病院の治療の欠陥と漢方薬の間違った使い方(慢性病)
何年も病院に通っていても良くならない人。
例えば、アトピーで悩まれている人。
ステロイドやプロトピック、シクロスポリンなどの薬を使っていたら、湿疹は出ないし、かゆみは治ります。
たまに「ステロイドを使っていたら、かゆみは治っています」という人がいるけど、ステロイドを使っていれば、かゆみが治るのは当たり前で、本当はステロイドをやめても湿疹も復活しないことが『治っていること』になります。
かゆみや湿疹は治っているのではなくステロイドの効果のある一定時間だけ一時的に抑えているだけの誤魔化しでしかありません。
シンデレラの魔法のようですね。
薬の効いている何時間かだけ、夢(症状のない自分)が見れるみたいな。
PMS(月経前症候群)がひどくて、ホルモン剤を何年も飲んでいるけど、結局、PMSの症状は大して変わらず、薬を飲む前よりも月経周期が短くなったりしている人もいます。
最早、一時的にも治っていません。
冷静にみたら、徐々にひどくなっています。
でも、『なんとなく長年、薬を飲んでいれば治る』という、これまた夢にすがって無意味に続けることになります。
病院の治療には、とんでもない欠陥があります。
医者は、その欠陥に気づきもしてないのか?
儲けのために隠しているのか?
本音を聞いてみたいところですが、どうせ正直には答えてくれないでしょう。
この欠陥に気づいていないと、あなたの病気は延々と治らないどころか、徐々に徐々に取り返しのつかない体になっていきます。
西洋医学も漢方も正しい使われ方がされていない
病院の治療のとんでもない欠陥というのは、病院で処方される薬は『一時的に症状を抑えたり、一時的に無くしたりするだけ』のものということです。
薬を飲んだ1回ごとに効果があるだけなので、薬の効果の時間が切れれば、症状は復活し再発します。
『薬を飲んだら症状が抑えられて、薬の効果が切れたら症状が再発する、また薬を飲んだら症状が抑えられて…』
1日ごとに終わる治療を延々と繰り返します。
飲み続けたら効果が積み上がっていって、徐々に体質が変わって、病気が治るということはありません。
残念ながら、この作用は、僕が漢方からみて言ってるのではなく、『薬の化学的な証拠』としてわかっていることです。
厚生省から処方してもよい薬として承認されるためには、飲んだ薬の成分は一定の時間で体の外へ出されなければいけない必要があるからです。
つまり科学的に1回ずつ、使い捨ての効果のようにしか効かないことを証明しなければ、薬として認められないのです。
なので、病院の薬は対症療法といって原因を治すものではない治療です。
病院の治療の重大な欠陥と言いましたが、欠陥に当たるのは長年、治らない慢性病に対してです。
それ以外のワクチン、予防接種、一部の抗菌剤(全てではない)、救急救命、歯の治療、出産、外科手術、臓器移植後の薬を飲み続けないと健康が保てない状態などの病気は西洋医学の得意分野であり、利点でもあります。
要するに内科や皮膚科などの薬を使っているだけの治療は『応急処置はしておくから、後でどこかでちゃんと治療はしてください』というようなものです。
だから、何年経っても、あなたの病気は、いつまでも治ってないでしょ?
