漢方薬相談ブログ

通院している病院を変えたところで、治ることがないその理由

通院している病院を変えたところで、治ることがないその理由

  1. 短期間で6つの病院を転院しました
  2. 問題は対症療法
  3. 病院の治療はガイドライン(マニュアル)に沿って行われる
  4. どうせ転院するなら振り切った病院
  5. 紹介状は、ただの事務手続き?

長年、同じ病院に通っていて、病院を変えたほうがよいかどうかを悩まれている方って結構いらっしゃいます。

転院したい理由は…毎回、同じ治療というか、ぶっちゃけ、『同じ薬を処方されるだけ』で、症状も悪いままで特に変わらないか、ひどいと、どんどん体の状態が悪くなってきていたり…

そりゃ病院を変えた方がよいと思いますよね。

でも、僕は病院を変えたって、あまり意味がないと思うのです。

その理由は、漢方的にどうとかといった問題ではなく、そもそも『西洋医学の構造』にあります。

今回の記事では、実際に短期間で6つの病院の診察を受けてみた話から、病院を変えても治療的に良くならない「病院の構造の問題」を解き明かしていきたいと思います。

いつまで経っても治らないからと病院を変えようと思っている方は、もしかしたら無駄になるかもしれないので、こちらから読んでから考えてみてください。

短期間で6つの病院を転院しました

昔、人差し指の靭帯を断裂?して、短期間で6つの病院で診察を受けました。

この体験に関しては「自分の拘縮の治療日記(病院治療編)」

「自分の拘縮の治療日記(漢方鍼灸治療編)」

を読んでみてください。

病院から病院に紹介されたわけではなく、全部、初めて診察するフリをして、病院ごとに診察や治療が、実際にどんな風に変わるのかを見てやろうと思い、次々に病院を変えていきました。

結果、どこの病院にも共通していたのは『ハッキリした診断も治療方針もなし!』

どこの病院も、骨折?断裂?みたいな、自信なさげに「?」がつく迷診断ばかり。

「今は、こんな状態だから、こう、こう、こうして治していきましょう!」なんて、具体的な話をしてくれる病院は6件のうち1件ももありませんでした

簡単に言えば、全部、自信なさげ頼りない曖昧。←「お医者さん、これでいいの?」

逆にハッキリと自信をもって断言してくれたのは、『絶対に治らない!』ということだけ。

ハッキリと言ってくれたのが、手指の怪我専門の大病院という、なんとも悲しい結末。

実際にいろいろな病院に変えたところで、『どこも医者は頼りない』ということが、わかっただけという皮肉な結果となりました。

問題は対症療法

なぜ、こんなことになるのでしょう。

それは、西洋医学は『治療が対症療法である』ということと『マニュアルに沿って行う標準治療』だからです。

西洋医学は、人それぞれの体質をみて治療はしません。

これはやらないのではなく、そういった性質の治療ではないのです。

西洋医学は、もともと菌やウィルスを治療するための医学でしたので、わかりやすく言えば、『個人差が関係ない誰にでも効く薬』をつくってきたのです。

ですので、西洋医学では治ることをパーセントで表します。

ある薬を使ったら、『100人中、40人には効く』という確率論です。

効かなかった60人がなぜ効かないのか? そんな理由は考えません。

『とにかく、40人には効くんだから使ってみたら?』という感じです。

例えば、アトピーの人にステロイドを処方して、その人が効かなくても、その効かない理由はわかりません。

効くはずなんだけど…と言われるだけです。よく聞くセリフでしょ。

全てがこんな感じです。

また対症療法の薬は、一定時間、症状を抑えるだけの薬なので『飲んだら効くかどうか?』だけの短期間で答えがハッキリする考え方しかありません。

病院の治療はガイドライン(マニュアル)に沿って行われる

『今日の治療指針』『メルクマニュアル』『◯◯病のガイドライン』というものを見ていただくとよくわかりますが、どの医者も、これらのマニュアル通りに診察、治療しているところがほとんどです。(もしくはこういったガイドラインの時間短縮させた手抜き版)

