漢方薬相談ブログ

良い漢方医の見分け方(漢方の名医の条件)

良い漢方医の見分け方(漢方の名医の条件)

  1. 名医って、そもそもどんな人
  2. それって名医なの?
  3. 漢方の名医の条件とは?
  4. 漢方の名医の探し方

漢方関連でネット検索していると『漢方 名医 大阪』とか『漢方 名医 東京』みたいな検索候補の言葉が並んでいます。

みんな、漢方薬に体質改善や根本治療を期待していると思うので、そりゃ、漢方の名医と呼ばれる、ヒゲのながーい仙人みたいな先生にみてもらいたいのだろうなと思います。

漢方は副作用がないように思われがちですが、体質と合わない漢方薬は、副作用を起こしたり、異常な体質にしたりしますので、なんとなく漢方を出してもらうのではなく、絶対に名医にみてもらったほうがいいです。

漢方は業界的にも、実は漢方のことなんて全くわかっていないのにわかっているフリをしている医者や先生があふれているので、なおさらです。

今回のお話しでは、『漢方の名医を探すための条件3つ』を紹介したいと思います。

この条件を踏まえて病院なり、漢方のお店を探していけば、名医が見つかるかもしれません。

まずは西洋医学では名医ってどういう条件なのかを考え、比較しながら、次に漢方の名医の条件を解説していきたいと思います。

名医って、そもそもどんな人

例えば、ゴッドハンドとよばれる神のような手さばきを持った外科医。

ドラマでも出てきそうですね。

これは、文句なく名医です。

外科医の先生が名医なのは、知識もさることながら、やはり外科で必要なのは、『才能に裏付けされた手さばき』『臨機応変に対応できる頭脳』です。

手術の手さばきは、医学というよりも、裁縫や楽器ができる能力の方に近いんじゃないかなと思います。

つまり、これに権威は関係ないです。

『才能』と場数である手術の『経験』がものをいいます。

ギターの早弾きや多彩なピアノが弾ける才能と同じで、有名な音大を出てたって、才能がなければ絶望的です。

かしこそうな医大出身とか、◯◯教授なんて権威や名前は、全く役に立たないし、どうでもいいことです。

ギターやピアノなど、楽器をやっている人はわかると思いますが、手先の器用さは、大半が才能、そして、残りが、これまた誰も真似できないレベルの努力です。

どっちにしろ、ほとんどの人間は、レベルの高い大学に行こうが、努力をしようが名医になれないと思います。

次に大きな名の知れた大学病院の先生。

権威に弱い人は、名医と思うかもしれませんが、そもそも病院で使う薬って、どこの病院で診察を受けても、ほぼ同じなんですよ。

いわば、スターバックスなどのメニューと同じで、どこでも基本は同じです。

都心のモダンな雰囲気のスタバで飲むコーヒーも田舎のロードサイドのほんわかしたスタバで飲むコーヒーも同じものです。

特殊な病気なら、その病気特有の臨床例というものが役立ちますが、よほど特殊な病気でなければ、大学病院も町医者も大して違わないと思います。

例えば、特殊な病気でなくとも、大きな病院なら、臨床例というものが、たくさんあるかもしれないですが、小さな病院も大きな病気も出す薬は同じ。

そもそも、西洋医学は一人一人の体質の違いなんてみませんので、どの人にも同じような処方をマニュアル、コピペでやってます。

となると、たくさんの人を診察していても、同じような経験をするだけなのです。

毎回、マニュアルをみてやっているだけなので、進歩がなさそうです。

権威や名の通った医者は、同じ医者同士なら、そういったものが役立つかもしれないですが、患者さんの治療にあまり関係ないですね。

それって名医なの?

その次に口コミで有名な病院というものもあります。

そんな有名病院には名医がいそうですね。

ところが、うちで、『有名な名医の先生のところに行ってきた!』という人に、「どんなところが名医だったのですか?」と聞くと、大概、具体的な答えが返ってきません。

「待合室がキレイだった」とか「あまり、待たされなかった」とか「優しかった」とか。

これって、名医の条件というより、医療の場所や医療人としては普通のことですよね。

肝心の治療に関しては…全く話に出てきません。

話題に出てきたとしても、単に、きっつい薬を処方されていて、きつい目の薬は、症状を一時的に抑える力も強いので、それが「よく効いた!だから治る」ということと勘違いしているケースが多いです。

何が言いたいかというと、皆さん、『漢方 名医 大阪』とか『漢方 名医 東京』とか調べているようですが、馴染みの深い西洋医学の病院すら、何をもって名医なのかをわかっていないことが多いと思うので、そもそもの『名医の条件自体』を勉強するか、『自分が治療に何を求めているのか?』をハッキリさせないと、結局、『ネット上でどこの誰かもわからない人が、名医って言ってる怪しげな口コミ』を頼りに『迷医』を探すことになると思います。

漢方の名医の条件とは?

