漢方薬相談ブログ

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病院の間違いだらけの漢方薬の処方には毎度ウンザリさせられる

最近、漢方薬が流行っているせいか、以前よりもより漢方をまーッたく!理解していない医者が、漢方薬を処方することが増えました。

先日も、近くの医院が副鼻腔炎(蓄膿症)の方に漢方薬を処方していたのですが、何せ、医者の漢方って東洋医学的な問診もとらないデタラメな方法で処方してます。

デタラメな方法というのは、具体的に説明すると、ただ単にツムラやクラシエなどの「漢方薬メーカーから貰ったマニュアル」「東洋医学的には関係ない科学的な臨床データ」及び「たまの漢方の勉強会で小耳にはさんだ小ネタ」などのちょっとした情報を元に処方する方法ですが、現実は『漢方薬をちゃんと選ぶ方法』にすらなっていないですね。

もはや素人同然です。

医者はなぜ、よくわかっていない漢方薬を無理して処方するのか?

その医院、数年前まで花粉症に小青竜湯しか処方していない感じだったのですが、この最近、何種類かの漢方薬を処方するようになりました。

小青龍湯のみではなくなったと言えども、「この状態になんでこの漢方薬???」みたいな、僕のような漢方専門家からみるとおもしろ処方であることに変わりはありません。

ある患者さんが、その医院の病院の薬と漢方薬の併用←(これも意味がわからない)で1ヶ月ほど飲んでいましたが、なんかスッキリと良くならないので、うちに来られて、僕が選んだ漢方薬で10日ほどで、よくなりました。

そもそも、残念なことに病院の薬も効いてないのです。

これ、別に「うちの漢方薬がすごいよ」ってわけではありません。

漢方薬は、その都度、その人の体質に合わせるものなので、『体質と漢方薬が合いさえすれば』、ちゃんと治るのです。

漢方薬を処方する医者の何が問題って、『漢方の医学理論をよくわかってないことを自覚している医者』が、『堂々と漢方薬処方をしてること』なのです。

漢方の医学理論を日夜、一生懸命勉強して、それでも漢方の治療の腕がイマイチというのは、治療的にはダメですが、まだ、しょうがいないと思うのですが、気持ち悪いのはツムラなどのメーカーから貰ったマニュアルとか、メーカー主催の勉強会に、ちょこっと顔を出した程度で漢方薬を処方していることです。

これって患者さんや漢方治療をバカにしているように見えるし、その姿勢が理解できないのです。

(ちなみに僕はツムラの資料も読んでいますし、医師が参加しているツムラの勉強会にも何度か参加しています)

医大で漢方のことは勉強しない

医者は医大で漢方の勉強はしません。

この前、現役の医学生に聞いた話しです。

ほんの少しの時間だけ漢方もどきな講義もないわけではないですが、そのわずかな時間も漢方の治療理論ではなく、生薬の化学的な勉強だったりして、少なくとも漢方治療とは全く関係ない内容だったりします。

その医学生が先生に「ちゃんと漢方を勉強したい」と申し出たら、医師の履修過程には漢方はないから、自分で勝手にやってくれと言われたそうです。

これは薬剤師になるための薬大でも状況は似たようなものです。

※厳密には漢方薬の科学的成分が何なのかという、漢方治療にとってどうでもいいことの暗記みたいなことは、ほんの少しだけ勉強します。逆に治療に必要な東洋医学的な診断方法や漢方薬の使い方、治療理論などは勉強しません。

よく、ツムラのサイトに「漢方薬の副作用のことで、不安があれば医師に相談してください」みたいなことが書いてありますが、別にちゃんと習っていない人に聞いてどうするの?って思います。

治療と関係ない安い漢方薬を飲むなら病院はうってつけ

こんなこと言うと、アレなんですが、『治るか、治らないか、なんてどうでもいいから、とにかく安い漢方薬がほしい』って言う人は、保険適応の医者の漢方薬が、双方の利益が合致しているので向いていると思います。

医者は漢方薬を使って治療できる知識も腕もありません。

しかし安売り(保険適応)はできます。

安い漢方薬が欲しい人にとって、『治るための詳しい時間のかかる相談』なんて面倒かもしれませんし。

最早、漢方治療ではなく、ただ単に漢方薬をお試し飲みするだけの世界にはなりますが、互いの利害は一致しています。

ツムラの漢方薬自体は偽物ではないです。

生薬の品質が良いか悪いかは別として。

漢方薬自体は安物でもどれも効果がありますので、が良ければ病院の漢方薬でも治ると思います。

ただし、あくまで『東洋医学的体質と選んだ漢方薬がマッチングした場合のみ』ですが。

僕らが困るのは真剣に相談しながら、治療している人の間に漢方をよくわかっていない医者が勝手に割り込んでくること。

こっちの世界ではなく、そっちの世界の『漢方薬のみで治療できるなんて医者も患者も思っていない者同士』で「適当なマニュアルの漢方薬処方を勝手に税金無駄に使って、楽しんどいて」と言いたいです。

医者は漢方をわかっていないことを自覚したほうがいい

よくあるのですが、風邪なんかで、病院にかかったら漢方の医学理論を知らないのに漢方薬を処方することがあります。

そこまでは「勝手にすれば」という感じ。

問題は、ここから、『うちの病院の漢方薬は強いやつだから、他で飲んでいる漢方薬は止めて』って指示してるのです。

別にこれも、ある方向性から見れば、間違っていないです。

先表後裏といって、漢方では表の病から先に治すという法則があるので。

ただし問題は何かというと『うちの漢方は…』と説明しておきながら、その医者本人が『漢方自体のことの体質(証)のことも実は、分かっていない』ことが大問題なのです。

なぜ、わけがわかっていないと言えるかというと、漢方薬を選ぶために必要な全身の問診をとっていないからです。

もはや、この時点で漢方治療としては絶対にアウト!!なのです。

そもそも、元々、その患者さんに、うちから出している漢方薬の種類や体質をまったく聞こうともしていません。

そんな重要なことを知ろうともしないで、漢方薬を処方する行為そのものが、漢方治療をわかっていなことを自ら証明しています。

『今まで何の漢方薬をを飲んでいるのか?』も知らないし、『自分が処方する漢方薬の本来の効能効果や治療のこと』も、何もかも分かっていないのです。

まるで子供が訳も分からずに大人のマネをするように、誰かの受け売り(漢方薬メーカーなど)の本を見て、それを腹話術のように、ただ単に説明してるだけ。

うちの患者さんは『漢方治療とは何か』をなんとなく理解されている頭の良い方が多いので、こんな事態になったときに『お医者さん、こんな、意味不明なことを言ってますが、どうしたらいいですか?」って飲む前に僕に確認の電話連絡をしてくれます。

『患者に気を使わせてんじゃねーよ!』という感じ。

そんな風に患者さんを困らせているの知らないんだろうな。

漢方薬を販売ではなく治療として使いたいなら、マニュアルを見るだけじゃなく漢方薬治療の理論(体質分析など)を勉強しようよ

西洋医学の化学合成薬品をルーティンワークで回すのに必死で、そんな気はサラサラないだろうけど。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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