インフルエンザワクチンの注射は受けたほうが良いのか?どっち?
毎年、やってくるインフルエンザ。
流行る時期が近づくと、僕がよく質問されることがあります。
それは「インフルエンザワクチンの注射って受けたほうがいいの?」
インフルエンザのワクチンの効果や副作用なども気になるところ。
こういった話題になると「受けたほうがいいか?」「受けない方がいいか?」みたいな話しになりがちですが、この記事では受けちゃダメ!とか受けないとダメ!とか、そんなお話をしているわけではありません。
『インフルエンザのワクチン注射って何なのか?』
ネットの中では、いろんな情報が混ざってわかりにくくなっているので、情報を整理して、ご自身で受けるか、受けないかを考えるのにお役立ていただけたらなーと思います。
ついでに医者が勝手に決めつけている『インフルエンザに麻黄湯!』
「麻黄湯はインフルエンザの薬じゃねーよ!何デタラメ言ってんだよ」ということも解説します。
ワクチンが何で予防できるのか?
ワクチンを注射したら、何で予防できるのか?
免疫って、すごいやつで、体内にウィルスなどが入ってくると敵(インフルエンザワイルス)の形や能力をおぼえるのです。
そして、その敵の形や能力を粉砕できる専用の兵器(免疫)を作り出します。
この兵器、すげーんだけど、『実際に敵と戦わないと作れない』のです。
でも、インフルエンザにかかってから兵器、作られても…おせーよ!って話ですよね。
そこで、『先にインフルエンザを体内にいれちゃおう!』ってのがワクチンです。
もちろん、この時に本物のインフルエンザウィルスを入れちゃったら意味ないので、不活化というインフルエンザの攻撃能力を取り去ったけどインフルエンザであるものを体内に送り込みます。
そして、体の中では、安全だけど敵を模したもので対策を立てて、本物のインフルエンザに対抗するわけです。
兵器準備よし!訓練バッチリ!なので、インフルエンザのワクチンを注射しておけばインフルエンザにかからないという寸法ですね。
ワクチンの本当のところ
でも、現実にはワクチン注射をしても、ふっつーにインフルエンザにかかっている人もいますよね。
なんだったら、2回注射して2回とも見事にインフルエンザを当てた!人もめずらしくないです。
こんな感じなので、『結局、ワクチンの注射を受けたほうがいいのかどっちなんだよ!』ってなっちゃいます。
また、ワクチン注射を受けたにも関わらず、インフルエンザになっても「症状が軽いですよ」なんて話もあります。
あとあと、インフルエンザワクチン注射の副作用も気になるところ。
これらの問題を1つずつ考えてみましょう。
ワクチン注射してるのになぜインフルエンザにかかる?
ワクチン注射していても、なぜ、インフルエンザになるのか?
それは、インフルエンザには、ものっすごい種類がいるからです。
インフルエンザってA型、B型、C型というタイプがあって、そのうち、A型、B型が感染力の高いものです。
そして、A型、B型もさらに細かい種類のわかれます。
A型だけで144種類は確認されています。
更に更に、インフルエンザや風邪のウィルスは毎年、微妙に変異するので、ワクチンという兵器も去年のものは役に立たなかったりして、的が外れたりするのですよね。
いつ、どんなワクチンも通用しない新型インフルエンザがいつ出てきもておかしくない状況なのです。
ワクチンは、あらかじめ「今年の流行はこれだっ!」って感じで予想しますが、まるっきり大外し!なんてことはめずらしくもないので、2回、注射して2回ともインフルエンザにかかるという人も出てくるのです。
ちなみに変異がないとしても98.6%外す可能性がある。
本当にワクチンはインフルエンザの症状を軽くするの?