漢方でも当然、同じで、ネットによくある匿名のどこの馬の骨とも知らない人が、口コミされている先生や、雑誌やテレビで見たことある先生が名医とは限りません。

そんな薄っぺらい、上っ面だけの名医ではなく、名医には『名医になる条件』があります。

それは、漢方って、そもそもどんな治療なのかを考えれば、名医の条件が出てきます。

【漢方の名医の条件】

1 保険適応の漢方薬ではないこと。

漢方薬は、人それぞれの体質(証)に合わせて選びます。

当然、体質を分析、判断しなければ始まりませんので、特別に『東洋医学的な体質を知る為の問診』をとる必要があります。

保険適応の漢方薬にありがちな、漢方の問診をとらないで、病名マニュアルだけで漢方薬を処方している先生に名医がいるはずがありません。

本来は、患者さんの体質も知らずに処方は不可能だからです。

保険適応の漢方薬を扱っていて、東洋医学の問診をしっかりとっているところなんて、「ない!」と断言できます。

なぜなら、東洋医学的な問診は時間がかかるからです。

例えばう、ちなら初回の問診だと最低でも30分はかかります。

それに、やややこしくてわかりにくい漢方を説明するのに15分。

最短でも1人45分かかります。

保険適応の病院で、1人の患者さんに十分な時間をとっているところなんて見たことも聞いたこともありません、3分診療が当たり前ですから。

また、医者が長年学んできた、どこかに答えのあるマニュアル脳と体質の分析をする推測の能力は真逆的な脳の使い方になります。

保険適応の漢方薬を扱っている名医も、もしかしているかもしれないですが、一生の中で会えるかどうか、かなりの強運がいると思います。

少なくとも漢方業界を十分に知っている僕は、約24年間の中で1人も会ったことがありません。

2 体質の説明が東洋医学的にできる。

漢方は本来、西洋医学とは何の関係もありません。

漢方薬は東洋医学というルールで扱うものです。

ですので、漢方薬は『東洋医学的な体質』に合わせて選びます。

東洋医学的な体質というのは、【胸脇熱の証】とか【肝脾不和】などの病的な状態になった体質のことです。

これを説明できなければ、漢方薬を選べません。

病院や大体の漢方薬局で実際にやっていることは、漢方薬メーカーがつくった病名マニュアルを見て選んでいるだけ。

そもそも漢方的な『体質』という定義すらわかっていません。

なんだったら、漢方薬を処方してくれている先生に『体質ってどんなものなのか』『漢方薬で治る理屈や根拠』を聞いてみてください。

処方している先生自身も、東洋医学の体質のことを理解できていないので、説明できないと思います。

当然、それでは名医にはなれません。

3 漢方薬の効果や副作用を飲む前に説明できる。

漢方薬の効果というのは、『何かの症状を抑える』というものではありません。

漢方薬にはそんな効果も成分もありません。

漢方薬は、体質に合わせて選びます。

漢方薬は、直接、症状を抑える成分があるわけではなく、『分析した体質を調整するもの』です。

例えば、PMSの方が「血の巡りが悪い」、「肝臓が熱を持ちすぎて疏泄ができてない」などの体質だと判断すれば、血の巡りを促し、肝の臓の疏泄を促す効果のあるものを選びます。

漢方薬が体質と合っていたとわかるのは、飲んだ後ですので、体質を分析、判断して、ベストだと考えられる漢方薬を選んでも、その漢方薬が絶対に効くとは限りません。

だからこそ、飲み始める前に、その漢方薬が、どこにどう効いて、「もし、どんな症状が現れたら、それを副作用と判断するのか?」が事前に説明できないといけません。

漢方の名医の探し方

これら3つの条件は、どの条件も普通に考えたら、医療のプロなら常識的にやってなければ、おかしいことですが、ほとんどの病院や漢方薬局では、これらが行われていません。

ネットで『漢方 名医 大阪』とか『漢方 名医 東京』と調べるなら、サイトを見るときに、この3つの条件に照らし合わせていったほうがいいです。

「あきらめないであなたの病気」とか「根本的に体質改善します」なんて空っぽな感情を刺激する宣伝文句ではなく、「どんな考えで東洋医学的な体質を分析、判断しているのか?」、「あなたのために選んだ漢方薬の根拠を説明できるのか?」を調べたほうがいいと思います。

サイトでよくわからない時は、いいことしか書いていないサイトを眺めていても、何も解決しないので、直接、電話で問い合わせてみましょう!

問い合わせは、タダなので、このブログの条件を照らし合わせて、「多分、偽物だろうな」と疑いながら、今の悩みをストレートにぶつけて反応をみれば、漢方医としての知識、思考、ポリシー、プライドを持っていない奴の曖昧な説明(言い訳)は、医療知識のない患者さんでも感覚的にもわかると思います。

その時の直感は信じていいと思います。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯ オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯ コタロー漢方医療用漢方製剤マニュアル
◯ クラシエ医療用漢方製剤マニュアル
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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