漢方薬相談ブログ

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間違った病院の利用方法と漢方薬の使い方

漢方のことを深く勉強するほど、今の世の中の西洋医学と漢方薬の使い方や使う場面って間違っているなと感じています。

特に間違っているのは『西洋医学があまりに万能的に思われていること』です。

西洋医学は「検査」や「手術」などの技術は素晴らしいですが、治療に関しては多分、みなさんが思っているほど結果を出せてません。

「病院で治してもらわなくちゃ!」と思って行ったところで、結局、スパッと治ったのか、治らなかったのかよくわからない人や、結局、病院に通っているだけで治っていない人って多いのではないですか。

特に感染症が少なくなった現代では、西洋医学はすでに大きな壁に当たっているではないかと考えています。

その理由を説明しますね。

いろいろな病気は漢方で治せる

理由の1つは単純に僕自身の漢方の治療の腕が上がって、いろいろな病気を治せるようになって、漢方の根本治療と病院の治療の違いが見えるようになってきたからです。

うちの家族は、ほぼ病院に行きません。

行くとしたら、検査が目的です。

どうしても手術が必要か特殊な薬が必要でない限り、医者に治療してもらおうとは思ってません。

例えば、風邪とか湿疹なんかだと、漢方薬2、3袋で治るので、わざわざ、病院に並ぼうとは思いません。

2つ目の理由は、僕自身、人生で2度、健康上の大ピンチに陥りましたが、その時に西洋医学は、見事に役に立ちませんでした。

僕自身の経験上では、4針縫ってもらったこと以外で医者に治してもらった記憶がありません。

家族も治してもらった記憶がありません。

むしろ、いつ病院に行っても医者から『なんとなく歯切れの悪い煙に巻くような説明を聞かされて、結局、治らない薬を渡された』モヤモヤした記憶しかありません。

西洋医学を頼りたいけど、50年以上、自分自身の体に実績がなかったものを頼るのが難しいのです。

西洋医学の得意技と決定的な弱点

西洋医学の得意技は、『短時間で状態を回復させないといけないもの』『手術をしないとどうしようもないもの』です。

逆に慢性的な症状は治せません。

例えば、アトピーやめまいなどですね。

西洋医学は、体の中を検査によってみることができます。

しかし、「検査」はみなさんが思っているほど、何の病気があるのかがわかるわけではありません。

代表的な病気にあてはまるかどうかくらいしかわからないのです。なので、検査で問題なくても、健康かどうかはわかりません。

西洋医学の薬は『対症療法』といって、『薬の成分が体内にある一定時間だけ効いて、症状を一時的に抑えるもの』です。

薬の目的が、症状自体を抑えたり、無理やり血管を拡張させたりと、『薬の強制的な力で体の不調を誤魔化す』感じになります。

不快な症状や体内の異常な状態は、薬の効果によって一定時間だけなくなりますが、薬は一定時間で体からなくなるので、薬の成分がなくなれば、症状や体の異常な状態は復活します。

