漢方薬相談ブログ

漢方薬相談ブログ

漢方体験談(自分)同じ不眠症でも原因が変わると効く漢方薬の種類が変わってくる

僕は4、5、6月に体調が悪くなります。

若い頃は、春一番が吹いたら、イェーイ!っと友達と海に直行してサーフィンするくらい元気だったのですが、ぶっちゃけ今は春先の冷たい海の水も体にこたえます。(でも行きますけれど)

昔に一度、店に行く途中で文字通り、道路にぶっ倒れたことがあるのですが、それ以来、肝臓に血腫ができて春になると異様にのぼせるようになり、夜中の目覚めが始まります。

それと汗疹

その時の話はこちら

死にかけた時に何も役に立たなかった医者と病院(病院編)
死にかけた時に何も役に立たなかった医者と病院(自宅療養編)

もちろん、漢方医をやっていますから、まかり間違っても、その場を誤魔化すだけの睡眠薬や睡眠導入剤、ステロイドなんてものを貰いになんて行きません。

そもそも、のぼせを治す薬なんてないしね。

どうせ薬を飲んでも再発するんだから一時的に凌いでも不毛。

当然、そこは漢方薬で治します。

今年も『のぼせと夜中の目覚めと汗疹』がやってきたので、いつも通りの処方で治そうと、毎日飲んでいる漢方薬を去年、治療に使った漢方薬に変えたのですが、これがぜっんぜん!良くなりません…

「あー、なるほど、とうとうアレが来ちゃいました?」と思いました。

なぜ、治っていた漢方薬が効かなくなったのか?

よく漢方薬に対しての誤解があります。

漢方薬というのは体質に合わせて選びますが、この体質とういのは生まれついての体質だという誤解。

生まれつきの体質も無関係ではないのですが、どちらかというと、『今現在の状態(今の体質)』を分析することが重要です。

生まれつきの体質3割に対して、今現在の状態が7割みたいな。

だから、去年と同じ「のぼせ、不眠症」に効いていた漢方薬も今年の体の状態(体質)が違えば、ぜーんぜん、効きません!

汗疹はどうも「のぼせ、不眠」と原因の経路が違うので、一緒に治せないと判断し、今回の治療として保留しました。

この今現在の原因というのは、周囲の環境や生活リズム、食事や運動、ストレスなどの要素で変わります。

ただ、漢方薬の頼もしいところは去年のものが効かなくても、今年の体の状態に合わせてちゃんと選んでいけば治してくれるのです。

ちなみに病院の保険適用の漢方薬は、体質を分析せずにツムラやクラシエなどの漢方薬メーカーからもらった病名マニュアル(単に不眠症→酸棗仁湯とか抑肝散とかが書いてあるものを選ぶだけ)を見て選んでいるだけです。

なので、ずっと漢方薬を飲んでいるけど不眠症が治らないという人は、今の状態(体質)に合わせたものに漢方薬を変えてもらったほうがいいですよ。

ただし、医者は体質を診れないので、違う漢方薬たって、またマニュアルを診てテキトーに選ぶだけです。

ちゃんと変えたいなら全身の体質を分析できる漢方医にみてもらわないと治るか治らないかは常に運任せになります。

よかったら、こちらを読んでみてください。

医者の考え方で漢方薬を処方すると効果がなくなるのはなぜか?

今年は、僕も自分の漢方薬に苦労しましたが、なんとか自分で自分の体質を再分析して、原因を見つけて治しました。

正直、今年はてこずりました。

では、どうやって治したかを順に話しますね。

自分ののぼせと夜中の目覚めの治療

のぼせと夜中の目覚めは4月中旬頃からやってきました。

去年は、のぼせは朝昼に漢方薬ではなく、ある生薬単体を飲み、寝る前に夜中の目覚め対策に違う漢方薬を飲み、それを1週間ほど続ければ治っていたのですが、それを飲んでも一向にのぼせが治りません。

ただ、夜中の目覚めは治りました。

ところが、のぼせは残ったままで、今度は寝つきの悪さが出てきました。

自分で今の体質を分析し直したところ、夜中の目覚めは腎の臓系の気の変調という証(体質や原因)だったのですが寝つきの悪さは、のぼせと共通している『肝熱と上焦熱の証』という原因っぽいのです。

ということで、夜中の目覚めを治した漢方薬は腎系の気の調整を行うものですが、この流れを組みながら肝の熱を鎮める系の漢方薬に変更しました。

この漢方薬、そのままの規程処方だと大黄というものが含まれるので、普段、普通からやや軟便の僕がそのまんま飲むと下痢になることは確定しているので、大黄がないバージョンの方を選びました。

のぼせも不眠もスッと治る

次の日、のぼせも不眠もスッと治りました。

前の夜中の目覚めがある時は、1日か2日、それもそのうちの1日のうち1回だけ飲んで治ったので、やめようかと思いましたが、念のため、3日飲もうと思いました。

ところが…

結局、元に戻る

2日目から、のぼせはもう出ないのですが同じ漢方薬を飲んでも、寝つきの悪さは治りません。

測っていないですが、寝つくまでにどうも1時間以上かかっている感じ。

漢方治療は、漢方薬さえ飲んどきゃいいという治療ではないので、多分、寝つきの悪さにつながっている
ゲームをやめようと思い、寝る前にやっていたゲームをやめ、静かに小説を読むようにしました。

