漢方薬が効かないタイプと効くタイプ
「漢方薬って結構、飲んでいるけど効果がよくわからない…」
全国でこんな方、多いと思うのですが、漢方薬は病院の薬と違って、化学的な成分で無理やり効かせる訳じゃないので、漢方薬を効かせるためには、それなりにいろいろな条件が必要なのです。
その条件や特徴を紹介したいと思います。
漢方薬が効かないと誤解しているタイプ
よくうちに相談に来られた時に、「今まで病院や漢方薬で何年と漢方薬を飲み続けてきて全然、良くならなかったので私は漢方薬が効かないタイプだと思います」とおっしゃられる方がいらっしゃいますが、これは違います。
漢方薬は基本的に「肝の臓の不要な熱を鎮めて治療する」とか「気を発散させて気を巡らせてホルモンを整える」とか、東洋医学独特の診断で体質を分析し、東洋医学的な原因である証を導き出して、その『証』に合わせて漢方薬を選びます。
例えば、めまいに苓桂朮甘湯が処方されることが多いですが、苓桂朮甘湯は本来の漢方の世界では決してめまいの薬ではなく、『心下の水が顔に滞ってしまい、その水の巡りの悪さの影響でめまいを起こしている体質の人』に合う漢方薬で、めまいの原因はこれだけでなく、人それぞれ、他にもたくさんあり、他にもたくさんの漢方薬が使われます。
でも、99%の病院や漢方薬局は、病名や症状だけを当てはめて漢方薬を選んでいます。
残念ながら、こういった選び方はデタラメな方法なので、そんな方法で選んでもらった漢方薬を1年飲もうと、3年飲もうとノーカウント!
漢方薬を飲んだことないのと同じか、もしくは漢方薬は体質と合っていなければじわじわと副作用を起こし、歪んだ体質になるので、飲み続けることによって余計に悪くなっている可能性もあります。
なので、漢方薬が効かないタイプなのではなく、『まだ一度もまともに漢方薬の治療をしたことがない』というのが正しいです。
自分がまともな漢方薬での治療をしてきたかどうかは、最初の処方の時の様子でわかります。
それは、漢方薬は例え、「めまい」「頭痛」という1つの症状を治すのであってもかならず全身の症状や状態を調べることが必要ですので、そういった問診を取ったかどうかでわかります。
初回にこういったしっかりした問診がなく治療方針の説明もなく一方的に効果らしきことだけ説明されて飲んでいる漢方薬はノーカンウントなので、漢方薬が効かないタイプではなく、正式には『まともな漢方薬の治療をしたことがない』ことになります。
漢方薬が効かないタイプ(高齢者)
漢方薬というと歴史が長いので、なんとなく老人が飲んでそうなイメージがあります。
ところが、ところが、実は最も漢方薬が効きにくいタイプは老人なんです。(効かないというのはちょっと釣りでした)
なぜ、老人は漢方薬が効きにくいか?
漢方薬の効き方を考えればわかります。
医者などは思いっきり勘違いして漢方薬をなんとなく症状を抑えるもの的な感覚で処方しますが、漢方薬は、その人の体のアンバランスをその人自身の調整力を手伝うことによって治していきます。
漢方薬にかゆみを抑える成分やホルモンを活性化させて妊娠させる成分など含まれていません。
その人の調整力をどう手伝うか?
だから、調整力や自然治癒力が衰えすぎている老人は、自分で治す力自体が弱っているので、効きにくいのです。
今の世代の高齢者は「お医者様」的に盲目的に病院を信じている人が多く、病院の薬は治してくれるものだと誤解している人が多いので、漢方薬も病院の薬みたいにすぐに治ると思っている人が多いです。
ですが、自然治癒力の衰えた老人は漢方薬での治療は時間がかかるので、漢方治療を望むならドッカリ腰を据えて治療に望まないとまず、効いたと実感できないと思います。
漢方薬が効かないタイプ(薬の服用者)
病院の薬は『治療』という聞こえの良い感じの表現を使っていますが、詳しいメカニズムとしては、体にはない人工化学物質で無理矢理、体の働きを変えて症状を抑えたりします。
例えば、アトピーのかゆみを止めてくれるステロイド剤は、アトピーの湿疹を治しているのではなく、免疫のスイッチを切っています。
どういうことかというと、アトピーのかゆみは、本来、風邪やノロウィルスなどから体を守ってくれている免疫の働きによって発生しているもので、ステロイドはその免疫の働きを邪魔します。
実は痛みやかゆみというのは、本来は悪いことではなく、外敵と戦っている過程で現れるものなので、ステロイドで免疫を抑えれば、かゆみは無くなりますが、同時に体のバリアーがなくなっているような状態になる訳です。
「免疫が元気に働いていること」がおかしいのではなく「免疫の働きが激しすぎる」ことが原因なので厳密にはステロイドがやっていることってズレているのでアトピーが治ることはありません。
治るのではなく、『かゆみが一定時間だけ抑えられている』だけなのですね。
ステロイドに限らず、大概の薬はこんな調子で『真の原因』に対してズレことをやっています。
このズレた状態を続けていくと(病院の薬を飲み続ける)ますます、自分の体を自分の調整力で治そうとする力は弱っていきます。
また、弱るだけでなく、ヘンテコな病的な体質に変形させられるのです。
体に無理矢理、何かをさせる薬の成分自体は、やめれば2日もあれば、体の外にオシッコで捨てられます。
成分がなくなるので元に戻るのかと思えば、人間の体は薬の影響を受けていた時間でどんどんおかしくなってきます。
それこそ、人間の主食としている炭水化物を多めに取り続けたら何の病気になります?
そう、『糖尿病』です!
薬の化学成分でなくとも誰でも長年、食べてきた炭水化物でも病気になるので、それよりも遥かにやばい化学物質を取り続けて、何もない訳ないじゃないですか。
漢方薬はなるべく体の働きを元々の自然の調整された働きに戻そうとすることが目的なのですが、この『薬で作られたヘンテコな病的体質』は非常に苦手。
なので、『しょっちゅう、病院の薬を飲んでいる人』や『長年、病院の薬を飲み続けている人』は非常に漢方薬が効きにくいのです。
そこから1つ、日常で当たり前だと思っているけれど、おかしなことがありますね。
それは医者が漢方薬と病院の薬を一緒に処方すること。
これは治療以前の問題。もはやコントなみのボケっぷりです。
漢方薬が効くタイプ
それでは最後に漢方薬が効きやすいタイプは?
さっきの反対で若い人です。
それと単純に病院の薬を口にせず、食品に含まれる化学系添加物も取らない人。
自然に近ければ近いほど、漢方薬は効きます。
また、漢方薬は元々、みんなが持っている、自然で調和のとれた体の機能を取り戻せるように漢方薬が働きかけるのですが、これって体の機能の悪いクセを漢方薬が教え直してくれる。みたいな感じでもあるのです。
(しつこいようですが漢方薬は症状を抑えたり消す効果ではありません)
正しい体の使い方を教えてくれるようなものなので、漢方薬を飲んでいる期間が長くなるほど、『漢方薬からの教えられた方』に慣れてくるので、効き方が大幅に上がります。
実際、うちでも長く飲んでいる人ほど、急性の下痢とかヘルペスで1袋だけで治ったりするのですよね。
ですので、漢方薬は歳をとってから慌てて縋っても、効きにくいので、意外かもしれないですが、若い人時から長く飲んでいる人ほど、効きやすいのです。
(ちょっと宣伝っぽいですが、これは16年以上、漢方治療をしてきた経験上から得たものでもあります)
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◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社
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