ワクチン注射していても、かかる時はかかってしまうとはいえ、ワクチン注射をしていれば、『症状が軽くなる』って話がありますよね。
あれ、半分は正解ですけれど半分は間違いだろ!と思うわけです。
よく考えたら変ですよね。
だって、インフルエンザの症状の強さなんて、その時、その時、違うわけですよ。
「前回の症状がこれくらいで、今回はこんなくらいで」なんて正確に測れてる人なんていないでしょ。
そもそも株(インフルエンザの種類)も違うだろうし。
医療の専門的に考えても、「そんな臨床データなんてとりようがないだろ!」と思っていたら、あれは厳密には『6歳未満の小児と65歳の高齢者は重症化を防いだ』というデータなのです。
直接的にワクチンがその時のそのインフルエンザを軽くしたのかどうかは確認のしようがありません。
インフルエンザから肺炎や脳症になるような重症化を防いだのはなんとなーくわかったのですが、インフルエンザ自体にかかった時の症状を軽くしたかどうかは、いまいちわかってないのですよ。
大体の人は、多分、症状が軽くなるかどうかはワクチンとは関係ないのだろうと思います。
インフルエンザワクチンの副作用
基本、ワクチンの副作用はないです。
ただ、ワクチンを打ってから、頭痛が起こったり、吐き気があったり、発熱したりということはありますが、何日かすれば治ります。
長くても1週間もあれば、症状はなくなるのではないでしょうか。
あえて、あげるとすれば、シーズンのピークにワクチン注射を打ちに行くと、中にはインフルエンザにかかっている?的な手遅れ気味な人が、焦って打ちにきているかもしれないので、そんな集まりの中に突っ込むことで『ワクチンを打ちに行って、インフルエンザになる』なんてこともあるかもしれませんね。
結局、どっち?(まとめ)
ワクチンは大外しで、全然、役に立たない可能性がありますが逆に当たる可能性もあります。
要は賭け事と同じ。
症状が軽くなるかどうかは、実ははっきりとはわかりません。
うちの相談の現場では、『ワクチンを打ってたから、今年は軽かったですわ』なんて人の話は1人も聞いたことがないですね。
そして、インフルエンザワクチンの副作用は、そんなに重症になるようなものはありません。
どっちがよいか?というよりも、こういったものなので、あとは金額や手間と比較して、「今年は、うまく当たってうまく防げるかもしれない」と思うのであれば、受けたほうがいいかもしれません。
人の賭け事に他人が「当たるよ」とか「外れるよ」とか言うのはおかしいので、当たると思う人は受ければいいんじゃないかと思います。
少なくとも、何種類かのインフルエンザウィルスを防ぐ可能性があるわけですから。
ただ、一般の方の意見を聞いていると効果を誤解している印象がありますので、『ワクチンは思っているより外すし、症状も軽くなるかどうかわからない。おまけにワクチン打っててもインフルエンザには普通にかかる』と理解しておいたほうがいいのではないかと思います。
ワクチンよりも大事なこと
ワクチンよりも大事なのは、インフルエンザにかからないようにする努力だと思います。
一番の原因は『人!』
人がインフルエンザの原因なのです。
ですから、人と接触すればするほどかかる率が高くなる。
冬は、ショッピングモールを避ける。
できれば、行かないのが一番ですが、そうもいかないですが…
だからマスクをする。
(マスクは不織布製にしましょう)
電車やショッピングモールなどは、他の人が触ってそうなものには触らないことです。
外から帰ってきたら、手洗いうがいを神経質なくらいちゃんとする。
口や喉が乾燥しないようにすることも重要。
粘膜が乾燥すると、それだけで免疫系が悪くなっているのと一緒ですので。
ワクチンを打って、これらのことを気にしてないとなると意味がないです。
あと、肌寒いという温度ですごさないようにすることや、首に冷たい風邪を受けないようにすることも重要です。
漢方では、首から風邪が入り込むという表現がありますので。
例え、インフルエンザになったとしても、ヒドくなるかどうかは、あなたの免疫と体力。
免疫と体力が一番ダメージを受けるのが睡眠ですので、周りがインフルエンザで「なんか調子悪いな…」と感じたら、睡眠時間をちょっと増やしましょう!
麻黄湯はインフルエンザの薬じゃない!
麻黄湯は、インフルエンザの薬じゃありません。
医者も思いっきり勘違いしているので、気をつけてください。
漢方治療では、インフルエンザも風邪も区別しません。
その時の状況の応じて、8種類くらいの漢方薬を使い分けます。
麻黄湯は、非常に強い薬で、漢方薬で強い薬というのは、良い薬ではなく、合っていなければ、よけいにヒドくなります。
特に麻黄湯は、胃がやられます。
そして、インフルエンザや風邪の時は、胃がやられると致命的なのです。
また、体質によって『発熱と発汗がひどくなりすぎる』という場合もあります。
ですので、『胃痛や胃もたれ、食欲、便とオシッコの状態』を聞かずに『インフルエンザ=麻黄湯』って処方してきたら、その医者、ぜんっぜん!漢方のことをわかっていないので、もう一度、ちゃんと体の状態を診てもらったほうがいいですよ。
とはいっても、残念ながら、医者は漢方的な体質は分析できないけどね。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ インフルエンザの基礎知識(厚生省)
◯ インフルエンザQ&A 厚生労働省
◯ インフルエンザワクチンの効果に関する研究 厚生労働科学研究成果データベース
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