漢方薬相談ブログ

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たくさんの漢方薬を一度に飲むと効果がなくなるの?

よく漢方薬をたくさん出して、1日に何種類もの漢方薬を飲ませている先生がいますが、あれ、漢方薬の効果がなくちゃっちゃうから無意味なんですよね。

漢方薬はその人の体質にピッタリと合わせないと効果がありません。

これを自分の都合の良い方に解釈して、症状に漢方薬を選んだところで、これの方法は漢方の治療のルールから外れていますので、漢方薬の効果がなくなることの方が多くなります。

医者は不必要にたくさんの薬を処方する

病院は、よく必要のない余分なお薬を処方しています。

体質どころか、症状に対しても過剰な位、薬を処方します。

僕が昔、胃痛で悩んでいた時も病院でみてもらった後、3種類の薬の処方箋が出ていました。

1つは胃散で痛みを生じている人に使う胃散を抑える薬

もう一つは胃散の分泌を促進する消化不良なんかに使う薬。後、1つは忘れましたが、なんか胃のトラブルでよく出すやつだったと思います。(おぼえてません)

どれも毎食後に一度に飲む事になっていたので「胃散を抑えるのか?胃散を止めるのか?どっちなんだよ!」って一人でツッコんでました。

この時に不思議だったのは胃痛の悩みで病院に行って、胃カメラを飲んだのですが胃はめっちゃキレイで特に問題なかったことでした。

医者に聞いたら「特に問題ない」です。とのこと。

「いや、問題あるからココに来てるんですが…」って本末転倒な話になってました。

これ、厳密には問題がないのではなく僕(医者)には不調の原因がわかりませんですよね。

そして、とどめが「問題ない」って言ったクセに胃散を分泌する薬と胃散を抑える薬と後、なんかの薬。

「問題あるのか? ないのか? どっちなんだーーー」と思いました。

「原因わからんけど、全部出しときゃいいや。どれか効くでしょ!」って感じ?

薬の作用機序を考えると、治りそうになかったので、結局、薬局に薬を貰いにいくのはやめました。

風邪で薬を出しまくり!

この手のことは病院はよくやってるように思います。

例えば、風邪なんかだと薬の好きな病院なんかは、特に症状を訴えてなくても、去痰剤とか、咳止めなんかを処方しています。

抗菌剤なんか、同じ作用の2種類を一度に出しているところなんかもあります。

医者に直接、聞いたわけじゃないからわかりませんが、薬は「大は小を兼ねる」と思っている節があるように思います。

薬がないよりは、たくさんの薬が、いろいろとあったほうが治してくれると思うのでしょうか?

困った事に、これを漢方薬でやっちゃう先生が多いです。

漢方薬は体質に合わせないといけないと言われていますが、それを簡単に例えると体が冷えている人には温める漢方薬。

体に不要な熱がこもっている人には冷やす漢方薬を選びます。

体の悪い状態と漢方薬の効果がぴったりと合えば治ります。

症状を抑えるのものではないのです。

病名や症状は参考情報にするだけで、その人自身の体の中の不調の原因が何なのかを推測してその不調を治せるものを選ぶのです。

漢方治療の大原則はニュートラル

漢方では身体を治してくための大原則があります。

漢方治療の原則は人間の身体を真ん中のニュートラルの位置にもってくることです。

冷えている体に温める漢方薬を合わせれば、ちょうど、どちらでもないニュートラルな状態になるわけです。

その時に注意しないといけないことがあります。

それは元気にする漢方薬は気や血を補い、ドンドン身体を元気にしてくれます。

でも、元気になった状態で同じ漢方薬を飲み続けたら、ドンドンと元気に…なりません!

体力を補い強くするものは、熱性のものが多いので、今度は身体が余分な熱を持ちはじめ、熱による病気になってしまいます。

だから、良いものだからといってたくさんの種類を飲む事も意味がありません。

その人の丁度があるのです。

漢方では、いろいろな病気や症状があるからといって、漢方薬の種類が増えていくわけではありません。

また逆もしかりで、たくさんの種類を飲んだからといって治りやすくなるわけじゃないのですね。

それどころか、かえって悪くなることもあります。

漢方薬では大は小を兼ねないのです。

とことん、その人に最適な1つを選ぶ必要があります。

『体全ての症状を分析して1つの体質にしぼり、それに見合う1つの漢方薬を考える』

1種類の漢方薬でダメそうでも1つの最適な漢方薬を考え抜く

それでも、2つや3つの体質が重なり合っていることがあります。

漢方薬は1つの漢方薬に1つの体質条件が設定されていますので、2つ、3つの体質が重なっているということは2つ、3つの漢方薬が必要だということです。

でも、この場合も簡単に複数の漢方薬での対応を考えてはいけません。

1つの漢方薬でも症状や病態など、その漢方薬が合う体質の設定条件がありますので、「漢方薬を複数にしてしまう」ということは、漢方薬の種類を増やすほど、ややこしくなるということです。

また、漢方薬どうしで喧嘩しあって、どの漢方薬も効いてない!ってことにもつながります。

なにより、複数の漢方薬を飲む害は、『漢方は飲んだ後の結果を観察して効いていたか?効いていないか?がわかる』という治療方法と関わってきます。

たくさんの種類の漢方薬になると、それぞれ違う効果をもたらすはずですから、どれがどう効いたかわからなくなるのです。

だから、基本はあなたに合った、たった1つの漢方薬を考え抜かないといけなのですね。

これが非常に難しい!

漢方では大は小を兼ねません。

なんとなく、効果がいろいろあるほうが効くんじゃないかって感覚は処方する側の先生が安心できるだけで、現実は、漢方薬の種類が増えれば増えるほど、ややこしくなり効かなくなる可能性が上がります。

最初から、いろいろな種類の漢方薬を飲まれている人は、

『本当に1つの体質と漢方薬を考え抜いた結果、複数の漢方薬にせざる得なかったのか?』

『病院の薬のノリで症状ごとに漢方薬を合わせたわけじゃないのか?』

この2点を担当の先生に聞いてみてください。

ちなみに保険適用の漢方薬は医者がマニュアルをみただけで処方しているので、どちらも最初から考えていませんので、質問するだけ無駄かもしれません。

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ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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