当然、治療に使う薬もどこの病院も同じです。

「いや、処方された薬の名前が違う」と思うかもしれませんが、メーカーが違っていたり、ジェネリック品だったりするだけで、薬の成分は、大体、同じです。

逆に西洋医学では、病院ごとに個性的に治療方法が変わっても困るのです。

なぜなら、西洋医学は、感染症や怪我の治療が基本になってきた経緯があり、更に公共の福祉的な立場でもあるので、行く病院、行く病院で個性的だと困ります。

「あそこの病院では治るのが、こっちの病院ではひどくなる」では困るのです。

そもそも、ガイドライン(マニュアル)に沿って、診察し、同じような薬を使うわけですから、どこの病院に行ったところで変わるわけがありません。

いわば、餃子の王将みたいなものです。

標準のメニューや材料が決まっていて、ランチのセットメニューだけが微妙に違うみたいな感じです。

よほど、変わった病院でないと、それくらいの違いしかないので、病院を変えたところで、結局、治療が変わらないわけです。

ただし、手術や外科的処置に関しては、単純に『治療者の腕』にかかっていますので、手術や処置が必要な病気の場合は、腕の良さそうな病院に変わることは、良いことだと思います。(その腕が良いかどうかを素人の人が判別するのは不可能だと思いますが…)

どうせ転院するなら振り切った病院

どこの病院もマニュアル的なまったく同じような治療というわけではありません。

ごく、ごく、たまに振り切った治療方法をとっている病院もあります。

例えば、『アトピーなら、ステロイドを一切、使わない』とか逆に『ステロイドずくめにする』とか。

治るか、治らないかは別として、振り切った治療方法をとっているところはあるので、どうせ、病院を変えるなら『他でそんなの聞いたことない!本当に大丈夫なの?』と怪しげに感じるくらいのところを選ばないと病院を変える意味がないように思います。

もはや、より治すために病院を変えるというよりは「チャレンジ!」ですね。

なぜなら、それくらいのインパクトがないと、診断や処方される薬に大した差がないからです。

もしくは、僕のように1週間1病院で1ヶ月間で4つの病院でかかるくらいの方がいいです。

転院して、また、そこで何年か、なんとなく治療するよりも、最初にいくつかの病院に行ったほうが、明確に比較できるので『病院って結局、こんな感じなんだ』ということが、よくわかります。

ちなみに僕が行った病院の種別は、

1 入院もできる整形外科
2 近所の流行っている開業医の整形外科
3 元大学病院のリウマチの権威の専門家が開業した整形外科
4 スポーツ専門整形外科
5 手指の手術で権威のある大病院
6 鍼灸学校と併設されている東洋医学的テイストのある整形外科

とバリエーション豊かに行ってみて、最終的に全ての病院で『絶対に治らない』という診断をもらって、結局、自分の漢方薬と鍼で治しました。

心配しなくても次々に病院を変えたって、「次々に変えてますね」なんて、怒られません。

自分が言わなければ、医者は気づきもしません。

むしろ、全部、初診のフリをしていったほうがいいです。

なぜなら、前の病院の診断のことを話すと、結構、それに乗っかろうとする医者が多いからです。

割とそういうセコイ感じでやってますので。

特に前の病院が権威のある病院だったりすると、『上の先生に従う』みたいな暗黙のルールがあるかのようになります。

でも、そうなると毎回、一から、説明しないといけないので、紹介状を書いてもらった方がいいのでは?と思いますよね。

これも意味がないのです。

紹介状は、ただの事務手続き?

昔、指の骨を折ったことがあります。

その時に病院を変えることになり、紹介状を書いてもらいました。

念のため、自分のレントゲン写真も貰っておきました。(これは自分でレントゲン写真をくださいと言いました)

そして、病院を変えて紹介状を渡したのですが、『また一から説明』『また一からレントゲン』

レントゲンに関しては前のものを持参したにも関わらず、また撮るとのこと。

そう、紹介状は、本当に名前、住所を書いた紙を渡しているだけで、ただの『事務的な手続き』だったのです。

よほどの特別な病気や手術でない限り、紹介状を書いてもらったって意味がないのです。

だったら、サッサと自分で初診のフリをして行ったほうがよいです。

余分に初診料はかかりますが、本当にしっかりした病院を見つけられるなら、必要経費だと思います。

(結局、見つからないんですけどね)

どちらにしろ、どの病院も問診は私たちが考えているほど、自分のことを聞いてくれません。

「いつ、どこでどの部分がどうなったか?」を簡単に話して終了!どこも同じです。

短期間で6つも病院を変えたおかげで、『どこの病院も治せない』ということがわかって、腹をくくって、漢方で治すという覚悟ができました。

あくまで僕の経験に基づいた話ですが、病院を変えるなら、似たようなところではなく、振り切った評判の病院か、短期間で何箇所も行ったほうがいいかもしれません。

セカンンドオピニオンどころか、ファイブオピニオンですね。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
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日本皮膚科学学会

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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