
漢方薬はなぜ続けないといけないのか?その理由
『漢方薬って、ある程度、飲み続けないといけないじゃないですか…』と、皆さん、なんとなく漢方薬はある程度、飲み続けて治さないといけないというのはご存知なのです。
では、なぜ、漢方薬は長く飲み続けないといけないのでしょうか?
僕の勝手なイメージですが、一般的には『漢方薬は自然のもので効果が穏やかなものだから』と思われているのかなと思ってます。
どこから出た話なのかわかりませんが、『漢方薬は効くのに3ヶ月かかる』なんてデタラメな話もありますので、そんな話を元に考えているのかもしれません。
でも、それは違います!。
漢方薬には、いろいろな種類があり、効果もいろいろです。
もちろん、その中には効果が出るまでに時間がかかるものもあります。
でも、漢方薬は、時間のかかるものばかりではなく、風邪やヘルペスのように速攻で効果を出すために使うものだってあります。
例えば、風邪だったら、効いたかどうかを確かめるのは漢方薬を1、2包飲んだ後です。
だって、風邪の漢方薬が効くかどうかを3ヶ月も待てませんよね?
3ヶ月だったら、放ってたって自然に治りますから。
漢方薬は、合わせる体質によって、『効いてくる時間』だけでなく、『飲み続ける期間』も変わります。
今回は、漢方薬はなぜ、飲み続けないといけないのかを詳しく解説したいと思います。
漢方薬の本当の効能効果
漢方薬の効果は、病院の薬のようなメカニズムではなく全然、違うものです。
ですので、『効いてくる』という感覚を病院の薬と一緒にしてはいけません。
例えば、アトピーの方に処方されるステロイドの効果のメカニズムは、厳密には『一時的に免疫を低下させる』ことです。
免疫を低下させることによって、免疫反応、つまり炎症反応によって、かゆくなっている湿疹のかゆみが治ります。
もちろん、薬が効いている一定の時間だけです。
一方、例えば、アトピーのマニュアル漢方でよく選ばれる、十味敗毒湯。
十味敗毒湯の漢方的な本来の『効能効果』は、皮膚表面の熱を取り去り、皮膚表面の水と熱が結びついた湿気を取り去り、肝臓の余分な熱を取り去り、胸の辺りの気の滞りを巡らせることです。
言いかえれば、皮膚表面に熱と湿気がたまり、肝臓の熱が上がって、肝臓の解毒能力が悪くなって、アレルギー反応が高まり、気が滞る系のストレスがたまっているという体質をもっているアトピーの方に合う漢方薬です。
『十味敗毒湯=どんな体質の人のかゆみでも止める効果』なんて、そんなざっくりとした効果ではありません。
さっきの体質条件に当てはまらないアトピーの人は、例えアトピーでも違う種類の『自分の体質に合っている漢方薬』を探す必要があります。
こんな風な効能効果は、馴染みがなく、わからないですよね。
でも、これが漢方薬の本来の効果なのです。
なぜ、こんなややこしい感じの効能効果か?というと、西洋医学と漢方は何の関係もない別の物だからです。
漢方薬の効能効果は、東洋医学という医学理論の上に成り立っているので、元からこんな感じなのです。
病気の原因は人それぞれ
アトピーになるには、原因があります。
食事の問題、睡眠などの自律神経の問題、ストレスの問題、単純に親などからのアレルギー体質が影響していたり…
風邪の原因のように何かのウィルスが、湿疹を発生させているわけではありません。
アトピーの原因は、人それぞれなのです。
病気の原因が『ウィルスやバイ菌、ケガなど』でない限り、症状が突然、起こることはありません。
長年、生活の中で、良くないことが続いて、体はそれに対応しようとした結果、アトピーならアレルギー反応が強くなったのです。
例えば、食生活が悪く、胃の消化能力が落ちて、それが小腸の負担になり、小腸の免疫のコントロールがおかしくなったりして、その結果アレルギー反応が強くなり、湿疹が大量に発生するようになったりします。
漢方的にみた時に『病気の原因は、人それぞれ』と考えるのは、『生活や親から貰った体質が人それぞれ違う』からです。
また、『生活の中で良くないこと』ととは、タバコやお酒、夜ふかしなどの皆さんが考えるような、極端に悪いこととは限りません。
例えば、ニンニクや胡麻なんかでも体質に合わないタイプがありますので、それをよく食べていることが熱がこもる原因となり、その熱がアトピーの湿疹につながったりします。
逆に『仙人のような完全な健康的な生活をしている』という自信でもない限りは、毎日、なにかしら、自分の体にダメージを与えている可能性が高いです。
漢方薬の効能効果は「調節や調整」
漢方薬の効果は、体のアンバランスを調整するものです。
先ほどの十味敗毒湯なら、何らかの理由と積み重ねで、皮膚によけいな熱と水がたまってしまったアンバランスな状態を十味敗毒湯の皮膚表面の熱と水を取り去る効果で、調整します。
この調整が漢方薬では効能効果にあたります。
皮膚表面の余計な熱や水がなくなれば、結果的に湿疹はなくなります。
十味敗毒湯の中の謎の成分で湿疹をなくしてくれるわけではないのですね。
エビデンスではないですが、漢方薬にも、ちゃんと治る理由と理論があります。
逆に湿疹でもガサガサに乾燥して出血するような、十味敗毒湯の皮膚状態とは真逆のアトピーの人がいます。
この場合は、体全体の熱を鎮めて、皮膚を潤すために血を増やす漢方薬を使います。
いわば、十味敗毒湯とは逆の処方なので、体質をみないで、この体質の人に十味敗毒湯を処方すると漢方薬の副作用で湿疹は爆発します。
詳しくはこちらを読んで見てください。 漢方薬の副作用が病院の薬より怖い理由
漢方薬をある程度、飲み続けないといけない理由
さて、なぜ漢方薬は飲み続けないといけないのか?
