漢方薬相談ブログ

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「症状(副鼻腔炎)」だけに合わせて漢方薬を選ぶと効かない理由

患者さんが、ものすごく誤解されていることの一つに「医者は漢方のことをわかっていて漢方薬を処方している」ということがありますが、医者は、実は医大で漢方のことは勉強しません。

かといって、もちろん、特別に独学で漢方のことを勉強しませんので、漢方に関しては、実は『全くの素人』です。

たまに勉強する人もいますが、3ヶ月に1回あるかないかのツムラなどの漢方薬メーカーの勉強会に参加するくらいで、その講習会も僕が参加した印象では、漢方薬の名前がおぼえられるくらいで、治療には役立ちません。

参加せずに自分で本を読んでる方が、よっぽど勉強が進みます。

大体の医者は、ツムラなどの漢方薬メーカーから、もらったマニュアルを見て、漢方薬を選びます。

もちろん、体質もクソもないので、ど素人がテキトーに選んでいるといっても過言でrはありません。

医者が具体的にどう漢方薬を選ぶのか

具体的に医者はどんな風に漢方薬を選んでいるかというと、まず、マニュアルが皮膚科などの各科に分けられていて、その科ごとに病名が書いてあります。

例えば、副鼻腔炎(蓄膿症)なら、【耳鼻咽喉科 → 蓄膿症 → 葛根湯加川芎辛夷、荊芥連翹湯、辛夷清肺湯】と書いてあります。

こうやってマニュアルだけみて、漢方薬を選ぶ?わけです。

なんか、言葉が悪いですが、アホでも選べる方法ですね。

2千年間、なくならずに続いてきた高度な医学が、そんなアホな方法で選べるわけないんですけどね。

そして、次に選んだ漢方薬のページを開きます。

そうすると、例えば、荊芥連翹湯等のページの【効能又は効果】という部分に『蓄膿症、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび』って書いてあるのです。

ここに書かれている「症状」、医者じゃなくても効能効果のことじゃなく、単に症状が書いてあるだけだとお気づきになるかと思うのですが、医者は、こんなおかしな文もおかしいと気づけないみたいです。

とにかく効能又は効果の欄に蓄膿症とだけ書かれています。

そして、このページを患者さんに見せながら、「ほら、蓄膿症ってココに書いてあるでしょ!」といって、「だから、あなたの副鼻腔炎に荊芥連翹湯を出しますね」とたくみに自分の責任逃れをしながら意味不明な方法で漢方薬を出します。

効能効果に書かれている症状を治すわけではない

先ほども触れましたが、医者は【効能又は効果】という部分に書いてある『蓄膿症、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび』の症状をまるで、その漢方薬が治してくれるかのような錯覚をさせて説明?しますが、ここに書かれている症状を治すわけではありません

『こういった症状や病気の人に使うことがある』という意味です。

体質によって、これ以外の漢方薬も使います。

本来、効能効果という意味は、その蓄膿症という症状を『どうやって治すのか?』を説明したものです。

その治すメカニズム効能効果というのであって、症状は単に症状なんです。

漢方薬は人それぞれの原因を考えて選ぶもの

漢方薬は体質に合わせて選びます。

その体質というのは、『その人独自の病気や症状の原因』と言い換えてもいいです。

その『その人独自の原因』分析するために症状を中心にみていきます。

なので、『【効能又は効果】という部分に蓄膿症、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび』と書かれている症状は、この書かれている症状をヒントに、ちゃんと体質や原因を分析して、荊芥連翹湯等が合っているかどうかをみてくださいね。という意味なのです。

なのに、医者は勝手に勘違いして、体質も原因も考えずにこれが本当に効能効果だと思って漢方薬を処方しています。
(本当にそう思い込んでいるのであれば、国語力なさすぎなので、本当のところはわかりませんが)

漢方薬は理論的に選ぶ

このマニュアルには、蓄膿症の欄には荊芥連翹湯の他に葛根湯加川芎辛夷、辛夷清肺湯という漢方薬も書いてありますね。

では、蓄膿症だったら、この3種類の漢方薬のうち、どれを選んでもいいのでしょうか?