でも、それが何?ってな具合で、ぜーんぜん良くなりません。

しょうがないので、漢方薬を変更することにしました。

肝熱という原因は変えず

漢方治療の体質分析というのは、あくまで予測です。

分析した体質、それに合わせて選んだ漢方薬を飲んで、症状が良くなって初めて選んだ漢方薬が合っていたと判断できます。

ちなみに病院の検査で不眠なんかの病気や症状の原因がわかると思っている人がいますが、病気の原因がわかることなんて、本当にまれで、ほとんどは検査をしたところで原因っぽい話をするための検査で、実際は原因は不明だったりするんですよ。

肝熱からの上焦熱という診断は変えないで治療は続けようと決めました。

そして、漢方薬には肝熱や上焦熱を治す薬は1種類だけでなく何種類もあります。

治らなくてもいくらでも試せると言えますが、逆にどれが合うのか選ぶのが難しいともいえます。

とにかく次は、真っ向勝負で、肝熱の不要な熱をストレートに沈めるもの専門という漢方薬にしました。

料理でいったら、カツカレーとかでなくカレーのみの味にこだわったドノーマル正統派といった感じです。

もしかして寝つきの悪さと汗疹も関係している?

これも寝つきがスッとよくなりました。

でも、また次の人からアウト。

なんとなく飲み続けたからってダメだろうという感じがあったので、飲み続けるのはやめました。

(飲み続けてダメだろうというのは自分自身だからわかることで、患者さんの場合はものすごく細かな変化は捉えられないので、ここで紹介している飲み方はあまり良い方法ではありません。)

そして、もしかして汗疹と寝つきの悪さが原因のところで関係してるんじゃないかと思い、肝熱の不要な熱を取りつつ、血に宿った不要な熱を取り、汗疹をひかせる漢方薬に変更しました。

汗疹と寝つきの悪さは別だった

汗疹はほんのちょっと良くなりました。

おそらく、この処方を続ければ汗疹は完全に治ると思います。

でも寝つきの悪さはどこ吹く風。

今日もウダウダ、モヤモヤ、なかなか眠れません。

この漢方薬を続けてもいても寝つきの悪さは治らない。

そして、漢方薬は飲む種類を複数にすればするほど、ややこしくなって、どれもが効かなくなるので『汗疹は保留』にしました。

でも、汗疹も実はいつでも治せると思って舐めてたので、思いっきり掻いていたのです。

なので掻くのを指の関節の後ろで抑える風に変えると治りました。

今まで飲まなかった漢方薬で治るがしかし!

結局、今まで飲んだことがなかった消化器の気を補い、体力を高めながら肝臓の熱を取るという漢方薬で寝つきの悪さが解消し、汗疹も治ってきました。

今で1週間経って良い状態が保てているので、今回の漢方薬で合ったっぽいです。

体的にはよかったのですが、がしかしショックです!

というのもこの治った処方、去年まで治してきた漢方薬よりも深くて強いもの。

漢方薬が深くて強いというのは、体の状態がひどくなっているということです。

去年と違う要素は…

夜中のゲーム?

今年の季節が異常だから?

でも、恐らくその原因は老化です。

やっぱり50歳に近づいているので、体がポンコツになってきているのだと思います。

体がポンコツになっているので、その分、強めの漢方薬を選んでいく必要がるのですね。

漢方薬は、年齢なり、原因の違いなりに合わせて選ぶというのはわかっていましたが、自分の身でより強い漢方薬が必要という体験をするのは、なんともショックでした。

治ったのにショック。

ちなみに漢方薬は原因に合わせて選びますが、この原因というのは不眠なら不眠、のぼせはのぼせなど、1つ1つの症状で選びません。

全身の症状を全部、ひっくるめて考え、どの臓器やどこの状態が大元になっているのか、『証』とういうものを見極めないとダメなのですね。

ですので、効かないから、症状ごとに漢方薬を出してもらうのは余計にややこしくなり、下手するとそのせいで副作用に見舞われますので、お気をつけください。

漢方薬の副作用に関してはこちらから

漢方薬の副作用が病院の薬より怖い理由

●不眠症、汗疹、のぼせなどで、お悩みの方は、こちらの「漢方無料相談」から送信してください。

●お問い合わせは、こちらから送信してください。

●店頭相談のご予約は、こちらから、ご予約ください。(店頭も初回の相談は無料です)

日本全国オンライン相談受付中!

※全国(青森、岩手、仙台、東京都、群馬、神奈川、富山、福井、滋賀、名古屋、京都、奈良、大阪、兵庫、岡山、福岡、大分、鹿児島など)からネット、メール、電話、LINEやメッセンジャーなどのテレビ電話などのオンライン相談を受付中です!

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

著者の詳細情報はこちら

FacebookTwitterInstagram

関連した記事

漢方薬の副作用が病院の薬より怖い理由
漢方薬の副作用は、体質と合っていない漢方薬を飲むと発生する可能性があります。つまり、東洋医学的な体質や効果も考えずに漢方薬を処方されている場合は、余計に病気がこじれていく可能性があるということです。
漢方薬で治したい人は「証」(体質)を知らなければ治らない
日本で漢方薬を処方しているほとんどの先生が、実は体質なんて診断していません。これでは漢方薬は効果を発揮しません。