランスをみて、病気の原因を考えます。

また漢方では、実践とその結果を重視します。

理論も重要ですが、あくまで『実際にはどうなのか?』を考えていきます。

僕は、西洋医学の部分的で科学的な方向からも、漢方の全体のバランスや自然治癒力の方向からも、どちらの方向からも病気の原因を考えますので、独特かもしれないですが、西洋医学、東洋医学を駆使して『手湿疹の本当の原因』を考えてみたいと思います。

西洋医学が考える手湿疹の原因

西洋医学で考えられる手湿疹の原因にはどんなものがあるでしょう。

1 手の脂がなくなり、アレルギー反応を起こす。
手の脂がなくなり、皮膚のバリアーがなくなって、いろいろなものが刺激になってアレルギー反応を起こして湿疹が出てきます。

2 アトピー
全身、もしくは体のどこかにアトピーがある人は、手湿疹もアトピーだという考え方です。

3 手白癬菌
手に水虫菌が住み着いて、それが原因で手湿疹が続きます。

4 汗疱
手汗が原因で汗の玉のような水疱が、手の平などにできます。

5 掌蹠膿疱症
手の平の皮が、かゆみとともに次々にめくれていく難病です。

西洋医学での治療は、ステロイド剤、保湿剤、抗菌剤を塗ることです。

ほぼ、この治療を延々と繰り返します。

病院に2、3ヶ月ほど通って、治った人はこれ以上は読み進む必要はありません。

それ以上、経っていて、未だ薬を離せない人は、病院の治療は、症状を抑えるだけの同じ治療を繰り返しているだけで、それではこれからも治らないと思いますので、ぜひ読み進めてもらえたらと思います。

手湿疹は「手」だけの問題ではない

手湿疹といっても、手だけの問題ではありません。

西洋医学は皮膚科でみてもらうので、手のことしか考えませんし、それ以上に原因があると思ったとしても、皮膚以上の原因は考えません。

ですので、ステロイド剤や抗菌剤のゴリ押しだったりするのですね。

手湿疹といえども、アレルギー反応は体内の免疫の問題だし、汗疱の汗だって、手の汗だけでなく、汗や体全体の水の流れと関わっていたりするのです。

結局、症状は『手』でしかないかもしれないですが、原因は体全体なのですね。

手湿疹の本当の原因

手湿疹が掌蹠膿疱症の場合は、なんとなく手の湿疹があるなんてレベルではありません。

手の平などが、常にジュクジュクだったり、皮がむけたり、膿があったりするので、あなたの手湿疹が掌蹠膿疱症の可能性はゼロではないですが、確率としては低いです。

今まで、数々の手湿疹を治療してきた経験から考えると、大体、現実的には大きくは『菌による原因』『汗疱』『体内の問題が大きく関わっている』という3つのパターンです。

中でも、最も多いのは『菌による原因』です。

【菌による原因】
アトピーの人が手にも湿疹がある場合、大体、同じアトピーだと診断されて、ステロイド剤が処方されます。

しかし、ステロイド剤は、免疫を抑制するもので、そもそも、菌は免疫によってやっつけることができるので、ステロイド剤を使えば、使うほど、菌は元気になります。

ステロイドの怖いところは、その瞬間の炎症は、強烈に抑えてくれるので、一旦、手湿疹は治りますが、根本的に治ることはありません。

それどころかステロイドの免疫抑制と皮膚が薄くなることによって、元の状態から徐々に悪くなっていっていると思います。

もし、嘘だと思うのであれば、3ヶ月以上、ステロイドを使っている人は、10日位、一切、塗るのをやめてみてください。

見事にかゆみが再発すると思います。

そこで、またステロイドを塗れば、またかゆみは治りますが、延々と同じことを繰り返すだけです。

5年間、使い続けても永遠に最初の1日目を繰り返しているのです。

『だから、抗菌剤も処方している』と言われるかもしれないですが、抗菌剤は菌を根絶やしにして、その人独自の菌のバランスを崩します。

菌による病気は菌を根絶やしにすることが治療にはなりません。

むしろ抗菌剤での治療は「その人にとって良い菌のバランス構築」を考えると有害な場合もあります。

菌は無くすことではなく、『バランスを取り戻すこと』が治療なのです。

僕が実際に治療してきた経験から、手湿疹はアトピーではなく、手の皮膚の菌のバランスが崩れることが原因のことが多いです。

同じように菌に触れても、手湿疹にならない人もいます。

それは、体力や免疫力が違うからです。

また、表の水毒証といって、漢方的には体と皮膚表面の水の巡りが悪い体質の人が多いです。

本来の漢方は、病院のサイトに書いてあるような「漢方では血や水の巡りを整えて…」なんてテキトーなことを書いていますが、そんなざっくりした医療知識のないサプリ好きの人のような治し方ではありません。

体力がないタイプなのか、特に皮膚表面の水の巡りを巡らせればよいのか、殺菌的な補助が必要なのか、免疫の調整が必要なのか、タイプを見極めて、その人にあった治療をします。

【汗疱】
菌が原因でも水疱ができますが、汗疱も水疱ができます。

汗疱は、手のひらにできることが多いです。

汗のかきやすさは、体質として「水の巡りが悪い状態」と「自律神経など気の問題が関わっている」ことが多いです。

手のひら側の汗疱の問題は、こちらも菌のバランスが関わっていることもあるので、これもステロイドでは余計に悪い方向性に進みます。

とくに汗疱の場合は、そもそも、汗の玉が手に出やすいことが問題なので、ステロイドで外側から炎症を抑えても、治療としてズレていて何の意味もありません。

わざわざ、ステロイドの副作用だけを得るために使うようなものです。

残念ながら病院の治療は誤魔化し続けているだけです。

汗疱の漢方治療は特に、汗の問題が、水の巡りからなのか、気の問題なのか、を見極め、体全体を整えていく必要があります。

【あかぎれ、乾燥】
パックリ割れるあかぎれや乾燥も、体内の問題のことが多いです。

こちらの手の状態になってくると、血の巡り、水の巡り、気の巡り、熱の巡り、血がつくれないなど、問題がたくさん関わってきます。

この状態もステロイドで免疫と炎症を抑えても何の解決にもなりません。

原因と関係がないからです。

保湿も、割れたり、乾燥した状態を付け焼き刃的に対処しているだけで、割れてから保湿をしても、または、保湿をしても割れるのであれば、『割れる状態、乾燥する状態』の根本的な原因自体をなんとかしない限り、延々とイタチごっこです。

手湿疹の治療方法

今回は原因の話なので、具体的な治し方は書いていませんが、手湿疹のタイプと体質のタイプによって、いろいろな治し方があります。

漢方といっても、うちは体の中のことだけでなく、外側からもアプローチします。

基本的に言えるのは、手湿疹に対してはステロイド剤や抗菌剤で、まれに治ることもありますが、圧倒的に逆効果になることが多いので、病院での治療は結構、分の悪い賭けになります。

保湿も、アカギレ、乾燥の手湿疹以外では逆効果です。

病院の治療は、大概、逆効果になっていますので2、3ヶ月、ステロイド、抗菌剤、ワセリンの治療しかせずに、ちっとも治っていないなら、ぜひとも、うちにご相談ください。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
手湿疹診療ガイドライン
メルクマニュアル(家庭版)汗疱
メルクマニュアル(プロフェッショナル版)手足皮膚炎
◯今日の治療指針:医学書院

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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