漢方薬相談ブログ

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複数の漢方薬を1度に同時に飲んでも副作用の心配はないの?

西洋医学の薬は、あらかじめ効果が決まっていて、その効果が必要な症状に合わせて、処方します。

例えば、頭痛を訴えている人なら頭の痛みを止める効果のある薬を処方します。

頭痛で悩んでいる人に胃散を抑える効果の胃腸薬を処方することはありません。

基本的には『1つの症状に対して、1つの効果のある薬』を使って治療します。

1つの症状に1つの効果の薬を処方しますので、いろいろな病気や症状があると、薬の種類が、どんどん増えちゃいます。

あなたも経験があるかもしれませんが、医者に症状を訴えれば、訴えるほど、薬の種類が増えていきます。

頭痛のある人が、以下の症状を加えて訴えると…

「なんか眠れない」

「胃がもたれたり、痛い」

「軟便で下痢気味」

頭の痛みを抑える薬の他に『睡眠導入剤』『胃酸を抑えるか胃酸を出させる薬』『下痢止めの薬』がプラスして追加されます。

これに「血圧が高い」とか「血糖値が高い」なんて、なってくると更に『降圧剤』『血糖降下剤』がプラスされます。

合計で1日5種類の薬を飲むことになりますね。

薬だけでお腹一杯です。

症状を一時的に抑えるためには症状ごとに薬を飲んでもかまわないのですが、西洋医学の薬はどれも『薬を飲んでいる間だけ一時的に症状を抑えるもの』です。

薬をやめると症状が再発するようなら、西洋医学の薬を飲み続けても根本的に治る可能性は、ありません。

また、たくさんのいろいろな症状は、実は1つの原因としてつながっている場合もあり、体全体の治療を考えていく、漢方からみると『眠れないこと、頭痛、胃のもたれ、下痢』は同じ原因だったり、することがあります。

漢方薬の場合は西洋医学の薬のように症状だけをみて、1つの症状に1つの漢方薬を処方するわけではありません。

漢方薬は『症状』ではなく『体質全体』を考えて、なるべく1種類の漢方薬で治療します。

体質と症状の違い

西洋医学では病気や症状と薬の関係を単純に考えます。

『頭が痛い! → 痛みを止める薬』って感じで。

しかし漢方薬はこんな感じでは処方しません。

漢方は、病気や治療に対しての考え方が根元から違のです。

漢方薬は病的体質である『証』に対して薬(漢方薬)を合わせないといけないのですが、とんでもない勘違いしている先生がいたりします。

それは漢方の『体質』のことを患者さんが訴えている『症状』同じものだと勘違いしている先生です。

「体質」とは現在の身体全体の状態のことです。

体質には、持って生まれた遺伝的な体質なんかも含まれます。

更に体質を詳しくみていきましょう。

よく、いくつかの症状が当てはまったら『血虚タイプ』とか『瘀血タイプ』とか、朝のニュースの占いのノリでやってる漢方の本やWebサイトがありますがあなたの体質は症状だけで判断できるわけではありません

あなたの体質を分析する手がかりになるものは、症状だけでなく、その人の『見た目などからわかる体格や歩き方、話し方、考え方、住んでいる環境、仕事の環境を含めた生活環境や生活リズム、普段の食事や過去のその人の病気、肉親の病気など』が関係します。

これらのあなた自身やあなたを取り巻くものを全て『漢方的診断フィルター』にかけて分析し現在の体質を分析します。

症状はあなたの体質を分析する上で重要ですが、症状はあなたの体質をつくっている一部の情報でしかないです。

だから『症状=体質』は、間違いなんですね。

症状ごとに合わせて漢方薬を処方する方法では漢方薬は効かない!

そもそも漢方の医学理論をわかっていない先生は勘違いを重ねて、冒頭でお話したような西洋医学と同じ考えで漢方薬を処方します。

病名に対して1つの漢方薬を処方をするならまだしも←これも間違ってますが。

(病名で漢方薬を処方するおかしな方法は、詳しくは、こちらの「病院の漢方薬は効かないのか!?(病名漢方とは」)を参考にしてみてください。)

『1つの症状ごとに1つの漢方薬を処方』しちゃうのです。

例えば、頭痛に五苓散を処方して、プラス胃腸トラブルに六君子湯など。

不妊症で着床を促すために「子宮に対して」当帰芍薬散を処方するとか。

特にひどいのは六君子湯が胃腸薬だと勘違している先生

六君子湯は胃酸を抑えたり、止めたりするような胃腸薬ではありません。

六君子湯は胃に不要な水が溜まり、その影響で手足や下半身にも不要な水が溜まり、その水が体を冷えさせているという体質に使うものであって、ざっくりと胃腸薬として使うものではないのです。

漢方薬はそんな単純で雑な根拠で処方しません。

漢方薬を体質に合わせる知恵がない先生は、1つの症状に1つの漢方薬を合わせて、頭痛には五苓散、胃腸のトラブルには六君子湯と症状ごとにバラバラに漢方薬を処方します。

しかし、漢方では、全身をみて、頭痛と胃腸の悪さが同時に起こる体質の人に合わせる「桂枝人参湯」とか「呉茱萸湯」を使うのが『体質と合わせる漢方薬』ということになります。

残念ながら、こういった病気や症状ごと、体のある部分にだけ漢方薬を処方しちゃうのは、漢方を理論的に理解していない証拠です。

漢方薬は1つの症状を抑える作用ではないので、こんな方法で選んでいては漢方薬はちっとも効果を発揮しないし、病気も治せません。

こういう方法をとっている医者は、西洋薬の『1つの病気や症状に対して1つずつの薬を処方をする感覚』と漢方を一緒くたにしてしまっているのだと思います。

(詳しくは 「自分の症状をあてはめて漢方薬を選ぶのは間違いです(症状漢方)」 を読んでみてください。)

症状自体に漢方薬を対応させても根本治療にならない

漢方薬は『複数の種類の生薬』で作られています。

体のいろいろな部分を一度に調整するために、いろいろな生薬が含まれているのです。

決して、生薬が、症状を1つずつ抑えているわけではありません。

症状を一時的に抑えることと、体を調整することは全く違います。

漢方薬の本来の使い方は、症状を一時的に抑えることではありません。

最初の間は、症状がなくならなくても、とにかく体内のアンバランス調整することが重要です。

体内の不調を知らせるために発信されている症状を消しても、意味がないので、症状ごとに漢方薬を選んでも意味がありません。

そんなのは、漢方薬の目的ではないので、漢方薬でなく、病院の薬を飲めばよいと思います。

漢方薬はなるべく全身を総合的に判断して『1種類の漢方薬』まで絞り込むのがベストです。

1種類の漢方薬の複数の生薬に体内のいろいろな部分を調整させることによって根本治療に結びつけます。

『1つの症状がなくなるかどうか』だけで、症状ごとに漢方薬を選ぶ先生には注意したほうがいいですよ。

●頭痛などのご相談ご希望の方は、こちらの「漢方無料相談」から送信してください。

●お問い合わせなどは、こちらから送信してください。

【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ツムラ医療用漢方マニュアル
◯漢方概論:創元社
◯漢方方意ノート:創元社
◯漢方臨床ノート(論考編):創元社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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