その都度、症状が抑えられているだけなのです。
漢方は慢性病の治療を得意とする。
僕の西洋医学の師匠は細胞顕微外科医なのですが、その師匠に「西洋医学の薬は一時的に効果を無くすだけなのに、なぜ長期間、同じ薬で治療し続けようするのですか?続ければ西洋薬でも根本的に治るのですか?」と聞くと…
「一時的に症状を抑えるだけの対症療法の薬で根本的に治るわけがないし、科学的根拠もない!」と即座に答えられました、
「では、なぜ、ずっと西洋薬を出し続けているのですか?」と食い下がると。
「西洋薬ばっかり出すのは日本だけ。僕は漢方医にまわすよ」と言われました。
(そうだった。師匠はバリバリの科学の人だったので、失念していましたが上海の人なので、当たり前のように漢方を使う国の人だったのです)
やっぱり、常識的に考えた通り、初期の治療はとりあえず、西洋薬で対応してみて、何週間かでその病気が治らなかったら漢方の出番なのです。
病院は漢方の使い方も間違えている。
「それだったら、最近は医者も漢方薬を処方するじゃないですか」と言われそうです。
でも、保険適応で漢方薬を処方している医者は、慢性病の治療に良いはずの漢方薬の使い方も間違えています。
実はほとんどの医者は、漢方薬を使うための『診断方法』や『治療方針の構成の方法』を全く知らず、考えることもできないので漢方薬のメーカーから貰ったマニュアルや資料をみて、西洋医学の病名や症状に当てはめて漢方薬を選んでいるだけです。
以下はツムラの漢方薬を処方しいてる医者は漢方の医学理論のことを知らないことについて書いたものです。
当然、正しい使い方をされていない漢方薬は効果を発揮しません。
下手すれば、余計に体質が悪い方に変わっていって病気がひどくなります。
また漢方治療は漢方薬を続けていれば、勝手に治っていくものではなく、常に『その漢方薬が体質に合っているのか?』『根本的に治るというゴールに向かって治療が正しく進んでいるのか?』を患者さんと一緒に確認する必要がありますので、最初に処方した漢方薬をダラダラと続けてもらったら、いつか治るなんてファンタジーな医学ではないのです。
漢方薬を選ぶ以外に『体質診断』と『治療方針』、そして『飲んだ後の検証』が全部セットになっていないと漢方治療として成立しません。
保険適応の漢方薬の場合は、医者が治療のために漢方薬を処方するというよりも、保険で安くなった漢方薬をただ販売しているだけで、知識のないドラッグのアルバイト販売員とやっていることは対して変わらない感じです。
漢方薬の正しい使い方
漢方は慢性病だけでなく、風邪やヘルペスなど急性病にも使えます。
ただし、どちらかというと慢性病を根本的に治す方が得意で、急性病を治すには、そうとうな漢方の腕が必要です。
また、急性病の場合は西洋薬の方がはるかに効き目が早く良い場合が多いので、急性病の場合は西洋薬の治療の方が良い場合もあります。
(風邪に関しては漢方の腕は必要になりますが、漢方薬の方がはるかに効果的です)
詳しくはこちらの風邪の漢方薬は葛根湯だけではありませんをお読みください。
漢方薬は保険適応の医者がやっている方法とは違い、本来は病気の原因である『証』を診断し、その証を治す漢方薬を選びます。
西洋医学が得意な菌や急性病、怪我などの原因は一時的なもので、なおかつ外的な要素ではっきりしていることが多いです。
例えば膀胱炎は菌がどこからかうつったとか、怪我は事故が原因だったり、ものすごく寒くなって下痢になったり。
急性病とは昔からずっと続いている症状ではなく、1、2日前とか、さっきなった病気です。
これは一時的に症状を無くす西洋薬で治ります。
しかし、慢性病は原因が一時的でもないし、事故など外的な要因でもなく、自分自身の生活や遺伝などから発生し、原因も複数にまたがり、決定的な1つの原因というものは存在しません。
『いろいろな原因が複数、重なって今の慢性病が続いています』
ですから、その原因となる状態を調整しないと根本的には治らないので、現在の生活を病気が治るような生活に整えていくことも必要です。
また、漢方薬は飲んだ後の体調を確認して治療を進めていくので、治療方針の計画を立てておく必要もあります。
西洋医学の正しい使い方。漢方の正しい使い方
西洋医学の得意な分野は外的な1つの原因で昨日、今日になったような病気か、急激に悪くなってきた病気、一時的な病気です。
慢性病は西洋医学では根本治療できないので病気にもよりますが、1、2ヶ月通院して薬をやめてみて治っていなければ、後はいくら通っても治りません。
(ただし薬を一生、使い続ける前提であれば治っていることになります)
また、保険適応の漢方薬は医者が正しい使い方を何一つしていないので、漢方薬を使って根本治療はできていません。
正しい使い方をした漢方薬は、急性病も慢性病も治せますが、どちらかというと慢性病の治療の方が得意です。
ただし漢方薬は病的体質である証が診断できて、体質に合わせた生活養生が指導できて、治療方針を立てることができて、治療がうまくいっているかどうかを確認できる先生でないと漢方薬は効果を発揮しません。
残念ながら医者(外科手術や救急治療と関係ない医者)は西洋医学も漢方も正しい使い方ができていないとしか思えません。
慢性病の治療の場合は、あなた自身も治療について深く考えて望まないと医学の間違った使い方をしている医者に任せていては、ただダラダラと何年も治らずに通院することになるだけだったりします。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社
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