病院の薬は、一定時間だけ効くように設計されています。
もうちょっと詳しく見ると、ステロイドなら、ステロイドの成分が、一定時間だけ免疫を抑え、その成分は、一定時間が経つと体の外へ出されます。
これも、そう設計されています。
ステロイドに限らず、病院の薬はどれも効果はこんな感じです。
病院の薬の場合は、薬の成分が外的な成分として、体内に入り、体内の働きを無理やり変えてしまうのです。
ところが、漢方薬の場合は、漢方薬に体内の働きを無理やり変える成分はありません。
漢方薬は、症状が発生している原因を調整しようとします。
ちょっとややこしいですが、例えば、ステロイドは、湿疹の原因の炎症自体を抑えますが、漢方薬は、例えば、十味敗毒湯が合う体質の人は、皮膚によけいな熱と水がたまって湿疹が発生しているので、十味敗毒湯の皮膚表面の熱と水を取り去る効果で調整するのですね。
症状を抑えるのではなく、調整します。
そして、十味敗毒湯を飲んでいる間は、十味敗毒湯の効果によって皮膚表面の不要な熱や水を取ってくれます。
でも、体自身は、今まで長年、その状態、体質ですね。
これが当たり前だと思っていますので、十味敗毒湯でよくしても、また、元の悪い体質に戻そうとします。
ここからは、漢方薬が体質を良くしようとするのと、元の体質が悪くしようとすることとの戦いです。
いわば、悪い生活習慣で体の悪い癖がついた結果、出てきたのがアトピー。
その悪い癖を直す先生が十味敗毒湯です。
漢方薬を飲み続けないといけないのは、体の悪い習慣が直るのも、これまた人それぞれだからです。
すぐに悪い癖が治る人もいるし、なかなか癖を直せない人もいます。
また体の悪い癖につながった悪い習慣をなかなかやめられずに、体が再度、悪い影響を受けたりもします。
そして、長年、当たり前のように積み上げた悪い癖ほど、直すのに時間がかかります。
だから、漢方薬は長く飲み続けないといけないし、どれくらいの期間、飲まないといけないかは、『人それぞれ』なんですね。
ちなみに風邪や下痢、ヘルペスなどに対しては、漢方薬は効果が早いですが、この場合、病院の薬のように何かの成分が効いているわけではありません。
この場合も、水を巡らせたり、温めたりとするのですが、こういった病気は、患っている状態が短いので、体質自体が悪い癖になるほど変わっていません。
その場合は、かなり早く効いて、すぐに治るのです。
まとめると、病気や症状というのは、何かの原因で体内の働きに対して悪い癖がついた状態です。
この状態が長くなると、漢方薬は、その悪い癖を矯正するものなので、修正ができるまでに時間がかかります。
悪い癖の状態が長いほど、つまり病気を患っている期間が長いほど漢方薬を飲まないといけない期間が長くなるので、言い換えれば、おかしいな?と思った時点で、飲み始めると漢方薬を長く飲む必要がありません。
最後に注意していただきたいのは、長く飲み続けても良い漢方薬は、あくまで『あなたの体質に合っている漢方薬』です。
体質に合っていない漢方薬は、体の悪い癖を正さないどころか、飲み続けるほど、体質は、より悪くなりますので、かならず、最初に『体質を分析、判断』してもらうようにしましょう。
間違っても医者がやっているような「アトピー→十味敗毒湯湯」とか「めまい→苓桂朮甘湯」みたいな体質分析を無視したマニュアル方法では、漢方薬の静かだけど怖い副作用を考えると場合によっては飲まない方がまだマシですよ、
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯ オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢方処方応用の実際:南山堂
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅠⅡⅢ:薬局新聞社刊
◯ 平成薬証論:メディカルユーコン

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