薬を飲んで、症状を無理やり抑えて、時間が来て薬が切れたら、また症状や状態が再発するという状態を延々と繰り返します。

アトピーの方のステロイド剤による治療が代表的ですね。

西洋医学の薬は『体内にはできない強制的な強い力』を発揮できることが利点です。

急激に状態が悪くなって死んでしまうかもしれない人は、病院の薬が非常に役に立ちます。

でもその効果ゆえに、自分自身の素の体の状態は変わらないので、根本治療になりません。

根本治療は西洋医学の薬の作用上、科学的にできないのです。

毎回、その都度、症状を抑えるだけなので『1歩進んでは1歩下がる』という治療を延々と繰り返します。

弱点に拍車をかける医者のマニュアル思考

僕と僕の家族の個人的な経験からですが、医者はマニュアル的に仕事をしている感じが強いです。

それが、また西洋医学の弱点を増長させています。

これは個人を診ない西洋医学の利点が弱点になっています。

西洋医学では『個人差』という概念はないので、誰にでも同じ治療をします。

その性質が、いつのまにか、マニュアル的にベルトコンベアー式で薬を処方することにつながっているように思います。

その証拠に診察の現場で『本やマニュアルではなく、あなた自身の経験と考えから、今後の治療の見通しや見解を教えてください』と聞くと、

大概、『治療の保証はできない』トンチンカンな返事が返ってくるか、逆ギレ、スルーとなります。

何度も『治療保証をしてほしいのではなく、あなたの責任においての考えを聞かせてほしい』と言っても、話が通じないのか通じないフリをします。

病気が治らない病院の使い方

「患者さんが病院の使い方を間違っているなー」と思うのは『病院に長期間、通うこと』です。

薬は飲み続ければ治るなんてエビデンスはありません。

むしろ、エビデンスとしてはっきりしているのは『飲んだ1回毎に症状が抑えられるだけ』というもの。

「何ヶ月か飲み続けたら…」

「何年か塗り続けたら…」治るなんて科学的根拠はありません。

つまり、病態によるでしょうが、通常は1ヶ月以上も通うのがおかしいのです。

※遺伝などの問題や糖尿病などで、ある薬を飲み続けないと体の機能が保てないことがはっきりしている状態の人は別です。

しばらく病院の薬を飲んでみて『やめてみる』

特別な病気でない方は、この『やめてみる』が重要です。

病院の薬をやめてみて症状が再発したら、その医者は今後もおそらく治せません。

ゴリ押しで通ったって、病院の薬の治し方が、理論的、化学的に根本的に治すように作られていないから、通ったって意味がないのです。

100歩譲って、病院に通うなら、とにかく一度、治療をやめてみて、再発したら、今後、どんな治療方針や計画で治るのか、その医者自身の考えや見解を聞いたほうがいいです。

なければ『治す根拠も自信もない』ということです。

治療保証は確かにできませんが、治す自信もない頼りない人間に頼る必要もありません。

漢方薬は解決策なのか?

慢性病を根本的に治したいなら漢方薬は解決策になります。

しかし、ここで1つの問題があります。

『漢方治療がなぜ、根本的に治せるか』というと、人それぞれの体質に合わせて、その人独自の体の弱点をどんな風にフォローすれば、元の健康な状態に戻るかを考えることができるからです。

ここで勘違いしてはいけないのは、漢方薬は病院の薬と違って、「不思議効果」で根本的に治すわけではないということ。

不思議効果というのは、医者がよくやる、アトピーに十味敗毒湯を出したりする根拠もくそもないやつです。

漢方薬は体をフォローする一つの方法にすぎません。

漢方治療の真髄は、生活全体をその人の体質に合わせて調整することにあります。

食事、睡眠、運動、ストレス、環境などなど、いろいろな要素が体を不調に陥れていて、無数の細かな原因が体の機能のズレを起こしているのです。

なので、漢方治療で重要なのは、『あなただけの体質を知ること』『あなたの生活と病気の原因の関係を知ること』なのです。

残念ながら医者は漢方薬の効果を実はわかっていないのに使っています

西洋医学の薬と同じような考え方で『漢方薬は病気や症状をなんとなくの不思議効果で治すもの』だと思って、マニュアル的に選びます。

最も、重要な『あなただけの体質』『あなたの生活やストレス、環境』を知ろうとはしません。

だから、医者の処方する漢方薬『病院の薬もよりも乏しい根拠(単なるマニュアル)で選んでいるワンランク下の頼りない薬』ということになるのです。

病院の薬はキツイからと医者に漢方薬をお願いしても、自分の考えがないマニュアル思考を駆使して、体質や生活、ストレス、環境も調べずに、効かなさそう薬をわざわざ選んで処方しているのです。

ですから、これからは病院をちゃんと有効的に使ったほうがいいと思います。

1 病院の薬を一度、やめてみて症状が再発しないか、治ってきているかを確かめる。

2 再発した場合は、マニュアル的でない、その医者自身の今後の治療方針、見解や見通しを説明してもらう。

3 漢方薬を処方された場合は、自分独自の体質や生活、ストレス状態、環境をしっかり調べてもらった上で体質に合わせて選んだかをチェックする。

ちなみに、しっかりと体質分析して、治療方針を考えて、漢方薬を選び医者には、今のところは会ったことも聞いたこともありません。

この3つのことを行って、『本当に病院に通わないといけないのかどうか? 』を考えられたほうがいいかと思います。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯ オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢方処方応用の実際:南山堂
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅠⅡⅢ:薬局新聞社刊
◯ 平成薬証論:メディカルユーコン

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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