例えばダーツとかあみだくじで。

そんなわけありません。

ここからが正に漢方治療なのですが、漢方では『症状』をさらに深く掘り下げて、分析していきます。

漢方の世界では、副鼻腔炎(蓄膿症)の原因は人それぞれ違うのです。

そして、その原因別に漢方薬も変わります。

漢方薬それぞれの効能効果

例えば、荊芥連翹湯の効能効果は、『上焦の熱証の清熱』『上焦の熱証による精神症状の調整』『筋緊張の緩和』『表の熱と水の巡りの調整』です。

すみません。漢方は東洋医学なので、医者や皆さんが理解できるような西洋医学的な効能効果は、本来はないのです。

ようするに荊芥連翹湯は、副鼻腔炎(蓄膿症)を患ってから時間が経って、慢性化し、体の上部に熱がこもり、皮膚の熱や水が停滞気味で精神的な緊張や筋肉の緊張の状態が原因となって副鼻腔炎(蓄膿症)になっている人に合わせる漢方薬なのです。

葛根湯加川芎辛夷の効能効果は『表の寒証の発表』『表の実証の寛解』『上焦の湿症の清熱と利水』です。

こちらは、副鼻腔炎(蓄膿症)が慢性化していないか、症状が強い人で、鼻つまりがひどく、鼻が抜けにくく、体表面が冷えやすく熱と水の巡りが悪くなりがちで、その滞りが肩から上で起こりやすいということが原因となって、副鼻腔炎(蓄膿症)になっている人に合わせる漢方薬です。

大きくみると荊芥連翹湯は、色のついた鼻水が出やすく、葛根湯加川芎辛夷は、鼻水すら出ないみたいな人に合いやすいといった感じ。

とにかく、人によって原因が違うので、『その人それぞれの原因を分析して、原因に合った漢方薬』を選びます。

できるだけたくさんの漢方薬から選ぶのが良い

うちが副鼻腔炎(蓄膿症)の相談を受けた場合は、下記の中から選びます。

【副鼻腔炎でよく使用される漢方薬】
辛夷清肺湯、葛根湯加川芎辛夷、葛根湯、小青竜湯、清上防風湯、荊芥連翹湯、柴胡清肝湯、十味敗毒湯、排膿散及湯、四逆散、小柴胡湯、大柴胡湯、柴胡桂枝湯、柴胡桂枝乾姜湯、防風通聖散、苓桂朮甘湯、鈎藤散、桃核承気湯、桂枝茯苓丸、茯苓飲、小半夏加茯苓湯、半夏白朮天麻湯、人参湯、補中益気湯、十全大浦湯、小建中湯、苓甘姜味辛夏仁湯、麻黄附子細辛湯、桂姜棗草黄辛附湯、真附湯、甘草乾姜湯、茯苓四逆湯、四逆加人参湯

どの漢方薬も副鼻腔炎(蓄膿症)の原因や体質が違うものです。

なにせ、病気や症状の原因は人それぞれなので

ツムラなどの漢方薬メーカーのものはなぜ3種類しかないのでしょう。

本来は、西洋医学の病名なんて関係なく、漢方薬は、正味、体質だけに対して選びますが、おそらく、医者が漢方の診断や治療の理論を全く知らないので、勝手につくったのでしょう。

だって、ツムラなどの漢方薬メーカーは治ることよりも医者が簡単に選べるようにつくったほうが、じゃんじゃん、売ってくれますから。

ということで、鼻炎とか副鼻腔炎(蓄膿症)とか、症状だけで漢方薬を合わせる医者や漢方薬局がいますが、そんなのは漢方の世界にはありません。

漢方は、副鼻腔炎(蓄膿症)という鼻の症状であっても、全身の症状や状態から、あなた独自の副鼻腔炎(蓄膿症)の原因(体質)を調べて合わせるのです。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 図説東洋医学(基礎編):学研
◯ 図説東洋医学(湯液編Ⅰ):学研
◯ 図説東洋医学(湯液編Ⅱ):学研
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ やさしい中医学入門:東洋学術出版社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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